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2024年09月24日
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テーマ: 世界遺産(32)
 2024年7月27日、インドの首都ニューデリーで開かれたユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会の会議で、日本が世界文化遺産として推薦する新潟県の「佐渡島の金山」の結果、全会一致で世界文化遺産として登録することが決まった。
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「佐渡島の金山」世界遺産登録
、済効果585億円…政投銀が3年前の試算を上方修正
読売新聞  2024年9月21日 17時22分
 日本政策投資銀行新潟支店は17日、「 佐渡島 さどの金山」の世界文化遺産登録に伴う経済波及効果の試算を発表した。来年度の佐渡市への来訪者数を67万8000人と想定し、旅行消費額は412億円、経済波及効果は585億円と見込んでいる。
 同支店は2021年の試算で経済波及効果を517億円としていたが、物価高騰の影響を踏まえて上方修正した。
 試算では、来訪者の宿泊費と飲食費など直接効果を346億5700万円とした。それに伴う生産の誘発など「間接1次波及効果」は138億2500万円、関連産業で働く人の所得増による消費支出など「間接2次波及効果」は100億3700万円に上るとみている。
  ―  引用終わり  ―
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 「佐渡島(さど)の金山」と振り仮名を併記することを世界遺産としての正式な表記とする。
 世界遺産としての構成要素は「16世紀後半から19世紀半ばまでの伝統的手工業による金銀鉱山遺跡群」。 江戸時代までに開発された鉱山関連史跡
世界遺産登録までの経緯
 2007年、文化庁が世界遺産候補地を公募した際に「金と銀の島、佐渡-鉱山とその文化-」として立候補。
 2010年10月、「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」としてユネスコ世界遺産センターの暫定リストに登録。
 2021年、文化審議会世界文化遺産部会が2023年の第46回世界遺産委員会での審査候補に選定。
 2022年2月、日本政府がユネスコに推薦書を提出。推薦書記載内容に不備があるとユネスコから指摘された。
 2024年の審査を目指し、ユネスコの諮問機関国際記念物遺跡会議(ICOMOS)による現地調査を経て、保留扱いとなる情報照会勧告が出された。
 2024年7月27日、第46回世界遺産委員会において登録が決定。
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 韓国は、佐渡金山で第二次世界戦中に朝鮮人の強制労働があったと主張し、世界遺産登録申請に反対した。2023年、尹錫悦政権に交代した後、韓国は反対から軌道修正を行った。
 2024年9月18日、朴チョルヒ駐日韓国大使は、花角英世新潟県知事と渡辺竜五佐渡氏市長に相次いで面会し意見交換した。日韓政府は佐渡金山で犠牲になった朝鮮人を含む全ての労働者の追悼式を今秋行うことで合意しており、朴大使は早期に開いて日本政府幹部が出席することなどを求めた。
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 世界遺産の登録は観光振興のために行っているのではないが、登録されると世界的な観光地になり、経済効果が大きくなることが多い。
 世界遺産は、顕著な普遍的価値を有する文化遺産及び自然遺産の保護を目的として制定された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて世界遺産リストに登録された、文化財、景観、自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件のことで、移動が不可能な不動産が対象。法令での保護、保全策の制定も義務付けられている。
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 LCCの発達などで国外での観光が身近となったこともあり、世界遺産に登録された有名観光地などでは、観光公害、オーバーツーリズムが問題となっている。世界各地で、オーバーツーリズムによる物価高騰、交通混雑、住宅危機などへの抗議活動が行われている。
 イタリア・ヴェネツィアやスペイン・バルセロナでは、民泊の増加などの影響で賃貸不動産価格の上昇が著しく、住民が流出するほどとなっている。
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観光客は帰れ!
オーバーツーリズム悪化で
エレミニスト編集部
2024.08.19 ELEMINIST
 数多くの観光客が訪れる欧州では、オーバーツーリズムの問題が悪化。スペイン、ギリシャなどで、地元住民の間からは観光業に反対する声が高まっている。
住民によるデモ行進・抗議運動が各地で勃発
 観光業によって恩恵を受けている観光地は、訪れる観光客の数が多いほど喜ぶもの……。そんな固定概念は変わってきているのかもしれない。欧州の人気観光地の各地で、2024年夏、観光業に反対する声が高まってきている。
スペインで住民数千人の大規模デモ
 例えば、スペインのバルセロナでは7月上旬、観光業に反対する住民数千人によるデモが行われ、7月下旬にも「ヨーロッパのハワイ」と呼ばれるマヨルカ島で大規模デモが行われた。人々は街を行進しながら「観光客は帰れ!」と叫び、観光客を見つけると水鉄砲で水をかけた。
 スペインでは2023年に、海外から訪れる観光客の数が過去最高を記録。2024年第1四半期は前年同期比で2400万人も増加している。
ギリシャは「もう観光はやめよう」宣言
 ギリシャの首都アテネでも、観光業に対する激しい抗議活動が勃発。人々からオーバーツーリズムに対する怒りが高まっていることを受けて、4月にはギリシャが「ノーモア・ツーリズム(もう観光はやめよう)」と宣言した。
  ―  引用終わり  ―
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 2005年、サグラダファミリアを含む「アントニ・ガウディの作品群」を構成する物件としてユネスコの世界文化遺産に登録された。
 2026年にサグラダファミリアが完成したら、バルセロナはどれほど混雑することだろう。
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 訪問客の集中や気候変動による問題が深刻化しているとして、国連教育科学文化機関(ユネスコ)がヴェネツィアについて「危機遺産」への指定を勧告した。
 ヴェネツィア市はオーバーツーリズム対策として、2024年4月、1日一律5ユーロの「ヴェネツィア市入島税」の徴収が試験的に実施された。対象日は4月25日から5月5日までの11日間、5月11、12、18、19、25、26日、6月8、9、15、16、22、23、29、30日、7月6、7、13、14日の計29日。
 結果は、入島税で観光客を十分に抑えることができず、観光客は前年比で増加した。
 観光客の流入が抑制されないため、ベネチア市は8月1日から団体観光客に対して25人までの制限を設け、拡声器の使用を禁止した。
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 過去登録抹消された世界遺産は、オマーン・「アラビアオリックスの保護区」、ドイツ・「ドレスデン・エルベ渓谷」、英国・「海商都市リヴァプール」の3例がある。





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最終更新日  2024年09月24日 06時00分12秒
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