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2007.04.18
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司凍季『からくり人形は五度笑う』
~講談社文庫、1995年~

 司凍季さんのデビュー作です。もともとは1991年に講談社ノベルスとして出版されたのですが、おそらく現在では、ノベルス版も文庫版も絶版で、古本でないと手に入らないと思います。
 島田荘司さんの『奇想、天を動かす』を読んで非常に感動し、島田さんにファンレターを送ったことが、司さんのデビューのきっかけになったとか。巻末には、島田さんによる「薦」も収録されています。
 以下、内容紹介と感想を。

 ミステリ作家・依井直之のもとに、27年前に失踪した父が書いた手紙が届く。明らかに、父以外の何者かが送ってきたのだった―。
 それは、27年前に父が訪れた沙華姿村から届いた。気になった依井は、村を訪れる。
 村で依井が聞いたのは、27年前に起こった三つの事件だった。人形が空を飛ぶのを見た後に失踪した下男…これが事件の前兆で、その後、密室状態で、現在の旅館<水車>の女将の母親が殺された。さらに、現女将の父親(と思われる人物)が焼死(自殺か他殺か不明)、その男の双子の兄も殺された。双子の兄は、首が胴体から切断され、胴体は、いわば<足跡のない密室>から見つかった。首と胴体は、離れたところで発見されていた。
 <水車>に滞在している間に、依井は、女将の娘・結姫と親しくなる。ところが、結姫に奇妙な歌が届けられるようになり、彼女はなにか良くない事件が起こるのではないかと心配する。
   *
 事件を受けて、一尺屋遙が沙華姿村を訪れる。

 いやはや、細かく内容紹介を書くにはちょっと疲れています…。
 はしょった内容紹介になりましたが、とてもわくわくする雰囲気の物語です。廃村といってよいほど寂れた村、村の旧家、過去の陰惨な事件、人形職人… まるで横溝正史さんの物語の世界です。
 一方で、プロローグで人形が飛ぶという奇妙な謎を提示して、物語を展開するのは、島田荘司さんの手法に倣っているといえるでしょう。
 一尺屋さんは、端正な顔立ちの奇抜な性格(変人?)の探偵ということで、さほどオリジナリティのあるキャラクタとはいえないと思いますが、ミステリとしては面白いです(若干ひっかかる点もあるのですが…)。





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Last updated  2007.04.18 06:24:09
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