New Zealand 虹の立つ国へ

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■第15章 『渡航準備』






第15章 「渡航準備」

アレやこれやで半年はあっという間に過ぎて行った。
まず、就労ビザの取得が最初の課題となった。

此処で、就労ビザとはどんなものか一寸と触れておこう。

まずWork permitありきである。
これは就労先の国の政府が、ある個人に対して「わが国で就労し収入を得ても構いませんよ。」と言って発効してくれる許可証である。
そしてこのパーミットに基づいて個人に発給されるのが、就労ビザでNZでは最初が1年、その後更新を繰り返し最長5年間まで延長が認められている。

日本ではこのWork permitと就労ビザを混同されている方が多いようだが、全く違うものなのである。

このビザを発給された人間は、その国で働いて収入を得る事を許可してもらう訳だが、これは裏返せばその国に元から居住する人たち(国民)の就労先を一つ奪う事になる訳でもある。
この点について皆さんは無視というか、簡単に考えておられる方が多いようだが、一度日本の入国管理事務所に行き、半日でも待合室で座ってみれば私の言う言葉の重みが理解できるようになると思う。


就労ビザの特色としは、他のビザに比べビザ取得までの過程で雇用主の関与が大きい事にある。
また、このビザは発給された会社内で働く限りは有効で、他の会社では無効になるので転職する場合は新たにビザを取り直す必要がある。
一番のポイントは「なぜこの人物を雇うのか?」「なぜこの人物でなければならないのか?」この2点である。
この2点をしっかりと移民局に説明してくれる雇用主であれば、就労ビザの取得は可能になる。

私の場合は、
1) 職名が当時NZの日本向け主要輸出産品の一つである木 
材のShipping Managerだった事。
2) 日本において海運会社での経験が長かった事。
3) 勤めていた海運会社の船が実際にNZで木材と摘み取り
に従事していた事。
4)  そして英語力。
などがポイントとなった。
NZの雇用先の会社からJob Offerと共にその他の必要書類を提出してもらい、当方も英文の履歴書等を用意し、渋谷の大使館に申請書類一式と共に提出し待つ事約1ヶ月でビザが発給された。

ビザの申請と並行して行われたのが、NZの会社の日本の取引先との打ち合わせである。
挨拶から始まり、各種のすり合わせ等、私と一緒に行かれる駐在員の方とも向こうでの生活について簡単な打ち合わせだけどしておいた。

また、国際免許も取得しておいた。
幸いNZは日本と同じ左側通行なので、下見旅行の時も運転は全く苦にならなかった。
国際免許の有効期限は一年のみなので、オークランドで落ち着いたら直ぐにNZの免許に切り替える必要がある。
しかし、その思惑とは反対に実際にNZの本免許を取得したのは、家族がこちらに来てからであった。
その間は、日本で言うところ「仮免許」のままずっと車を運転していた事になる。


年末に勤めていた会社を円満退社して、本格的な準備に入る。
身の回りの荷物は纏めて、勤めていた会社の船で早めにNZへ送ってもらう。
所謂船長託送である。
このあたりは元船会社なので少しも手間にはならない。

色々な細かい部分で下見旅行ではカバーしきれなかった点も出てきた。
しかし、これらは私が現地に入ってからボチボチ日本にフィードバックする事で夫婦間は納得。 「郷に入れば郷に従え」の言葉通り、現地で体験あるいは聞く方が早いかもしれないと考えたからである。








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