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2008.12.18
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筒井康隆『霊長類 南へ』
~講談社文庫、1974年~

 筒井さんの初期の長編SFです。簡単に内容紹介と感想を。

ーーー
 某国施設でのトラブルにより、核爆弾が発射された。爆弾はアメリカ、ロシア、日本を襲う。アメリカはロシアによる攻撃と、ロシアはアメリカによる攻撃と考え、こうして、「パイ投げ」ははじまった。
 記者のおれは愛人の珠子と過ごしているときにこのニュースを聞き、急いで社に向かおうとする。しかしニュースのため、日本でも混乱がはじまっていた。最初の爆弾は青森に落下したため、人々は我先にと南へと向かう。おれも渋滞に巻き込まれ、その中で一人の少年を救う。こうして、三人は行動をともにするようになる。
ーーー

 本書では、いくつかの場面が描かれます。決して上の(短い)紹介に書いた「おれ」のパートばかりではないのですが(それこそアメリカ国防総省の混乱、日本の内閣の混乱などなど…)、「おれ」のパートをいちばん楽しく読みました。パートとしては一番描かれていることもあり、感情移入しやすいのもあると思います。
 私はいわゆるSFはもともと読まず嫌いで、いまもSFに分類される作品は筒井さんの作品しか読んでいませんが、本書は、最終戦争をテーマに、人間の性質を描いているのだと思います。もとは舞城王太郎さんの言葉に触発され、何度か感想にも書いていることですが、物語はフィクションだからこそ、伝えられるメッセージをもっていると思います。本書も、たしかにこんな状況になれば、こんな事態が起こってしまうだろうと、どこかリアルなものも感じながら読み進めました。
(2008/12/16読了)


   *

 久々(?)の記事なので、ちょっと雑記を。
 この月曜日に風邪でダウンしてしまい、しばらく寝込んでいました(その分、体調が多少落ち着いているときには横になって本を読みましたが)。インフルエンザもはじまっているようですし(幸い私は違いましたが)、体調を崩しやすい時期ですし、風邪もかなり手強いですし、とにかく気をつけましょう。
 11月からはほぼ毎晩、夜に20分ほどジョギングしたりと、健康をこころがけていたつもりなので、風邪で寝込んでしまうのはかなり悔しいですね…。寝込んでいたせいか、ちょっとしたものも重たく感じてしまいます。こんなに体力が落ちるのかとショックでした…。
 雇用契約の都合上、これから年始まで休みに入るので、まずは体調を回復させたいです。





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Last updated  2008.12.18 07:18:25
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のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 久々の再…
シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
のぽねこ @ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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