スコシフシギな世界-藤子・F・不二雄ブログ

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2010.10.24
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カテゴリ: ネオのぼやき

NHKのBS1をつけっぱなしにしていたら
海外のニュースが始まりました。
放送されたのは、おとといだったと思います。
街中でとらえた防犯カメラの映像が流れました。

普通の歩道に、一人で歩いている女性がいます。
その後ろから、男が近づいてきます。
男は、女性のバッグを奪い取ろうとしました。
女性は、必死に抵抗しバッグを放しません。
男は力強く迫ってきます。
やがてよろめいて、女性は倒れます。
それでも、まだバッグを放しません。
男は、女性に覆いかぶさり、頭をつかみました。
女性の頭は、路地に叩きつけられます・・・
とても痛々しい姿です。
女性は、何が何でもバッグを放しません。
しかし、銃社会のアメリカです。このままでは危険です。
普通ならば、自分の命を守るために
どんな大切なバッグであろうと手放すはずです。
ですが、女性はバッグを放しませんでした。
そして・・・
ついに、男はあきらめ、その場を去っていきました・・・

女性は防御するだけで精一杯で
ずっと攻撃を受けていました。
犯人は捕まっていませんが
軽傷で済み、バッグも無事で一安心です。

さて、このバッグにはいったい何が入っていたのでしょうか?
もしかしら、「ものすごい大金」「高価な宝石」といった
回答が出ることでしょう。
しかし、このバッグの中には、世界中のお金を集めても
買えない物が入っていました。

幼くして亡くなってしまった子供の写真と
子供の声が吹き込まれているカセットテープでした。
女性は、その写真とカセットを命懸けで守りました。

番組に呼ばれた被害者の女性と
ニュースキャスターの会話が始まりました。


     手放すことは考えなかったのですか?」
女性   「子供の写真とカセットは私の命です。
     これを取られるくらいなら死んだ方がましだと思いました」

つまり、女性がかばんに詰めていたのは
写真とカセットという命だったのですね。

このニュースを見て、むかし母が
「女性は子供を生むと強くなるのよ。失うものがなくなるから」
といっていた言葉を思い出しました。
「失うものがない」というのは、子供に対して命を懸けられるから
「自分の命以上失うものはない」という意味なんですね。
今まで、なんとなく分かったつもりでいましたが
このニュースで言葉の真意に初めて気づきました。
私は、この女性の強さに感動しました。

児童虐待をする、ごく一部の母親には当てはまらないですが
母性本能を持った女性は、こうして強くなるのだなと思いました。


私が子供の頃、長年使っていたトースターが家にありました。
食パンを焼いて食べていると、古かったせいか
トースターのコンセントが出火しました。
それほど大きくはなかったですが、怖かったです。
だから、今でもこうして記憶が残っています。
私は、「すぐに火を消そう」と真っ先に思ったものの
恥ずかしながら、怖くて固まってしまいました。
その場に居合わせた母が、とっさにやって来て
火がついたままのコンセントを手で引き抜きました・・・

その時は「新しいトースター買わないとね」と
一言で終わってしまいましたが
母は、ライターをつけるのさえ怖がるほど、火は苦手です。
そんな母が、燃えているコンセントを
素手で引き抜いたのは、今振り返ると
母の強さを見た感じがしました。
母は強し!





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Last updated  2010.10.24 03:13:56
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