愛犬のお葬式



ここでは個別に火葬して頂けますし、みんなお葬式としてお経を読んで頂けます。
うちの愛犬は個別に火葬して頂いた後、お墓に入れてもらわず持ち帰る事にしました。
やっぱりまだ、突然の別れで、少し離れたこの地において帰る事ができなかったんです。
お葬式を済ませ、火葬するところへ連れて行ってもらい、最後のお別れをしました。
母は愛犬の手をとり「今までありがとう。絶対、忘れないからね。必ず戻っておいでね。」と言い残しました。
私は愛犬の姿を見れる最後なので必死に涙をこらえ、しっかりと愛犬の顔を見納め、愛犬をなでて最後の別れを終えました。
私があまり泣いてばかり居る事はできませんでした。母がよけいに悲しがると思ったからです。

火葬が終える時間にその場に行くと、愛犬が遺骨となって目の前におかれました。
思った以上に私の心は落ち着いていて、きっちりとその現実を受け止める事ができました。
「元の姿をとどめたい」「火葬なんて嫌」という内心の子供っぽい自我はどこかへ飛んでいってしまいました。
遺骨となった愛犬のその姿は、実際は骨なのですが愛犬の姿が今にも現れそうなほど綺麗な物でした。
鼻筋もしっかりと残っており、母と二人で「なでてやりたいなぁ」と言ったほどに愛おしいものでした。
それから係の方が丁寧に愛犬の骨の部位の説明などをして頂きながら、人間と同じように一つづつ骨をとり、骨壺に収めました。

その骨壺を大事に助手席で抱えて車で帰っている途中、数時間前この道を通った時には、
まだ愛犬のふわふわとした毛をなでられたのに...またそのもう少し前には、私の小指を噛むほどの力があったのに...と、
その時も、昨夜愛犬に挟まれた小指には痛みが残っていました。

涙をこらえつつ、宝塚から自宅までの道のりの間、愛犬との16年間を振り返っていました。
愛犬との想い出は多すぎて、そんな短時間で全てを振り返る事はできませんでしたが、
気持ちの整理はほんの少しだけできてきました。

自宅に到着すると、忘れ形見の子犬(11歳)が出迎えてくれました。
数時間家を空けたので、寂しがり屋の愛犬は大喜びで待っていたのです。
「ひとりになった寂しさを感じているのかなぁ?」
「生まれてからずっと母犬が側にいたのに、居なくなっても大丈夫かなぁ?」など、色々と
残された愛犬への心配もこみ上げてきました。

そして、部屋の中にそっと愛犬の遺骨など一通りの仏具を置き、線香を絶やさずあげつづけました。
子犬も時々、母犬の遺影を眺めているように見える時があります。何か語りかけたりしているのでしょうか?
それとも時々母犬の姿が見えているのでしょうか?
不思議な事に私や母の前には現れず、夢にもほとんど出てきてくれません。
天国で忙しくしているのでしょうか。それなら良いのですが。

遺骨は本来土に返してあげた方が良いとも言われますが、亡くなってから1年たつ今でも、まだ実家にあります。

できれば身内のものが亡くなった時に一緒にお墓に入れてあげられればと思っているのですが、これは飼い主のワガママでしょうか...
ですがやっぱり時々、その骨壺を抱きしめたくなりますし、側に置いていつも私たち家族の輪に加わっていて欲しいのです。
いつまでもいつまでも手で触れていたいと思ってしまいます。



***愛犬は母との最後の約束を守り、私たち家族の元へ新しい命として戻ってきてくれました***

***愛犬の死後10日ほどして妊娠が判明しました、それが私の娘です。***





*犬の痴呆
*別れまでの数日間
*愛犬のお葬式
*残されたわんこ


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