2023年10月30日
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1988年9月18日に発売されたアルバム「獅子と薔薇」のB面1曲目に収録されていた曲。
ちんぺいさんはこのアルバムから3作連続でヨーロッパでレコーディングしました。
ヨーロッパ三部作として、ちんぺいさんの音楽を深く聴いているファンにとっては
とても大切な三枚です。
第一弾がこの曲が収録されている「獅子と薔薇」です。

全曲ロンドン交響楽団の演奏でレコーディングされています。
(日本人ミュージシャンは一人も参加していません)
日本人アーティストとして初の共演。
お金をいくら積んでもアルバム1枚全ての曲を演奏してくれる事なんて有りえない事で、ほぼ奇跡。
レコーディング風景はドキュメントとして映像作品で発売されています。
演奏は当然素晴らしく、アレンジも素晴らしい。
当時、何かのインタビューにロンドンフィルの指揮者がちんぺいさんの歌のピッチとリズム感の
素晴らしさを語っていました。
片手間じゃなく本気でこのアルバムに取り組んでくれてるのがよくわかるドキュメントとインタビュー。




ヨーロッパ三部作の第二弾は「国立パリ・オペラ・オーケストラ」
第三弾は「ウィーン交響楽団プロジェクト」です。
3作品とも全て新曲をレコーディングしています。
「昴」や「群青」を世界的な交響楽団でレコーディングしたわけではない。
そのオーケストラに合った曲を全曲が書き下ろしたのも凄い事。

こんな凄い事を成し遂げたポピュラー音楽アーティストは日本にはいない。
こんな功績をちんぺいさんは自慢する事もなく淡々と次へ次へと進んでいった。
もっと派手に自慢して知らしめたらいいのにと当時、思ってた。
それはちんぺいさんの美学に反するのだろうとわかってるけど。
ちんぺいさんがよく言ってた事で、一つの事を成し遂げれば、その場にとどまらずに
次の石をもっと先に投げて次はその先の石に向かう。
なのでヨーロッパ三部作が完成した時にはもう次の方向にちんぺいさんは歩き始めてた。





「SA YO NA RA - エピタフ -」
作詞・作曲 谷村新司さん  編曲 Gavyn Wrightさん

編曲を担当したGavyn Wrightさんはクラシック音楽はもちろん映画音楽、ポップミュージックにも
多く参加しています。(OASIS、Elton John、Simply Red、Tina Turnerなど)

アルバム「獅子と薔薇」の中では一番シンプルで静かな曲です。
発売当時はアルバムのB面1曲目らしくないなどと感じてたけど、年と重ねる度に
この曲の重要度がわかってきて聴くたびに胸に沁み行ってくるようになった。
ちんぺいさんが亡くなってから聴くと歌詞の言葉ひとつひとつがより重く美しく感じられて
胸の深いところで聴いているような感覚になった。

「♪冬の雨が 病葉(わくらば)を濡らして降る
  なつかしい名前を刻んだ石に

  貴方と共に生きた柔らかな日々を
  思えば寂しさはとめどなくつのるけれど」

シンプルで静かな演奏だけどオーケストラの弦楽器の厚みと揺らぎが
心の震えと同調するようでオーボエの音色は光を感じさせてくれる。

この曲、父親を亡くした時によく聴いてたのを思い出した。
曲の中は冬の冷たい雨だけど、傍に不思議な熱を感じるような気がする曲です。

いつもなら「冬のメリーゴーランド」「神のマリオネット」「獅子の時代」「家路 -私が死んだ日- 」
「THE NAME」「英雄」、この6曲を絶賛してしまうのですが、
今日は「SA YO NA RA - エピタフ -」が胸の奥で響いた。

「エピタフ」は墓石に刻まれる墓碑銘の事です。
ちんぺいさんはどんな碑文は刻まれるのだろうか。


「家路 -私が死んだ日- 」の最後の歌詞はこんな歌詞で終わります。

「♪ 人は皆泣き乍ら 辿り着く故郷に
  愛と心を母に還す為に そして夢は父に還す為に」


「獅子と薔薇」のツアー
MBSで夜遅くに放映されました。MBSはこれを再放送してほしい。
CM入れて1時間半の番組だったと思うけど、ノーカットに編集しなおして
DVDかBlu-rayで発売してほしい。ビデオに録った映像は劣化してきてるし・・・。












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最終更新日  2023年10月30日 05時50分27秒
[ALICE(谷村新司・堀内孝雄・矢沢透)] カテゴリの最新記事


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