全643件 (643件中 1-50件目)
石原まさしさんの2枚目のアルバム。先月4月19日に発売になりました。「ラジオ歌謡」が何なのかを知らない人も多くなっていると思う。戦後日本の人々の荒んだ心を癒すために制作されたNHKラジオ番組。戦時中の思想の統制から自分を解放させるためにも役立ったと言われています。自分はあまり詳しくはないのですが、このアルバムの中に知ってた曲も数曲あるし、聴いてみて、この曲知ってたって曲もありました。石原まさしさんはまだ19歳です。4年前の2020年3月に「田原 城山 草枕」でデビュー。最近の若い歌手の中ではジャンル関係なしに本当に歌が上手いと思えるシンガーです。戦前の藤山一郎さん、東海林太郎さん、岡晴夫さん、伊藤久男さんらのクルーナー唱法と呼ばれる歌い方を19歳にして取得してるように思えるほどの安定感と青春歌謡やムード歌謡なども器用に完璧に歌いこなす歌唱力を持っています。ラジオ歌謡ってワードに飛びつく若い人はほとんどいないとは思うけど、硬くなった心をほぐしてくれるような楽曲の数々は聞いてみると何か感じる事があるかも知れない。1曲目「隣組」2曲目「風はそよ風」3曲目「朝はどこから」4曲目「三日月娘」5曲目「山小舎の灯」6曲目「緑の牧場」7曲目「さくら貝の歌」8曲目「リラの花咲く頃」9曲目「あざみの歌」10曲目「水車小屋の花」11曲目「山のけむり」12曲目「チャペルの鐘」13曲目「雪の降る街を」14曲目「みどりの雨」15曲目「夏の思い出」16曲目「手に手をとって」もうちょっとオケがんばれ!って思う曲もあるけど、石原まさしさんの歌唱レベルに合ってる、なかなか良いオケの楽曲もあります。全曲ビッグバンドと生ストリングスでレコーディング出来ればもっと良くなると思う。「三日月娘」「リラの花咲く頃」「あざみの歌」「チャペルの鐘」などのオケが良い。「雪の降る街を」と「夏の思い出」はラジオ歌謡だとは思ってなかった。小学生の時に音楽の教科書に載ってたので唱歌かと思ってた。1曲目の「隣組」は知っている人が多いと思う。楽曲自体を知ってる人もいるし、ドリフターズがカバーしたバージョンで知ってる人もいると思う。「♪ド・ド・ドリフの大爆笑〜」が歌詞を変えた「隣組」です。3曲目「朝はどこから」も小学生の頃に歌ってた印象がある。完全に忘れてた曲ですが。4曲目「三日月娘」は変拍子から始まるドラマティックな曲でメロディーも編曲も魅力的。この曲は元から大好きな曲です。5曲目「山小舎の灯」がこのアルバム全曲の中で一番好きかも知れない。「三日月娘」「みどりの雨」「夏の思い出」と並ぶ一番を選べない好きな4曲。「緑の牧場」「風はそよ風」の2曲は軽快で子供の頃の街の風景が浮かんできそうな曲。「さくら貝の歌」「水車小屋の花」の2曲は心に迫るものがある名曲。12曲目「チャペルの鐘」は初めて聴いた曲でした。美しいメロディの曲です。13曲目「雪の降る街を」もじっくり聴く事なんてなかったのでフルコーラス聞いて感動でした。15曲目「夏の思い出」は小学生の時に音楽の授業で初めて歌った時から大好きな曲です。16曲目「手に手をとって」はこのカバーアルバムの中、唯一のオリジナル曲の新曲。デビューからずっと昭和歌謡路線を貫いてましたが、ある意味この曲も昭和歌謡ぽいですが、これまでとは違うジャンルと言える曲。今回はクラウドファンディングでアルバム制作をすると知って、少ないけど協力する形でこのアルバムを買いました。もっと凄い金額が集まるとオケももっと豪華に出来たんじゃないかと思う。何かひとつきっかけがあると、きっと凄い売れると思う。歌唱力の凄さと本人のキャラクターも真面目でおもしろく憎めないキャラです。youtubeなどを見てると天然な所も多くバラエティー番組にも相性が良いキャラだと思う。(宣伝用リーフレット)クラウドファンディングで付いてたタオルハンカチ
2024年05月15日
1984年10月21日発売の北島三郎さんのシングル。この曲は1984年11月17日封切りの東映映画「修羅の群れ」の主題歌です。A面「神奈川水滸伝」作詞 星野哲郎さん 作曲 船村徹さん 編曲 丸山雅仁さん「修羅の群れ」を久しぶりに観ていて、このレコード買ってた事を思い出してシングル盤を詰め込んでる箱を探したら出てきた。そんなに回数、針を落としてなかったので良い音で聴けた。まずこの主題歌のタイトル!「神奈川水滸伝」!さすが星野哲郎さんだと思う。映画は凄すぎるキャスト陣!松方弘樹さん、鶴田浩二さん、北大路欣也さん、菅原文太さん、若山富三郎さん、丹波哲郎さんにしきのあきらさん、天知茂さん、清水健太郎さん、小林繁さん、張本勲さん、そして北島三郎さん。この映画での松方さんと鶴田さんのカッコ良さは異常です。北島三郎さんも壮絶なシーンで印象を強く残しています。2002年に3部作としてリメイク版をVシネマでリリース。これも重厚な内容になっていて、さらに深く掘り下げられた内容です。主演は同じく松方弘樹さんで青年時代を後藤光利さんが演じています。後藤さんの演じた青年時代も感動的で引き込まれる。映画の話ばかりになりましたが、この曲は編曲も豪華で素晴らしい演奏です。映画を観た人なら尚のこと、観た事がない人でも重厚な男の歌に感動すると思う。「♪光り輝く 表の顔を 裏で支える バカが居る」の歌詞で始まり映画観た人ならいきなり感動です。そして2番は「♪人を蹴落とし お山に登りゃ 次は自分が落ちる番」と歌っています。B面「修羅の橋」作詞 星野哲郎さん 作曲 船村徹さん 編曲 南郷達也さんこの曲も映画のイメージソングとして作られています。「神奈川水滸伝」ほど重くはなく、女性への想いも歌われています。
2024年03月23日
1965年に発売された4曲入りコンパクト盤。1950年代に発売されたモノラル録音の4曲ですが、1962年にセルフカバーでアレンジ変えてステレオ録音されたバージョンでの4曲です。A面1曲目「有楽町で逢いましょう」1962年バージョン作詞 佐伯孝夫さん 作曲 吉田正さん 編曲 佐野雅美さんオリジナルは1957年7月に発売され大ヒットを記録。11月にはこのタイトルで小説の連載が開始され、翌年1958年1月封切りで映画も製作された。この映画は京マチ子さん主演で浪花千栄子さん、北林谷栄さんも出演してる作品です!5年前に初DVD化されたのでもちろん購入した。この映画はフランク永井さんがこの歌を歌う場面から始まる。タイトルも何も出る前にいきなり歌から始まります。フルコーラス流れますが、フランク永井さんが画面に出ているのは1コーラス目のみ。この事を後にフランク永井さんは面白おかしく話しています。帽子を目深にかぶりサングラス、マスクをしてコートの襟を立ててこっそりと映画館に観に行ったそうです。その頃、テレビはビデオテープがなく生放送のみだったために自分が動いて歌ってる姿をこの映画で初めて観たそうです。(映画「有楽町で逢いましょう」の冒頭で主題歌を歌っている場面)そのMCの後で「有楽町で逢いましょう」を歌います。アレンジはオリジナルアレンジでイントロはギターです。ライブバージョンで特に気に入ってるのは1963年11月3日新宿厚生年金会館のライブ盤。この時はライブの1曲目が「有楽町で逢いましょう」でした。この曲や他のヒット曲をいろんな形でアレンジされたオーバーチュアがあり、一旦ブレイクするとオリジナルのアレンジそのまま忠実なイントロの演奏が始まると鳥肌です。何種類かこの曲のライブバージョンを持っていますが、この1963年11月ライブバージョンが自分は最高だと思う。このコンパクト盤に収録されてるのは1962年セルフカバーステレオバージョンです。オリジナルはギターのソロフレーズから始まります。ステレオバージョンはトランペットとアルトサックスのイントロなのですぐに聞き分けがつく。何よりこの時のフランク永井さんの歌い回しが新しく歌を取るので意識しすぎたのか、「♪ゆうらくちょうで あいましょう〜〜」の部分が気になる。「♪ちょうで」の部分が鼻に抜かせ過ぎなのと「♪あいましょう」が食い気味すぎるのが・・・。ライブではどのライブでもオリジナルの歌い方をしてるって事は、この歌い方は本人も後に好きじゃなくなったのだと思う。2曲目「夜霧の第二国道」作詞 宮川哲夫さん 作曲 吉田正さん 編曲 寺岡真三さんこの曲も1962年ステレオバージョンで収録。オリジナルは1957年10月発売。豪華なストリングを大胆に使ったアレンジにしているのですが、これもオリジナルで感じられた風情がほとんど消えてしまってる。ベスト盤なのでもオリジナルで収録されてるものも多い。どちらが当たるかは買って聞かないとわからない・・・。「フランク永井 〈TWIN BEST〉」は、ほとんどオリジナル音源で聴けます。5枚組BOXは1962年再録音バージョンです。B面1曲目「俺は淋しいんだ」 オリジナルは1968年10月発売作詞 佐伯孝夫さん 作曲・編曲 渡久地政信さんステレオバージョンの編曲もオリジナルと同じ渡久地政信さんですが、この曲が特に大胆に編曲を変えています。オリジナルも編曲した本人なので出来た事か。後のライブでもオリジナルに近いアレンジで演奏されてるものがほとんどです。この曲はシングルのB面「ふるさとの風」も人気曲で、ライブでもセットリストに入ったりします。2曲目「夜霧に消えたチャコ」 オリジナルは1959年4月発売作詞 宮川哲夫さん 作曲・編曲 渡久地政信さんこの曲に関してはオリジナルの編曲は個性的すぎるので、1962年ステレオバージョンの方がいいかも知れない。ライブでもステレオレコーディングバージョンのアレンジで演奏されてる。オリジナルはガメラの映画で流れてきそうな音。これはこれで個性が凄いのですが、イントロはバイラス星人の宇宙船の中で流れてる音そのものです。(この映画は1958年の有楽町駅界隈と大阪の下町の風景が堪能できます。 東京と大阪で展開していく物語です。 昔から日本の女優では京マチ子さんが飛び抜けて一番好きです。 京マチ子さん以上に好きな女優さんが出てくる事はない。海外ではダントツにカトリーヌ・ドヌーヴ)(よみうりホールの建物。この頃はそごう。今はビックカメラ)(もう1曲の挿入歌「夢見る乙女」は道頓堀のクラブでの藤本二三代さんの歌唱場面あり)この時も北林谷栄さんの芝居に引き込まれる。浪花千栄子さんは大阪での場面を担当。京マチ子さんは映画デビューして約15年の頃。日本の女優さんでダントツに一番好きです。京マチ子さん出演映画のDVDがどんどん発売されるので嬉しい限りです。全て買ってます。映画の内容は当たり外れありますが、京マチ子さんの芝居はどの作品でも最高レベルの芝居を見せてくれます。この場面、買ってる猫が北林谷栄さんの手にじゃれて噛み付いたりしてるのにまったく動じる事なく芝居を続けているのは凄い。
2024年03月21日
1946年1月、戦後の焼け野原の日本の各地で流れて人々の心を癒し力を与えた曲。この曲は終戦後第一弾の日本映画「そよかぜ」の主題歌として発表された。映画は1945年10月封切り。その日本中に戦後の復興と元気を与えた楽曲を1995年1月17日の阪神淡路大震災で落ち込み混乱している、被災者に届けに並木路子さんが歌いに来てくれた。その時もやはり戦争を経験した年代の人たちの胸には特に響いたようで、二度も地獄を経験した人に元気を与えた。そして急遽、1995年4月1日に並木路子さんが歌うバージョンと新たにアレンジされたバージョンのカップリングで発売されたシングルCDです。 1曲目「リンゴの歌 ニューバージョン」(山野智子さん)作詞 サトウハチローさん 作曲 万丈目正さん 編曲 石田勝範さん当時、神戸の被災地でこの曲を聴いた時はちょっと違う感に被災地とそうじゃない場所ではここまで温度差があるのかと思ったのを思い出す。派手にラップを入れたり打ち込みとホーンセクションで賑やかにアレンジされ、ボーカルはアイドルチックな歌い回しで明るく歌っています。4月1日発売なのでレコーディングはきっと2月〜3月だったと思われるけど、2月〜3月に被災地の真ん中を体感すれば、こんなアレンジは思いつかないように感じた。自分の家も全壊で友人や知り合いも多く亡くなって空元気で生きてる時に、このアレンジは悲しく思えたのを思い出す。今、聴いてみるとそこまで拒絶反応するほどでもないのですが。あの時、このアレンジを聴いて複雑な心境になった人も少なからずいたと思う。本当に心が壊れかけてる時は、逆効果にも思えた。2曲目「リンゴの歌」(並木路子さん)作詞 サトウハチローさん 作曲 万丈目正さん 編曲 松尾健司さんこのバージョンもオリジナルではなく、1971年のセルフカバーバージョンです。オリジナルは1946年1月発売の霧島昇さんとデュエットバージョンです。1971年のステレオ録音のこのバージョンはアレンジもオリジナルを忠実に新たにアレンジした感じですんなりと心に入ってくる。この曲を聴いてると自分の祖父、祖母、父、母が想像も出来ない神戸大空襲(1945年3月と6月)の写真で見た限りでは悲惨としか言えない焼け野原の神戸の市街地の中でこの曲をどんな気持ちで聴いていたのかと想像してしまう。神戸大空襲の事はいろいろと聞いていたけど、子供には話せないようなもっと残酷な場面もきっとあったのだと思う。阪神淡路大震災の時に目の当たりにした光景は誰にも話せないような場面をいくつも見た。それを思うと戦争での悲惨さはもっと凄かったのが簡単に想像できる。一つ、子供の頃に教えてもらった話があって、小学生の時に父と姉と3人で「ジョーズ」を神戸で最大級の映画館だった「聚楽館」に観に行った時に普段は戦争の話はほとんどしなかった父親からここの映画館(「聚楽館」)は神戸大空襲の時に町中に転がってた黒焦げになった遺体を詰め込むように運び込んでた場所だったと聞かされた。その光景を祖母が毎日のように見ていたそうです。それからしばらくは「聚楽館」の前を夜に通るのが怖かった。(その当時の建物とは建て替えられて違う建物になっていましたが)大空襲から半年、この「リンゴの唄」が神戸の焼けた街に流れてるのを想像すると、やっと復興する力が人々の中に湧き出て来た頃なんだろうと思える。1946年4月(昭和21年)の元町商店街。奥の方に新開地にあった神戸タワーが見えている。そんなに高いタワーではなかったのに、他のビルや建物が全て焼けたので元町からでも見えている。ちょうどこの時のこの焼け野原に「リンゴの唄」が流れていたのだと思うと胸が苦しくなる。1946年(昭和21年)5月の神戸市街地
2024年03月18日
美空ひばりさんの1968年10月発売のシングル。1967年6月発売の「真赤な太陽」の大ヒットからグループ・サウンズやポップ系の曲を積極的にリリースしていました。そんな中、この曲はかなり重く悲しい曲。A面「熱祷 -いのりー」作詞 川内康範さん 作曲 小野透さん 編曲 佐伯亮さん週刊「女性セブン」連載小説「熱祷」のテーマ曲イントロ聴いただけで「悲しい酒」の二匹目のドジョウ的な印象な曲。ひばりさんの歌唱は凄く良いのですが、ヒットしなかった。石本美由起さんと古賀政男さんのコンビが作った「悲しい酒」の足元にも及ばないけど編曲は「悲しい酒」と同じ佐伯亮さんが担当してるので、それなりの雰囲気になっています。途中でセリフが入る所まで同じ構成なので、さらに差を感じさせられる。石本美由起さんの歌詞は芸術です。古賀政男さんは言うまでもなく天才です。この年の紅白歌合戦でこの「熱祷」を歌った。1968年ならもっと良い曲が山ほどリリースしてたのに。1月に「真っ赤な太陽」よりもカッコ良いと思えるGS曲「むらさきの夜明け」をリリース!3月に「男の腕」をリリース。これは普通な演歌曲でした。3月にもう一枚、臨発で「銀座音頭」をリリース。この曲は企画モノ。5月に「少しの間サヨウナラ」をリリース。この曲は凄く好きです。ムード歌謡なアレンジがカッコいい。6月には「太陽と私」をリリース。この曲も軽快なポップナンバーでひばりさんの新しい面を楽しめる。8月に「唇に花シャッポに雨」をリリース!この曲は洋楽ポップなアレンジが最高な曲。そして10月に「熱祷」をリリース。この年、発売したシングルの中で「熱祷」が一番好きじゃなかった。紅白で「唇に花シャッポに雨」や「むらさきの夜明け」を大トリで歌ったらきっと盛り上がったのに。「太陽と私」でも、いつもと違ったひばりさんの一面を多くの視聴者に観てもらえた。「熱祷」を歌うぐらいならもう一度「悲しい酒」を歌えばよかったのに。「柔」は2回歌ってる。1968年は良い曲を多くリリースした年だったのにもったいない。B面「夜明けまで」作詞 川内康範さん 作曲 小野透さん 編曲 神津善行さん歌メロと編曲は好きな曲。編曲は良いけど、レコーディングが悪いのかオケの音やバランスが好きじゃない。音域の広い歌メロをいとも簡単に歌いこなしています。B面曲なら「唇に花シャッポに雨」のB面「愛のボサ・ノバ」がめちゃくちゃカッコいい!「愛のボサ・ノバ」はA面にしたらヒットしたと思う。「唇に花シャッポに雨」の次のシングルを「愛のボサノバ」にすれば良かったのに。「太陽と私」のB面「星空の微笑み」もビッグバンドジャズのようなスタンダード曲のような大きな曲。この曲こそ紅白歌合戦の大トリで歌えば最高なのに。歌詞もおしゃれで良い。
2024年03月15日
昭和の超名曲カップリングのシングル。1960年代〜1970年代にステレオで再録音されたものなのでオリジナル音源ではないのですが、これはこれでセルフカヴァーとしては良いと思う。A面「青い山脈」作詞 西條八十さん 作曲 服部良一さん 編曲 永作幸男さんこのバージョンはホルンの音から始まります。オリジナルはいきなりあの誰でも知ってるイントロから始まるので違いはわかりやすい。映画「青い山脈」の主題歌として作られた楽曲で、今では映画よりもこの曲の方が有名になった。映画は何度もリメイクされて上映されましたが主題歌ほどメジャーではなくなってきてる印象。この曲は服部良一さんが大阪から京都へ向かう国鉄の中から見えた六甲山脈を観てメロディーが浮かんできたそうです。その頃は国鉄の車窓に六甲山系がくっきりと見えたようです。映画「青い山脈」は六甲の話ではないのですが。オリジナルは1949年4月(昭和24年)に発売され大ヒットしました。昭和を代表する名曲の人気投票などで「リンゴの唄」を抑えて第一位として選ばれる事も多い。でも、やはり奈良光枝さんとのデュエットのオリジナル音源が一番良い!演奏もそうだし、テンポ感も戦後のやっと少しずつ明るさが戻ってきた空気みたいなものを感じられる。リレコーディングヴァージョンだと3番の歌詞に違和感感じる。オリジナルの音だと説得力がすごくあって胸にぐっとくる。「♪雨に濡れてる焼け跡の 名もない花もふり仰ぐ」は1995年の震災の後の家の近くの光景が同時に蘇ってきたりする。B面「丘を越えて」作詞 島田芳文さん 作曲 古賀政男さん 編曲 甲斐靖文さん演奏 明治大学マンドリン倶楽部ステレオで再録音されたこのヴァージョンは豪華なシンフォニックなアレンジです。鐘の音から始まり静かにホルンとマンドリンのイントロダクションが始まります。オリジナルとはまったく違った印象になるアレンジです。オリジナルはマンドリンオーケストラにアコーディオンを加えたシンプルな楽器構成。やっぱりオリジナルの空気感で聴きたい曲です。演奏は雑な部分もありますが1931年(昭和6年)という空気を感じられるのが一番。(知らない人は驚くから一度、聴いてみてほしい。今が2024年だという感覚が狂ってしまう。 オリジナルの「龍馬維新の志」も通常の演歌とは一味違う、三波春夫さんの世界に近い)現在の若手歌手の石原まさしさんがアコーディオン弾き語りで歌ってるのが不思議とオリジナルに近い空気感を感じられる。すごく不思議な若手(19歳)歌手で昭和初期の曲を多くカヴァーしています。19歳で戦前の歌を歌っても何の違和感も感じさせないのが凄い。抜群に歌が上手いと思う若手歌手です。(演歌歌手って感じではなくて流行歌手って感じかな)カップリング曲「丘を越えて」のレコーディングヴァージョンは昭和6年のオリジナル同様に明治大学マンドリン倶楽部OGの演奏も加えてのオケです。ライブではそこに石原まさしさんが弾くアコーディオンが加わっています。戦前、戦後の名曲を歌い継いで行くために生まれてきたかのように思える歌手です。声質も発声も昭和の歌唱なのが不思議すぎる。「誰か故郷を想はざる」や「東京ラプソディー」をここまで完全に昭和を再現出来る歌手はいないと思う。もうすぐ2ndアルバムが出るらしいので凄く楽しみです。次はNHKラジオ歌謡で構成されるアルバムらしい!藤山一郎さんなら「武蔵野」「赤き実」「みどりの歌」なんかが石原まさしさんに似合いそう。「武蔵野」はめちゃくちゃ難しい曲だけどどんな風に歌うのか聴いてみたい。
2024年03月13日
フランク永井さんのデビュー21年目に開催されたリサイタルのライブ盤。1976年11月3日 中野サンプラザCD化されたのでリマスターされ良い音で聴けます。セットリストも凄いボリューム感のある内容です。残念な点はオリジナル曲をフルコーラス歌わない曲がある事ぐらいで、原信夫とシャープス&フラッツの演奏が本当に素晴らしい!DISC 11曲目「君恋し」2曲目「夜霧に消えたチャコ」3曲目「夜霧の第二国道」4曲目「有楽町で逢いましょう」5曲目「霧子のタンゴ」6曲目「俺は淋しいんだ」7曲目「東京午前三時」8曲目 メドレー 「恋人よ我に帰れ〜バラの刺青〜16トン〜西銀座駅前〜東京カチート〜東京ナイトクラブ 〜好き好き好き〜パリの空の下〜ある愛の詩〜愛あればこそ〜花と蝶〜蝶々〜春一番〜 ビューティフル・サンデー〜シクラメンのかほり〜イエスタディ〜夜も昼も〜そっとおやすみ〜 モーツァルトの子守唄〜赤ちゃんは王様だ〜おさななじみ〜世界は二人のために〜二人でお酒を 〜Everybody Loves Somebody〜恋人よ我に帰れ(Lover, Come Back To Me)」9曲目「浮気川」10曲目「妻を恋うる唄」DISC 21曲目「大阪ぐらし」2曲目 大阪メドレー 「大阪野郎〜船場ごころ〜大阪流し〜大阪ろまん〜加茂川ブルース」3曲目「こいさんのラブ・コール」4曲目「ふるさとの風」5曲目「恋夜」6曲目「きっときっときっと」7曲目「中山晋平メドレー 船頭小唄、ゴンドラの唄、さすらいの唄」8曲目「Where The Blue Of The Night Meet The Gold Of The Day」9曲目「As Time Goes Bye」10曲目「枯葉」11曲目「All Of Me」12曲目「季節はずれの風鈴」13曲目「そっとしといてあげるから」14曲目「霧子のタンゴ パートII」15曲目「おまえに」フランク永井さんは1955年10月に1928年にアメリカで発表された「Lover, Come Back To Me」に邦題を付け「恋人よ我に帰れ」でデビュー。このリサイタルでもメドレーの頭と最後にこの曲を歌っていますが、ジャズを得意とするビッグバンドの素晴らしい演奏で聴く「Lover, Come Back To Me」は最高です!Disc1の8曲目のメドレーは23分近い壮大なメドレー。デビュー当時の「恋人よ我に帰れ(Lover, Come Back To Me)〜バラの刺青〜16トン」の洋楽JAZZカヴァーから往年のヒットオリジナル曲、1976年当時ヒットしてた曲も織り交ぜています。中でも宝塚歌劇「ベルサイユのばら」の主題歌「愛あればこそ」をフランク永井さんが歌っているのは圧巻です。歌の前に少し笑いを取る感じでアンドレ風のセリフを入れています。メドレー終盤「Everybody Loves Somebody」はフルで聴きたいと思ってしまうほどの素晴らしさ。「東京カチート」はメドレーじゃなく普通に聴きたかった。フランク永井さんは「東京午前三時」「有楽町で逢いましょう」「東京ナイトクラブ」「東京カチート」「東京無情」などのヒットのイメージで東京のオシャレな夜に似合うように思いがちですが、意外と大阪を歌った曲はほとんどがヒットしています。1958年の「こいさんのラブ・コール」を筆頭に1960年「大阪野郎」から「大阪ぐらし」「大阪ろまん」「船場ごころ」「堂島」「大阪流し」「大阪ジェニー」「こいさん物語」などヒット曲が多い。その大阪の曲を集めたコーナーも圧巻です。その中なら「大阪ろまん」がダントツに好きな曲。Disc2の1曲目、2曲目が大阪の曲です。3曲目「ふるさとの風」は「俺は淋しいんだ」のB面曲です!B面も人気曲になりリクエストが多い曲になったそうです。この日もファンの要望に応えてセットリストに入れたそうです。野坂昭如さん作詞の少しコミカルな「きっときっときっと」は「ラストダンスは私に」を彷彿させる軽快なラテンナンバーです。アルバムにのみ収録されてた曲でライブヴァージョンは貴重です。この日のリサイタルで確実にハイライトと言えるのは、ビング・クロスビーがカヴァーした事で大ヒットした8曲目「Where The Blue Of The Night (Meet The Gold Of The Day)」です。この曲、多くの人が歌ってるのを聴いたけど、ビング・クロスビーと並ぶほど良いと思ったのはこのフランク永井さんの歌唱です。原信夫とシャープス&フラッツの演奏も最高にカッコいい!「枯葉」はウッドベースの演奏のみでフランク永井さんが歌い始めるJAZZアレンジ最高です。この曲もビッグバンドの演奏も最高!フランク永井さんの歌うJAZZはハズレなしのカッコ良さです。続いての「All Of Me」も文句なしのカッコ良さ!あのフランク・シナトラが「日本で一番上手い歌手」と名指ししたほどです。「フランク永井」の「フランク」は「フランク・シナトラ」からです。その「フランク・シナトラ」に日本で一番上手い歌手と言われたらこれ以上の喜びはなかったのじゃないかと思う。フランク永井さんは歌謡曲も最高ですが、英語で歌うJAZZが驚くほどカッコいい!「霧子のタンゴ」は吉田正さん作詞・作曲、そして編曲も担当した「霧子のタンゴ パートII」は1962年に発売されたこの曲もそうですが、フランク永井さんの曲は自分もまだ生まれてなかった頃の日本のオシャレな部分や夜の世界を感じさせてくれる。
2024年03月08日
藤山一郎さんと古関裕而さんがタッグを組んで大ヒットした曲をカップリングしたシングル盤。1977年5月1日発売。このコンパクト盤に収録されてる2曲ともオリジナル音源ではなく1960年代に再録音したものです。A面「長崎の鐘」作詞 サトウ・ハチローさん 作曲 古関裕而さん 編曲 村山芳男さんオリジナルは1949年7月1日発売で編曲も古関裕而さんが担当しています。1959年9月発売のLP盤「藤山一郎なつかしの歌声」があり、冨田勲さんの編曲のクラシカルなイメージのヴァージョンもあります。このシングルは村山芳男さん編曲ヴァージョン。多分1960年代後半にレコーディングされた物だと思う。コロムビア女性合唱団を使って鎮魂歌色を強く出したヴァージョン。このヴァージョンを聴くといつも1954年「ゴジラ」1作目の中で少女たちが合唱する「平和の祈り」の場面を思い出す。セルフカヴァーの2ヴァージョンも素晴らしいのですが、やはりオリジナルが一番です。ベスト盤などを買ってもそのヴァージョンが当たるのか書いていないのでわからない。編曲者が裏ジャケなどに掲載されてたら編曲者でどのヴァージョンかわかる。B面「ニコライの鐘」作詞 門戸ゆたかさん 作曲 古関裕而さん 編曲 佐伯亮さんこのヴァージョンもイントロから女性コーラスを使い感動的に仕上げてる1960年代に再録したヴァージョンです。オリジナルはこのシングルヴァージョンよりもやや重く始まります。この古関裕而さんとのコラボの2曲はコーラスはなく、声は藤山一郎さんだけの声の方が感動できる。オリジナルは1951年12月10日発売でした。(昭和26年)古関裕而さんが提供した楽曲なら、この2曲が特に有名で名曲なのですが、自分は1953年発売の「みどりの雨」が特に好きです。昭和28年の楽曲とすれば歌詞もアレンジもおしゃれで1950年代のユーミンのような。「♪ゴルフ帰りの セダンが走る 乙女峠に ホロホロと」が何となくユーミンの「♪緑のクウペが止まる 雲を映し Sure love my True love 昔より遊んでるみたい」を思い出させる。「みどりの雨」の作詞家は丘 灯至夫さんです。当時にすればかなり若者向きな曲やオシャレな曲が多いように思う。「高原列車は行く」「東京のバスガール」「あこがれの郵便馬車」「白いランプの灯る道」や有名な「高校三年生」もそうです。70年代になるとテレビ漫画の主題歌も多く書いています。「ハクション大魔王」「みなしごハッチ」「キカイダー」など…古関裕而さんが藤山一郎さんに書いた名曲はまだまだあります。CDでは結構持ってるので、また少しずつ聴いていきたい。
2024年02月29日
1967年11月発売の藤山一郎さんのコンパクト盤。1967年の時点でコロムビア音源とテイチク音源を同じ盤に収録出来てるのは少し不思議。時代もかなり離れてる楽曲で構成されてるのもおもしろい。A面1曲目「東京ラプソディー」 作詞 門田ゆたかさん 作曲 古賀政男さん 編曲 佐伯亮さん2曲目「青い月の夜は」 作詞 野村敏夫さん 作曲 竹岡信幸さん 編曲 大西修さんB面1曲目「青い背広で」 作詞 佐藤惣之助さん 作曲 古賀政男さん 編曲 佐伯亮さん2曲目「鳩笛を吹く女の唄」 作詞 佐藤惣之助さん 作曲 古賀政男さん 編曲 佐伯亮さん 「東京ラプソディー」 1936年6月発売このコンパクト盤に収録される「東京ラプソディー」は1960年代にセルフカヴァーでステレオレコーディングされたもの。どんな曲もだけど、いくら音を厚くして美しい録音してもオリジナルを越せる事はできないと思う。テンポもゆったりと聴きやすくしていますが、あの少し忙しない前につんのめるようなテンポ感の「東京ラプソフディー」の方が絶対に良い!藤山一郎さんの歌唱もクルーナー唱法の美しさをオリジナルの方が実感できる。コロムビアでもステレオでリレコーディングされていますが、まだそちらの方がアレンジもマシだと思う。「青い月の夜は」 1948年7月発売いきなり戦後に飛んでの選曲。カスタネットも入りスパニッシュな色を加えた曲。「セニョリータ」って何度も出てくる。不思議なサビのメロディが印象的でした。「♪踊れ よ〜 歌え よ〜」は頭に残る。「青い背広で」 1937年3月このコンパクト盤に収録される「青い背広で」は「東京ラプソディー」同様に1960年代にセルフカヴァーでステレオレコーディングされたもの。この曲は特にオリジナルの良さを全て壊してるように思えてしまうアレンジ。バイオリンとアコーディオンのイントロをいきなりミュートしたEギターに変えてしまって情緒がなくなってしまってる。テンポもかなり遅くしてるのも違う曲になってしまってる印象。オリジナルのアレンジと演奏の凄さがよりわかってしまう。「鳩笛を吹く女の唄」 1932年4月この曲も1960年代にセルフカヴァーしたニューヴァージョンです。かなりオリジナルより豪華な編成での演奏になっていますが、オリジナルを超える事はできない。戦後の飲み屋街で聞こえてきそうな演歌的なアレンジ。オリジナルは昭和歌謡そのもののアレンジと演奏。映画「鳩笛を吹く女」の主題歌として作られた曲で、この曲では藤山一郎の名前を使わずに井上静雄の名前で発売しています。声を聞けば1発でわかってしまうのに。この曲ももう1ヴァージョン違うレコーディングヴァージョンがあるようですが、ベスト盤のLPなんかに収録されてるのだろうか。このコンパクト盤の4曲は戦前の戦争を思わせない3曲と戦後の明るく生きようとしはじめた時の1曲。この時期で特に好きな藤山一郎さんの楽曲は「夢淡き東京」です。渡辺はま子さんとのデュエットの「東京の夜」も不思議に当時の中国を歌ったようなメロディーで東京を歌ってるのが印象的。
2024年02月24日
小畑実さんの大ヒット曲をカップリングしたEP盤。1950年代〜60年代の名曲をカップリングして発売したシリーズ。1970年発売。「高原列車は行く」と間違いやすい曲^^;「高原の駅よ、さようなら」は結ばれない二人の別れを歌ってるに反して「高原列車は行く」はどこまでもひたすら明るい希望に満ち溢れてる曲。A面「高原の駅よ、さようなら」作詞 佐伯孝夫さん 作曲 佐々木俊一さん 編曲 松井八郎さんこの曲は1951年10月公開の新東宝映画「高原の駅よ、さようなら」の主題歌。映画はDVD化もされているし、ケーブルテレビでも放映があったりしたので観てる人も多いかも。小畑実さん本人も特別出演されています。植物学者役の水島道太郎さんと高原療養所で働く看護婦役の香川京子さんの悲恋物語。香川京子さんが銀幕デビューしてまだ2年目の20才。この10年後にはベテラン美人女優の風格で、あの名作!「モスラ」でヒロインをしています。「モスラ」単体の映画ですが、「空の大怪獣ラドン」と並ぶゴジラが出ていない名作怪獣映画。(「大怪獣バラン」も地味ですが自分は超名作だと思っています)この曲の歌詞だけだとシチュエーションはわかるけど、どうして別れないといけないのかはよくわからない。映画を観ると曲の情景がわかります。曲から受けたイメージだけで情景を想像する方が自分は好きだったりします。イントロと間奏の管楽器が蒸気機関車の汽笛のようにアレンジされてるのもゾクゾクする。後にセルフカヴァーでステレオ録音したヴァージョンは音質もアレンジも派手で良いのですが、何となく味気なく感じるのは、蒸気機関車が動き始めるようなイメージが浮かんだあのイントロが通勤快速でも走り始めるような軽快なアレンジになっています。このアンコールシリーズはオリジナルモノラルヴァージョンで収録。B面「山の端に月の出る頃」作詞 哥川欣也さん 作曲・編曲 利根一郎さんこの曲は物凄い個性のある曲で大好きな曲です。有名なA面よりもこっちの方が好きです。小畑実さんの伸びやかな高音も心地よい。アレンジはいろんな音楽をごちゃまぜにしたようなバラエティさ。ハワイアン風、カントリーウエスタン風、ジャズ風とおもしろいアレンジです。この曲もステレオでリレコーディングしたヴァージョンもあります。新ヴァージョンもなかなかおもしろい編曲で気に入っています。「♪ホ〜〜」部分にリバーブが深めにかかるのはちょっと笑いそうになるけど。この曲も「高原の駅よ、さようなら」と同じ1951年に発表された作品です。何年か前に三波春夫さんの曲とDVD映像ばかり観てた頃から久しぶりにまた最近1950年代頃のアーティストをいろいろ聴いてる。戦前の曲もいろいろBOXなどで買ってたけど、あまり聴いてなかった物も多くあるのでじっくり聴いていこうかと。それと戦前のアメリカの曲は何年か前からハマって聴いています。フランク・シナトラ、ナット・キング・コールのシングル盤は多く書いてきたように思う。昭和レトロな曲は絶えず頭の中に残って流れてるようです。
2024年02月20日
2023年6月発売の石原まさしさんの1stアルバム。石原まさしさんは2020年3月に「田原 城山 草枕」でデビュー。沖縄出身。昨日の藤山一郎さんの事を書いた中にも石原まさしさんの事を書いたのですが、10代とは信じられない歌唱で初めて聴いた時は本当に驚いた。演歌系の若手歌手は民謡からの高音の伸びが気持ち良く感動させる歌手と1970年代以降の演歌から影響を受けた歌手など歌唱力のある人は多くデビューしています。でも、その中でも確実に異質な1930年代(昭和一桁代、戦前)から1960年代の歌手を彷彿させるのが石原まさしさん。唱歌のような歌唱法から昭和演歌の正統派な歌唱まで自在に使いこなせるのが凄い。松田聖子さんや多くの歌手を見つけ出してきた音楽プロデューサー「若松宗雄さん」の目に留まり、その若松宗雄さんが代表取締役をしている「エスプロレコード」からデビューしました。自分が石原まさしさんを知ったのはyoutubeをいろいろ観てた時に、まだ子供のような若い子が藤山一郎さんの歌を歌ってる動画が上がってて、それを観て聴いてびっくり!でした。また16才(その映像が上がってる年齢の時)なのに、話し方は30代ぐらいの若手演歌歌手の丁寧な話口調。ちょっとそこには笑ってしまったんだけど昭和20年代の16才が現代にワープしてきたかのように思えた。初めて観たyoutubeが小畑実さんの「高原の駅よさようなら」でした。この曲のチョイスも渋すぎるし難しい曲を完璧に近い形で歌い上げてる動画に鳥肌でした。小畑実さんの繊細のやや細めの美しい高音とは違って、高音も太い声で歌っていました。小畑実さんの高音はファルセットっぽい部分もありました。これ動画を観てからどんどん遡ってほとんどの歌唱動画は観ましたが、特に感動したのは霧島昇さんの「誰か故郷を想はざる」(1940年)、青木光一さんの「柿の木坂の家」(1957年)、三橋美智也さんの「リンゴ村から」(1956年)など、まだ16才の時の動画でした。その頃でも上手いのですが、今の方が遥かに歌唱も安定して昭和歌謡にバッチリはまる声質になっています。曲のチョイスがどれも渋くて聴きたい!と思わせる曲ばかりなのも凄いと思う。そして今ではアコーディオンを弾きながら藤山一郎さんの楽曲を歌っていて驚きです。アコーディオンも見る度に上手くなっていて感動させられる。この1stアルバム「石原まさし昭和歌謡を唄う」は、これまでの2枚のシングル曲と昭和歌謡のカヴァーで構成されています。このアルバム用の新曲も1曲収録。1曲目「プロローグ」(蛇味線(三線)演奏 石原まさしさん)2曲目「田原 城山 草枕」(2020年3月10日発売 デビュー曲)3曲目「函館の女」(1965年 北島三郎さんのカヴァー)4曲目「ギター仁義」(1963年 北島三郎さんのカヴァー)5曲目「柿の木坂の家」(1957年 青木光一さんのカヴァー)6曲目「高原列車は行く」(1954年 岡本敦郎さんのカヴァー)7曲目「丘を越えて」(1931年 藤山一郎さんのカヴァー 2022年2ndシングルのカップリング曲)8曲目「青春サイクリング」(1957年 小坂一也さんのカヴァー)9曲目「十代の恋よさようなら」(1958年 神戸一郎さんカヴァー)10曲目「高校三年生」(1963年 舟木一夫さんのカヴァー)11曲目「白い花の咲く頃」(1950年 岡本敦郎さんのカヴァー)12曲目「東京ラプソディー」(1936年 藤山一郎さんのカヴァー)13曲目「誰か故郷を想はざる」(1940年 霧島昇さんのカヴァー)14曲目「龍馬維新の志」(2022年11月22日発売 2ndシングル)15曲目「希望は叶う」(2020年デビューシングルのカップリング曲)16曲目「男の山河」(2023年6月18日アルバム用の新曲)17曲目「エピローグ」(蛇味線(三線)演奏 石原まさしさん)2曲目「田原 城山 草枕」まだ16才が唄うには曲も歌詞も難しいすぎるように思うけど、何の違和感もなく歌ってるのに驚く。昭和30年代に三波春夫さんが歌っていそうな曲です。16才って言われなければ絶対に30代以上の演歌歌手が歌っているように思うはず。売れ線ではない楽曲だけど、この曲がデビュー曲って事だけで箔が付く。浪曲っぽさもあり歌詞も歌うのも難しそうな楽曲です。3曲目「函館の女」4曲目「ギター仁義」は比較的、最近に思える曲。北島三郎さんの事も尊敬しているそうなので、この2曲のチョイスだったのだと思う。5曲目「柿の木坂の家」は青木光一さんヴァージョンも島倉千代子さんヴァージョンもiPodに入っててよく聴く曲。かなり前にも書いたけど「♪思い出すなァ〜」と「♪ 懐かしいなァ〜」の独特な歌い回しは島倉千代子さんも同じように歌っています。石原さんもその部分はオリジナル歌唱を生かして歌っています。オリジナルはもっと語尾がセリフのようになるのですが、そのまま歌うとモノマネになってしまうからちょうどいい感じかな。6曲目「高原列車は行く」は歌い回しや発音、声質も聴き間違えるほどに似てる。現代の10代の若者が歌っているとは信じられないクオリティーで歌っています。もっと売れたらオケもビッグバンドをバックにレコーディングできれば良いのにと思ってしまう。ここまで歌えるのなら打ち込みなしのビッグバンドでレコーディングさせてあげてほしい。7曲目「丘を越えて」この曲はオリジナルと同じく明治大学マンドリン倶楽部OBがレコーディングに参加しています。半端ないクオリティの歌唱です。最近のyoutubeでライブで歌っている動画を観たのですが、このレコーディング時よりもさらに歌唱も素晴らしくなってて驚きでした。8曲目「青春サイクリング」と9曲目「十代の恋よさようなら」もなかなか渋めのチョイス。10曲目「高校三年生」も青春歌謡の王道。この曲もクオリティ高い。青春歌謡なら美樹克彦さんのカヴァーとかも良さそう。美樹克彦さんをカヴァーする人って少ないと思うし。「行こうぜ東京」「恋の台風第一号」「俺の涙は俺がふく」「花はおそかった」「赤いヘルメット」など、凄いキャッチーな曲だし「花はおそかった」以外はほとんどカヴァーされていないと思う。11曲目「白い花の咲く頃」このアルバムのカヴァーの中で一番渋い選曲。現在は一番知られていない曲かも知れない。岡本敦郎さんの事も知らない人が多いように思う。藤山一郎さん、青木一郎さん、神戸一郎さん、霧島昇さんは比較的今でも知られてるように思う。12曲目「東京ラプソディー」このカヴァーもとんでもなく高いクオリティで歌われています。フルバンドをバックに歌った方が石原まさしさんの歌唱は映えると思う。ビッグバンドもどんどん減ってきているので、難しいのかも知れないけど。アロージャズオーケストラと昭和歌謡で共演とか盛り上がりそう。梅田にアロージャズオーケストラ専用のライブハウスもあるし。13曲目「誰か故郷を想はざる」この曲も名曲中の名曲。10代の若者がカヴァーするとは思えない曲です。改めて良い曲だと思わせてくれたカヴァーでした。14曲目「龍馬維新の志」2ndシングルも10代の若い演歌歌手が歌うには曲も歌詞も難しい曲です。デビュー曲の「田原 城山 草枕」に続き日本が大きく動いた歴史を歌っています。15曲目「希望は叶う」デビュー曲のカップリング曲。人生の応援歌です。昭和40年代の水前寺清子さんを彷彿させるような楽曲。昭和歌謡を歌う時とはまた違うド演歌な歌唱です。このド演歌な歌唱も凄く良いと思う。こぶしがまた凄く良い!16曲目「男の山河」3rdシングルのカップリング曲にも収録されています。メイン曲でもじゅうぶんなクオリティの楽曲です。これからどうなって行くのか楽しみな歌手の一人です。まだまだ試行錯誤しながら歌手・石原まさしの形を作って行くのだろうと思う。歌の上手い若手演歌歌手は多くいるけど、上手いだけじゃなく個性の点でずば抜けてるのは強い。
2024年02月19日
藤山一郎さんの数え切れない代表曲の一部を収録したコンパクト盤。藤山一郎さんと言えば独特な唱法で歌っているイメージです。このコンパクト盤の1曲目「酒は涙か溜息か」は日本で初めてクルーナー唱法を用いた歌手としても有名。クルーナー唱法はビング・クロスビー、フランク・シナトラ、ナット・キング・コール、ディーン・マーティン、ペリー・コモなど錚々たる歌の神様たちが使っていた唱法です。もちろん藤山一郎さんも歌の神様の一人である事は当然です。戦前の歌謡曲は昔から好きでいろいろ集めて聴いていました。ディックミネさんや田端義夫さん、淡谷のり子さん、東海林太郎さんの事ぐらいしか書いていなかったかも知れないけど、藤山一郎さんの楽曲も買ったレコードやCDを250曲ほどiPodに入れているのでこれから好きな曲をいろいろ書いていこうかと。藤山一郎さんの事を初めて書くので、書きたい事が多過ぎてかなり長くあるかも。A面1曲目「酒は涙か溜息か」作詞 高橋掬太郎さん 作曲 古賀政男さん 編曲 佐伯亮さんこのコンパクト盤に収録されてるのは昭和40年代のセルフカバーヴァージョン。ギターに古賀政男さんとアントニオ古賀さん二人の音が収録されています。これをオリジナルと思ってる人も多いのかも知れない。1960年代なのでもちろんステレオ録音でスクラッチノイズもないので、ラジオなどでもこのヴァージョンが流れる事も多かった。1931年(昭和6年)ヴァージョンは、リレコーディングよりも若干テンポも速く、古賀政男さんのギターとヴァイオリンのみの演奏で物悲しさがより感じられる。このオリジナルはノイズも少ないかなり良い状態のものが残っています。後にノイズ処理してリマスターしたのかも知れませんが。オリジナルは1931年10月発売で、この一つ前のシングルが「須川小唄」ですが、この曲も良い状態で残されています。「酒は涙か溜息か」の次のシングルが「別れのワルツ」ですが、この曲はノイズがけっこう酷いものしかないようです。この「別れのワルツ」はMGMミュージカル「ゴルフ狂時代」の主題歌の日本語ヴァージョン。楽曲もアレンジも完全なアメリカの世界でビッグバンドの演奏も素晴らしく、藤山さんの歌は洋楽に何の違和感もなく混ざり合って素晴らしいの一言です。「酒は涙か溜息か」のような曲ももちろん良いのですが、アメリカの曲を歌っても最高です。2曲目「丘を超えて」作詞 島田芳文さん 作曲 古賀政男さん 編曲 甲斐靖文さん演奏 明治大学マンドリン倶楽部この曲も1931年(昭和6年)作品。この曲は元々、古賀政男さんが明治大学マンドリン倶楽部のために書いた「ピクニック」題されたインスト曲でした。そこに歌詞をつけて藤山一郎さんが歌いました。この曲を聴いて「イントロ長っ!!! 歌がいつ始まるの?」って思った人が多いと思う。そして間奏もかなり長いのはマンドリン合奏曲として作られてたため。マンドリンとアコーディオンとチューバのみの演奏っぽい。インスト部分の多さも含めこの曲は本当に良く出来ててワクワクしてしまう曲です。少し話が逸れるのですが、この曲をカヴァーしてるまだ10代の演歌歌手の人がいます。「石原まさし」さんと言って、最近かなり石原まさしさんの歌をアルバムもシングルも買って、よく聴いています。これがまた素晴らしい歌唱で藤山一郎さんの生まれ変わりなんじゃないかと思うほどの気持ち良いほどに真っ直ぐな歌唱で初めて聴いた時は全身鳥肌でした。「これ、本当に18歳が歌ってるのか??」って真剣に思ってしまった。石原まさしさん戦前、戦後の歌謡曲を本気で愛してる少し変わってる青年^^;本気で好きじゃないとあんな風には絶対歌えない!最近の10代のアーティストではこの前、すごい熱量で書いてしまった「d4vd(デイヴィッド)」と石原まさしさんの二人がずば抜けて気に入っています。そう言えば石原まさしさんの事も一度も書いていなかった。昭和歌謡を愛してる人は、石原さんの「丘を超えて」や「東京ラプソディー」を聴いてほしい。その上、石原まさしさんはアコーディオンの弾き語りで歌います!これも藤山一郎さんそのもの!B面1曲目「キャンプ小唄」作詞 島田芳文さん 作曲 古賀政男さん 編曲 甲斐靖文さん1931年(昭和6年)7月発売。この曲が古賀政男さんと組んだ初めての曲です。「丘を超えて」もこの曲があったからあんな形で完成されたと思う。ヘッドフォンで大きめな音で聴いたら気づくのですが、かなり後ろで鳴ってるフルートがスケールアウトしてるように聞こえて気になるんだけど、あの音が正しいのなら斬新。2曲目「なつかしの歌声」作詞 西條八十さん 作曲 古賀政男さん 編曲 佐伯亮さんこの曲は「酒は涙か溜息か」同様に1960年代に録音されたセルフカバーヴァージョンです。オリジナルは1940年(昭和15年)で二葉あき子さんとのデュエット曲でした。1番を藤山一郎さん、2番を二葉あき子さん、3番を二人ユニゾンという歌唱構成。このコンパクト盤に収録されてるヴァージョンは藤山一郎さん一人なのでキーもあげて歌っています。映画「春よいずこ」の主題歌でした。映画タイトル曲の「春よいずこ」もこの次のシングルとしてリリース。昭和15年で「春よいずこ」ってタイトルだけで胸が苦しく感じる。このシングルの前のシングルが「南洋行進曲」です。この時代の歴史はわかってるけど、想像はまったくできない。「南洋行進曲」は勇ましい曲ですが、やはり悲しくなるのはその頃幼かった両親から聞かされてたその頃の話と交差するのもある。(東宝映画「春よいずこ」のシーン。藤山一郎さんと霧立のぼるさん)
2024年02月18日
島倉千代子さんの1963年4月発売の10インチアルバム。A面1曲目「さよならとさよなら」 作詞 西沢爽さん 作曲 市川昭介さん2曲目「おぼこ水車」 作詞 星野哲郎さん 作曲 浜口庫之助さん3曲目「大阪のお母さん」 作詞 星野哲郎さん 作曲 船村徹さん4曲目「女ごころの片瀬波」 作詞 高木順子さん 補作詞 石本美由起さん 作曲 船村徹さんB面1曲目「あの橋の畔で」 作詞 菊田一夫さん 作曲 古関裕而さん2曲目「初恋灯り」 作詞 星野哲郎さん 作曲 浜口庫之助さん 3曲目「海を遥かな」 作詞 菊田一夫さん 作曲 古関裕而さん4曲目「愛の悲しさ」 作詞 道下きく絵さん 補作詞 石本美由起さん 作曲 船村徹さん A面1曲目「さよならとさよなら」この10インチのタイトル曲「さよならとさよなら」はシングル「別れるときは死ぬときよ」のB面曲です。1962年10月1日発売で。1962年の紅白歌合戦ではこのB面の「さよならとさよなら」を歌っています。A面のタイトルか歌詞に問題があったのだろうか。曲調は陽気なお座敷系の曲なのに。この年、島倉さんはお父様を亡くしています。2曲目「おぼこ水車」 この時代のシングルでは4分27秒はかなり長い方だと思う。「♪ギィートン ギィートン ギィートントントン 水車が廻るよ ギィートン 涙がおちるよ ポートン」この曲はインパクトもあるし妙に心の奥に残る曲です。シングル向きではないような気もするけど。Wikipediaのシングル盤の欄にはなぜか掲載されていません。3曲目「大阪のお母さん」この曲は前に書いたと思う。浪花千栄子さんとの共演してる曲です。イントロでは浪花千栄子さんのセリフ、島倉さんと浪花千栄子さんの掛け合いセリフ。その次のセリフは再び浪花千栄子さんのセリフ。歌詞の中に「かごの小鳥もスピッツも おかえりなさいと泣いている唄ってる」とちょうどスピッツを飼うのがブームのようになってきてた時なんだと思う。子供の頃、近所のスピッツは凄く吠えるのが多くて見た目は可愛いけどちょっと怖かった。現在のスピッツは改良されたのか吠えなくなって気性も穏やかになってるとか。スピッツは真っ白でめちゃくちゃ可愛いから飼いたいと思った事もあった。4曲目「女ごころの片瀬波」 この曲は週刊誌の「女性自身」で歌詞を応募する企画で作られた曲。船村徹さんらしいメロディーが耳に残る。A面は「愛の悲しさ」で、そのB面曲。B面1曲目「あの橋の畔で」この曲も大好きな曲で、前にも書いています。映画「あの橋の畔で」の主題歌。凄い二人が作った作品なので名曲になるのは当然。2曲目「初恋灯り」 この曲もWikipediaに掲載されていない曲。「おぼこ水車」のB面曲です。こっちをA面にした方がいいと思う。3曲目「海を遥かな」シングル「あの橋の畔で」のB面曲。この曲も主題歌として使われています。カンボジアを舞台にした歌詞です。4曲目「愛の悲しさ」この曲も週刊誌の「女性自身」で歌詞を応募する企画で入選した曲。1962年10月発売のシングルでした。
2024年02月08日
1994年1月1日発売の島倉千代子さんのシングル。 1曲目「昔も今も・・・女」作詞 たかたかしさん 作曲 幸耕平さん 編曲 若草恵さん京都・嵯峨野を舞台にした楽曲です。嵐山なんてもう何十年も行ってないなぁ。嵯峨野嵐山駅から野宮神社の竹林の小径から祇王寺…良い気候の頃ならぶらぶら歩くには丁度良い距離。40分ほどで着きそう。別れを決心しきれない女性が桜の散る季節に一人で迷いながら歩くには辛そうな道。自分は嵐山に行くにはいつも阪急電車。阪急嵐山駅から渡月橋を渡って野宮神社まで歩くなら20分ほどかな。こんな事書いてたら、京都に行きたくなってきた。若草恵さんのアレンジは和物歌謡曲っぽいイントロから京都嵯峨野のイメージが浮かぶ。(内田あかりさんの「浮世絵の街」ほどの和物歌謡ではない)島倉さんの歌唱はジャケット写真のイメージそのもので、しっとりと哀しげに歌っています。2曲目「恋女」作詞 たかたかしさん 作曲 幸耕平さん 編曲 杉村俊博さんカップリング曲はよりニューアダルトミュージック寄りなアレンジです。軽快なテンポのキャッチーな曲なので、こっちをA面にしても良かったような気もする。アコーディオンを効果的に使っててシャンソンのように聞こえたりもします。この曲がもう30年も前の曲とか… つい最近の曲のような感覚で聴いてしまう。昨日、35年ほど付き合いのある友人と久しぶりに食事に。16時に待ち合わせして目的の店に着くと、夜は17時からの営業だったので、すぐ近くの湊川神社に行ってきた。物心ついた頃からここの神社にはよく来てた。自分が小学生低学年の頃までは神門とくぐり境内に入ると、すぐ右側に鳩の餌を売ってるおばあさんがいて、いつも10円か20円だかで買ってもらってた。適当な広告紙やら包み紙を小さな円錐形の器にして、中にはトウモロコシ、粟、麦の乾燥させたものが入ってた。その餌を買うと、鳩が周りの木の上から一斉に降りて来て自分の周りに集まってくる。それが楽しくて小さい頃は鳩に餌をあげにいくのが目的で湊川神社に行ってた。神門をくぐって左側には日本最古のオリーブの木があります。樹齢150年以上なんだとか。そして大鳥居をくぐり御本殿の手前に子供の頃から大好きな狛犬があります。その狛犬までに他の2種類の狛犬を過ぎるのですが、奥にある自分が好きな狛犬は青銅で作られています。少し珍しい狛犬だと思う。物心ついた頃からのゴジラ好きだった自分は向かって右側の狛犬がゴジラのように見えてカッコ良くて大好きでした。(右側の狛犬)(左側の狛犬にはツノがあり少しゴメスのように見える。この狛犬も凄く好きだった)湊川神社でお参りして、境内の中を散策してたらあっという間に1時間過ぎてた。前から行きたかった広東料理の店に。料理も美味しかったし、10年もののかめ出し紹興酒が最高で、熱燗で何杯呑んだだろう…(写真は前菜しか撮ってなかった。良さそうな店だとピータンは前菜で必ず注文する。 ここのピータンはアンモニア臭なくかなり美味しいピータンでした。 ピータンって紹興酒に合う。熱燗の紹興酒にザラメを少し入れて、干し梅入れたら完璧!)
2024年01月13日
八代亜紀さんが亡くなったと信じたくないニュースを耳にした。夏過ぎからしばらく療養するために活動を休止するとは知ってましたが、春頃には復帰して関西でもライブしてくれるだろうと楽しみにしてた。コンサートでは特に優しく温かく柔らかい人柄が溢れててホールの中はいつも、ほんわかした空気だった事も忘れずに、これからも八代亜紀さんの歌を聴き続ける。2010年3月20日発売のアルバム「Mr. SOMETHING BLUE」を聴いてた。いくつかあるJAZZアルバムの中から一枚、これを選んだ。八代亜紀さんの音楽のルーツはJAZZな事は有名です。八代亜紀さんの父親がいつも蓄音機でJAZZやアメリカの歌を聴いてたのもあり、JAZZが体に沁み込んでいた。ある日、父親が子供の八代さんにプレゼントした「Julie London」のアルバム。八代さんのドレスの感じや初期の髪型は完全に「Julie London」を意識していると思う。ド演歌を歌うようになったのはプロになってからのようです。クラブやキャバレーでもJAZZ歌手として出演していました。「Mr. SOMETHING BLUE」の事を書こうと思ったけど、その後に50周年記念に発売された5枚組BOXからDisc 3の「八代バラエティー」を聴いた。5枚の中で一番聴く回数が少なかったDisc 3。その1曲目が「ワタシウタ」です。この曲は2020年3月に50周年記念シングル「明日に生きる愛の歌」と両A面として発売されました。このシングルが発売された時にも書いてると思うけど、八代亜紀さんの大ヒット曲のタイトルが12曲も歌詞の中に入っている50周年の企画曲。50周年BOXにはDVDを1枚含みます。そのDVDの中にこの「ワタシウタ」のMVが収録されています。「ワタシウタ」作詞・作曲 片山圭司さん 編曲 鎌田雅人さん
2024年01月10日
1981年1月1日発売の美空ひばりさん288枚目のシングル。この曲は1980年発売のアルバムからのシングルカットです。A面「恋女房」作詞 たかたかしさん 作曲 徳久広司さん 編曲 伊藤雪彦さん久しぶりだったヒット曲、286枚目のシングル「おまえに惚れた」と同じ、たかたかしさん、徳久広司さんコンビのキャッチーなオーソドックスな演歌曲です。長く苦労を共にした妻に対しての感謝を歌っている男歌です。ひばりさんの男歌は唯一無二で他の歌手には真似できない世界を作り上げるのでひばりさんの男歌のファンは多い。B面「昭和ひとり旅」作詞 麻生香田郎さん 作曲 杉本眞人さん 編曲 高田弘さんこの曲も1980年4月25日発売のアルバムからのシングルカットです。シングルのA面にはこっちの方が一般受けしそうに思う。Eギターから始まるイントロもインパクトあるフレーズだし、メロディーも歌詞もキャッチーです。「♪帰れないからふるさとさ 帰れないからふるさとさ」の部分には胸に響く人が多いように思う。ひばりさんの説得力のある歌唱なので、より心に響きます。ずっと録ったままHDに入ってた衛星放送でのひばり特集での主演映画やライブ映像をこの前からまとめて観ていて、ひばりさんの曲もまたよく聴いています。
2023年12月23日
1971年7月10日発売の美空ひばりさん253枚目のシングル。美空ひばりさんは演歌調の曲がシングルのほとんどを占めていますが、1割〜2割ほどはいろんなジャンルの楽曲をシングルとして発売しています。一番よく知られているのはグループサウンズ(GS)を取り入れた「真赤な太陽」です。1967年に発売されたのですが、その頃は空前のGSブーム。ジャッキー吉川とブルー・コメッツの演奏でレコーディングした事で本格的なGSのサウンドに仕上がって往年のひばりさんファン以外の若者にも受け入れられた。翌年に「真っ赤な太陽」よりもカッコ良く洗練された「むらさきの夜明け」をリリースしましたが「真赤な太陽」ほどのヒットにはならなかった。自分は「むらさきの夜明け」の方が断然好きなのですが。A面「ふるさとはいつも」(芸能生活25周年記念曲)作詞 吉岡オサムさん 作曲 かとう哲也さん 編曲 佐々永治さん1971年4月5日の加藤和彦さんと北山修さんが作り歌った「あの素晴しい愛をもう一度」の大ヒットがあって、それまで批判や不満を暴力的に歌ってるイメージだったフォークソングのイメージが変わって来て、フォークソング自体も爽やかな曲に変わってきた。そこに目をつけたひばりさんのブレーンは、この曲を作り上げた。この曲をレコーディングされたのは5月15日でした。作曲のかとう哲也さんは美空ひばりさんの弟ですが、良い曲を多く残しています。その前に小野透さんという芸名で歌手、役者としてデビューしていて、ひばりさんの楽曲も「小野透」の名前で多く作曲しています。演歌調の楽曲以外にもポップスやロック調の曲も多く作っています。「唇に花シャッポに雨」や「恋のパープル・レイン」「好きになってしまったわ」などは、ひばりさんにそれまでになかったような、新しい世界を提供しています、1960年代半ば〜1970年代半ばまでが、美空ひばりさんは様々なジャンルに挑戦していた印象。「太陽と私」なんて凄く好きな曲です(「唇に花シャッポに雨」はこの曲のB面です)「ふるさとはいつも」は爽やかなフォークナンバーです。ジローズ、はしだのりひことシューベルツ、はしだのりひことクライマックス、ベッツィ&クリス、シモンズ…などのカレッジフォークが主流になった頃にリリースしたシングル。70年代フォークそのもののアレンジと演奏もいい感じです。ひばりさんも演歌っぽい歌唱を完全に封印して、爽やかに自然に歌っています。印象的なコーラスは、シンガーズスリーです!B面「恋のわらべ唄」作詞 横井弘さん 作曲 青江深史さん 編曲 小谷充さんこの曲の歌詞とメロディーは完全に「和」ですが、アレンジ、演奏は違います。「和」と「洋」の融合的な曲。宝塚歌劇の和モノのショーの音楽的なアレンジ。ベースがかなり前に出ていてカッコいい音です。
2023年12月10日
1986年5月29日発売の美空ひばりさんのヒット曲。美空ひばりさんの代表曲のひとつになっている「愛燦燦」ですが、発売当初はヒットしていなかった。後にロングランヒットになり全シングルの12番目に売れた曲となった。この曲を発売した頃はもうすでにひばりさんは腰の痛みに悩まされていました。A面「愛燦燦」作詞・作曲 小椋佳さん 編曲 若草恵さんこの曲を初めて聴いた時は1971年発売の「ふるさとはいつも」を思い出し、軽いタッチのフォークソングっぽい曲だと思ったのを思い出す。「ふるさとはいつも」は大好きな曲だったので「愛燦燦」もすぐに好きな曲になった。でも「ふるさとはいつも」の方が今でも好きですが・・・。(「ふるさとはいつも」は芸能生活25周年記念曲です)「愛燦燦」のイントロのブルースハープが入る前のアコギのアルペジオの2小節がたまらなく好きでそこでいつもゾクゾクしてしまう。ひばりさんの歌唱も優しく柔らかく、それまで聴いた事のなかったような声を使っているように思う。力を入れると簡単に朗々と歌い上げられるのを抑えて引いた歌唱がいい。島倉千代子さんの高音部分のような細い声でちりめんビブラートを使っている箇所があってあまりひばりさんが使わないような唱法なので鳥肌でした。特に「不思議〜なものですね」のふしぎの「ぎ」を伸ばすちりめんビブラートの声が凄く好きです。この曲は味の素のCMのために作られた曲で、最初にテレビで流してた頃は歌唱が誰かも画面に出ていませんでした。たまにテレビCMでやる手法ですが、サントリーの缶ビールで松田聖子さんの「SWEET MEMORIES」も最初は歌手名を画面に出さなかったので、誰が歌っているのか?と話題になった。石川さゆりさんの「ウイスキーが、お好きでしょ」も画面に「SAYURI」とだけ出てたために誰なのか話題になった。ひばりさんの場合は声に個性がありすぎるので、すぐにバレたらしいですが・・・。B面「太鼓」作詞・作曲 小椋佳さん 編曲 若草恵さんこの曲ももっと話題になればいいのにと思ってた。シングルを買った人は、初めて聴いた時は驚いたと思う。激しい打ち込みの上で軽快に歌い上げるひばりさんの歌唱がカッコいい!能登半島の輪島のご当地ソングです。今なら、テレビ番組でこのB面を歌ったりすれば話題になって両A面としてジャケット変えて発売とか。若草恵さんのかなり攻めてる編曲は素晴らしい。1986年でこれはなかなか先に行ってると思う。QUEENの「A Kind of Magic」辺りの打ち込みっぽさを感じる。この曲、カッコイイのにまったく話題にならなかったのは残念。
2023年12月03日
1969年1月5日発売の美空ひばりさんの240枚目のシングル。美空ひばりさんのEP盤は全367枚のうち3割ほどしか持っていませんが、コンプリートするのは難しいので諦めています^^;この367枚のシングルの中にはカヴァー曲シングルは含まれていないので、全て合わせたら400種類ほどありそうです。A面「魂」作詞 関沢新一さん 作曲 山本文晴さん 編曲 佐伯亮さん1月5日発売とレコード会社も力入れてたとは思いますが、あまりヒットしなかったようです。昔からこの曲を聴くとベースの動きにばかり耳が追いかけてしまう。個性的なベースラインな上にかなり前に出てる。曲自体はかなりオーソドックスな演歌曲です。B面「嗚呼、舟がくし」作詞・作曲 森繁久弥さん 編曲 佐々永治さんこの曲は森繁久弥さんのカヴァー扱いなので、オリジナル曲の中に入っていない事が多い。発売された1969年には大阪フェスティバルホールで森繁久弥さんと二人でジョイントコンサートを開催しています。源平の古戦場の屋島での物語をテーマにした曲。戦いに敗れた平家が船を隠し、源氏の襲来を待ち受けた高松市庵治町の入り江「船かくし」悲しい物語を浪曲風に歌い上げるひばりさんの歌唱も最高です。
2023年11月30日
美空ひばりさんの1966年12月発売のコンパクト盤少しマニアックな曲は「哀愁出船」のみで、あとはかなりベタな選曲ですが、当然、名曲揃いです。A面1曲目「リンゴ追分」 1952年オリジナルヴァージョン作詞 小沢不二夫さん 作曲 米山正夫さん 編曲 山屋清さん2曲目「哀愁出船」作詞 菅野小穂子さん 作曲 遠藤実さん 編曲 安藤実親さんB面1曲目「柔」作詞 関沢新一さん 作曲 古賀政男さん 編曲 佐伯亮さん2曲目「悲しい酒」作詞 石本美由起さん 作曲 古賀政男さん 編曲 佐伯亮さん1曲目「リンゴ追分」はオリジナルヴァージョン。ベスト盤などには1963年ヴァージョンが収録されてる事も多く、録音年月日が掲載されていないと分からない人も多いと思う。1963ヴァージョンはステレオ録音でパーカッションも派手に入っています。ラジオ劇「リンゴ園の少女」の主題歌。タイトル曲「リンゴ園の少女」とカップリングで発売された。タイトル曲「リンゴ園の少女」は「リンゴ追分」とは対照的に海外ミュージカルの主題歌のようなアレンジもメロディも西洋音楽になっています。2曲目「哀愁出船」は雑誌「平凡」で歌詞募集した曲。1963年4月5日発売。ド演歌曲です。この年の紅白歌合戦で歌った曲。B 面1曲目「柔」は1964年11月20日発売の美空ひばりさん最大のヒット曲。東京オリンピックとの相乗効果で190万枚の売り上げ。子供の頃はまったく好きではなかったのに、年を重ねるごとにこの曲のカッコ良さが分かるようになった。ひばりさんの低音の渋さがわかるようになったのも40代半ばからだったかも知れない。2曲目「悲しい酒」1966年6月10日発売。この曲もひばりさんの代表曲のひとつ。145万枚を売り上げ、ひばりさんの3番目に売れた曲になっています。古賀政男さんがギターで参加してるオリジナルヴァージョンがやはり一番イイ!2000年に発売された『美空ひばりトリビュート』に谷村新司さんが歌ったヴァージョンはカヴァーの中でも秀逸です。
2023年11月27日
美空ひばりさんの1972年1月発売のシングル。「この道を行く」がアナログ盤で聴きたくなってレコードの棚から探してけど見つからなくてネットで調べたら「ひばり仁義」のB面だと言うことを思い出した。25周年記念曲なのでA面だといつの間にか思い込んでた。A面「ひばり仁義」作詞 石本美由起さん 作曲・編曲 市川昭介さんイントロでいきなり任侠での自己紹介である歯切れの良い口上から始まります。普通「お控えなすって」で始まるイメージですが、ここでの向上は「お見かけ通りの渡り鳥…わたし、生国と発しまするは関東 関東と言っても 関東はいささか広うございます 海の玄関横浜で生まれた時から船の汽笛を子守唄に 聞いて育った私です」ヤクザ映画でよく聞く任侠モノの口上とは少しイメージが違うように作られています。歌の出だしが「♪ごめんなすって 皆々さまへ〜」で始めります。編曲は使用楽器やフレーズは任侠映画のテーマ曲そのもので作られています。大正琴、尺八が前面にフィーチャーされています。昔、邦画映画館のインターバルでいつも流れてたような、あの頃の映画館の中を思い出すようなサウンドです。神戸東宝は「東宝チャンピオンまつり」の時でも爆音でこの系統の楽曲がインターバルで流れていました。神戸東宝は大好きな映画館でそこで何本のゴジラ映画を観たか。キャパもかなり広かった。872席も客席がありました。スクリーンもデカかったしゴジラ観るならココ!って子供頃からずっと思ってた。1990年代頃に閉館。B面「この道を行く」 芸能生活25周年記念曲作詞 石本美由起さん 作曲・編曲 市川昭介さん石本美由紀さんと市川昭介さんの強力なタッグで作られた名曲。1971年末の紅白歌合戦でも、まだ発売もされてなかったのにこの曲が歌われた。ひばりさんとひばりさんの母親と二人三脚で25年がんばったのが伝わってくる曲です。 でも、この曲のリズムを聴くとどうしてもインファント島が頭に浮かんでくる^^;
2023年11月21日
淡谷のり子さん事を書くのは多分、はじめて。シングル盤、LP盤、CDと結構、集めています。今回は超有名曲は外して、少し隠れた名曲的な作品。淡谷のり子さんは東京音楽大学のピアノ科から声楽科に編入。「10年に一人のソプラノ!」と言われた事は有名な話。本当に凄い歌唱力です。昭和4年に東京音楽大学声楽科を首席で卒業!これが凄すぎる!基本が完璧に出来ているので80代になってもソプラノで歌えていました。そりゃ10代〜50代の頃のような声量は落ちてましたが、高音は完璧に出ていました。淡谷のり子さんの歴史が凄すぎる。あの大ヒット曲「別れのブルース」を発売した時(1937年)は日中戦争勃発の年。そんな時にあんなにモダンなジャズブルースを歌っていたとは・・・。1937年って、初代ゴジラの17年も前です。「別れのブルース」は100万枚を突破して大ヒットになりました。A面「君忘れじのブルース」作詞 大高ひさをさん 作曲・編曲 長津義司さん超名曲の「雨のブルース」「別れのブルース」に負けない感動的な名曲です。最初にレコーディングしたのが1948年です。自分の持ってるシングルはステレオ録音なので1948オリジナルでは絶対にない。淡谷のり子さんは詳しいデータがあまり出ていなくて、何年レコーディングヴァージョンなのかとか分からないものが多い。時代が昭和一桁代からの歌手生活なので、戦前どころじゃない。この頃の歌手で自分がよく聴いてるのはディック・ミネさんと淡谷のり子さんぐらいかな。このシングルの「君忘れじのブルース」は1960年代(昭和30年代)以降だと思う。使用楽器もアレンジも昭和20年代って事は絶対にないと思う。淡谷のり子さんのベスト盤を流しながらパソコンで仕事してたら、焦ってるのも落ち着けて良い。B面「しのび泣く雨」作詞 清水みのるさん 作曲・編曲 長津義司さん1950年三原純子さんが、大映映画「ニッポンGメン 難破崎の血斗」の主題歌として歌ったのがオリジナルで、淡谷のり子さんがカヴァーしたもの。この曲がまた素晴らしくて、淡谷さんの歌唱はもちろん、アレンジ、演奏がカッコいい!70年代後半に一度だけ生の淡谷のり子さんの歌を聴いた事があります。NHKの公開録音の歌番組だったと思う。森進一さん目当てで行ったのですが、淡谷のり子さんの歌唱力の凄さにも驚かされたのを覚えてる。森進一さんが「あゝ人恋し」を新曲として歌ってた時だと思うので1975年か。
2023年11月19日
1965年5月10日発売の美空ひばりさんのシングル。このシングルは1965年9月18日公開の映画「新蛇姫様 お島千太郎」の主題歌。美空ひばりさん、林与一さんの主演作品。A面「お島千太郎」(セリフ 林与一さん)作詞 石本美由起さん 作曲 古賀政男さん 編曲 佐伯亮さん映画のサントラではないのですが、サントラ風にセリフが入った構成になっています。復讐劇と恋愛ドラマを芯にした歌あり踊りありのミュージカルのような作品。元々は舞台作品として美空ひばりさんと林与一さん主演で上演された物の映画化でした。和楽器を中心として作られたオケも素晴らしい。林与一さんのセリフもグッときます。60年代の東映の人情物はたまに観ると感動してしまう。B面「蛇姫様」作詞 石本美由起さん 作曲 古賀政男さん 編曲 佐伯亮さん「蛇姫様」の映画は各映画会社で制作されています。市川雷蔵さんと瑳峨三智子さんコンビ、東千代之助さんと高千穂ひづるさんのコンビなど。この曲も和楽器が中心の演奏でレコーディングされています。この映画、観た事がない人は「へびひめ様」って名前にも気になると思う。
2023年11月18日
1975年6月1日発売の美空ひばりさん268枚目のシングル。最近はひばりさんのやや忘れられがちな楽曲を書いていますが、この曲も隠れた名曲的なシングル曲です。A面「ひとりぼっち」作詞 山口洋子さん 作曲 遠藤実さん 編曲 斎藤恒夫さんこの曲は元々、アルバム用に作られて、アルバム「ひとりぼっち〜歌は我が命」に収録されていました。アルバム発売の1ヶ月後にシングルカットされました。DVD化もされてる「芸能生活35周年記念リサイタル」のセットリストに入るほどひばりさん本人も気に入ってた曲なのだと思う。小料理屋かスナックのママが一人のお客さんに語りかける設定の曲で有名なセリフから始まります。「おお寒い… 冷えるわねぇ どういっぱい? ところで聞いてくれる こんな淋しい女のはなし」このセリフを読めば「ああ〜あの曲ね」と思い出す人が多いと思う。セリフはもう一度、アウトロで出てきます。「ごめんなさい しめっぽい愚痴、聞かせちゃって そろそろ看板だけど、ねぇ もう一杯いかが…」これからの季節の少し寂れた飲屋街。熱燗の匂いが漂う裏路地から聞こえてきたら最高な曲。熱燗とお出汁の匂いが漂うような裏路地の飲み屋が一番好き。B面「渚の足跡」作詞 山口洋子さん 作曲 鈴木惇さん 編曲 竜崎孝路さんこの曲は自分が大好きな編曲家の竜崎孝路さんの編曲が楽しめる曲。サビのリズム隊のアレンジが凄く好き。この曲のメロディも良い!かなり低い所から歌い出す歌メロはひばりさんの声の魅力をより引き出してるように感じます、
2023年11月13日
1985年5月29日発売の美空ひばりさんのシングル。この曲はひばりさんの誕生日に発売された。A面「夢ひとり」作詞 美空ひばりさん 作曲 イルカさん 編曲 松井忠重さん美空ひばりさんが、前に書いていた「夢ひとり(我が愛の詩)」にイルカさんが曲を付けた。この詩は1981年に母を亡くした後に書かれ、一人になってしまった事の実感を綴っています。イルカさんの父親の保坂俊雄さんがひばりさんのバンドの指揮をしていた関係で楽屋に挨拶に来たイルカさんにひばりさんが白い封筒を手渡し、「この詩に曲をつけてほしい」と直接頼んだそうです。この詩は包み隠しのないひばりさんの気持ちだと聞かされたイルカさんはプレッシャーを感じながらもこの曲を書き上げた。孤独と悲壮感も感じる歌詞にイルカさんらしい優しいメロディが付いて、柔らかい光が射しているように感じられる楽曲になっています。演歌色はまったくない完全ポップスな編曲ですが、ひばりさんの歌の良さを全面に出せている曲。B面「ビロードの夜」作詞 来生えつこさん 作曲 イルカさん 編曲 松井忠重さんシティポップな楽曲。A面とは正反対に幸せの中に生きている事を噛み締めているような歌詞です。優しい高音ファルセットも聴けます。エフェクトはちょっとリバーブが深くて気になる。おしゃれなメロディなのですが、A面の方が断然イイ。
2023年10月13日
美空ひばりさんの292枚目のシングル。1983年2月21日発売。本人の作詞・作曲のシングルはこの曲が2枚目でした。A面「花のいのち」作詞・作曲 美空ひばりさん 編曲 佐伯亮さん1983年頃のひばりさんは続けて大切な人を亡くした。1981年に母親を亡くしてから、1982年には友人の江利チエミさんが亡くなった。1983年に弟を亡くした。そんな中だから、この歌詞を書いてメロディーも自分で付けて歌いたいと思ったのかも知れない。久しぶりに聴いてみたけど、今の自分の年になって感じるものがかなり違うようになった。切なさと生かされていると思える責任とありがたみを素直に思えるようになった。抑え気味に歌うひばりさんの歌唱が余計にそんな風に感じさせてくれる。途中で一首の和歌をひばりさんが詠みます。この和歌がまた凄くいい。B面「木場の女」作詞・作曲 美空ひばりさん 編曲 佐伯亮さんこの曲はひばりさん主演の舞台「深川物語・木場の女」の主題歌として本人が書き下ろした。正統派演歌なアレンジ。もっと本人で作詞作曲すれば良かったのにと思ってしまう。
2023年10月06日
1972年11月10日発売の美空ひばりさんの259枚目のシングル。1年半前に発売したシングル「それでも私は生きている」のジャケットと同じです。カット違いとかにすればいいのに。よほど気に入ってたので、勝負曲のこの曲のジャケットに改めて使用したのだろうか。A面「ある女の詩」作詞 藤田まさとさん 作曲 井上かつおさん 編曲 青木望さんパッと聴くと普通の演歌のようですが、じっくり聴くと演歌にしてはモダンな音な事に気づく。それもそのはずで編曲が青木望さんです。この曲と同じ年の1972年に青木望さんは、アリスのデビュー曲「走っておいで恋人よ」の編曲もしています。演歌系の編曲を担当する事は珍しく、それも美空ひばりさんの楽曲を担当するとなるとかなりなプレッシャーがあったんじゃないかと思う。主にフォーク系やソフトロック系、歌謡曲を中心に編曲していました。イントロは演歌ファンも引き込まれるようなアレンジですが、歌が入ってからはコンガ、チェンバロの音が耳に残る。演歌での使い方とは少し違う感じで入れてるので新鮮に感じる。この曲はひばりさんの楽曲の中でかなり好きな方です。久しぶりにスタジオ録音オリジナル版を聴いたのですが、ライブでの歌い方がインパクト強くてそっちの方が頭に残ってるので、やたらとあっさり歌ってるように感じてしまう。ライブでこの曲を歌う時は、タメもかなり大きくしてるし、歌のダイナミックレンジの幅がこのレコードヴァージョンの3倍以上に感じる。特にサビの「♪ 遠い遠い日の わたしのあなたでした」の部分の迫力と感動はライブヴァージョンでしか感じられない。このあっさりとした歌唱も、これはこれで好きですが。もしレコードでの歌唱がライブ歌唱のように激しく歌ってたら、こんなには売れてなかったかも知れないし。あの歌唱はライブだから惹きつけられたのだと思う。でも、あれを聴いてしまうと、あっさりしすぎてるように感じてしまう。美空ひばりさんのライブは3回しか行った事はないのですが、梅田コマ劇場でこの曲を生で初めて聴いた時は感動した。見開きWジャケットです。B面「思い出の鞄」作詞 保富康午さん 作曲 かとう哲也さん 編曲 佐々永治さんこのシングルはカップリング曲も名曲です。作詞の保富康午さんは火曜日版「サザエさん」の主題歌を書きました。「♪窓を開けましょ るるる呼んでみましょう サザエさん」の方です。それよりも「大きな古時計」の日本語訳を作詞した人という方が凄さがわかるか…。自分は保富康午さんの作詞の中なら、森進一さんに書いた「うさぎ」がダントツに好きです。「おれはは鉄平」「ドカベン」「ジムボタン」など、多くのテレビ漫画主題歌の作詞も担当しています。作曲のかとう哲也さんは美空ひばりさんの実弟です。この曲は爽やかなフォーク調な楽曲です。ひばりさんも軽く爽やかに歌っています。
2023年10月02日
1968年1月5日発売の美空ひばりさんの233枚目のシングル。A面「むらさきの夜明け」作詞 吉岡治さん 作曲 原信夫さん 編曲 森岡賢一郎さん演奏津々美洋とオール・スターズ・ワゴンコロムビア・ストリングス1967年夏にグループ・サウンズを取り入れた「真赤な太陽」が大ヒットした。その第二弾的な曲がこの「むらさきの夜明け」です。「真っ赤な太陽」と「むらさきの夜明け」の間には正統派歌謡曲の「芸道一代」を発売しています。2曲続けてのロックな曲は避けたのかも知れない。「芸道一代」は名曲なのでリリースされて当然な楽曲です。B面の「ひばりの子守唄」も名曲。インパクトは「真っ赤な太陽」に負けていないのですが、もう慣れてるので最初の驚きほどはなかったのじゃないかと思う。「津々美洋とオール・スターズ・ワゴン」でインストととしてこの曲をレコーディングしてるのですが、そのヴァージョンは強烈なインパクトです。あのインストに近いオケで歌ってたら「真っ赤な太陽」を遥かに超えたセールスだったのかも…とか思ってしまう。「津々美洋とオール・スターズ・ワゴン」ヴァージョンはイントロはカオスな前衛的な演奏。突然、ハイウェイ・スターのように疾走感のあるベースが入ってくる。テンポはちょっと速すぎるかも知れないけど、このテンポとこのフラメンコっぽいアレンジでひばりさんが歌ってたなら凄い話題になったと思う。でもこの曲も「真っ赤な太陽」の140万枚の大ヒットとはいかなくても14万枚のヒットになりました。B面「思い出と一人ぼっち」作詞・作曲 小野透さん 編曲 佐伯亮さん作詞、作曲の小野透さんは、ひばりさんの実弟でもある、かとう哲也さんの元の芸名でもあり、ペンネームでもある。かとう哲也さんは後にいろいろありましたが、いい曲を残しています。本人も俳優、歌手としても活躍していました。ムード歌謡とJAZZを合わせたような曲でしっとりと歌うひばりさんの歌声が楽しめます。
2023年09月29日
1971年3月10日発売の美空ひばりさん250枚目のシングル。美空ひばりさんの曲の事はあまり書いて来てなかったのですが、そろそろ封印していこうかと。シングル盤自体は島倉千代子さんや森進一さん、水前寺清子さん、畠山みどりさんのようにほぼコンプリートしてるわけではないのですが、昔から中古盤屋で珍しそうな物を見つけたら買っていました。少し前に書いた「さくらの唄」は特別な逸話があった曲で、その上、アレンジ自体も完全にフォークソングでした。この曲は阿久悠さんが初めてひばりさんに歌詞を提供した楽曲ということで外せない1曲です。A面「それでも私は生きている」作詞 阿久悠さん 作曲 井上かつをさん 編曲 馬飼野俊一さん初めて聴いた時は、エレキギターのトレモロ奏法が何か気になりすぎてひばりさんの歌に入れなかったのですが、何度も聴いてるうちにこの独特すぎるEギターのトレモロのフレーズがくせになってきた。この楽曲の演奏はケニー・ウッド・オーケストラです。ケニー・ウッド・オーケストラとは多くの歌謡曲の編曲で名を馳せた森岡賢一郎さんが作ったバンド。歌謡曲のオケだけじゃなく、映画音楽のサントラも演奏していました。「雨のアムステルダム」がケニー・ウッド・オーケストラ演奏作品です。ケニー・ウッド・オーケストラで凄く好きな演奏は沢田研二さんの「コバルトの季節の中で」が最初に頭に浮かぶ。初期の沢田研二さんのスタジオレコーディングの多くがケニー・ウッド・オーケストラの演奏でレコーディングされています。ライブは井上堯之バンドですが、レコーディングはケニー・ウッド・オーケストラで録音していました。沢田研二さんの曲なら「追憶」のケニー・ウッド・オーケストラの演奏も好きでした。「時の過ぎゆくままに」も「勝手にしやがれ」もケニー・ウッド・オーケストラの演奏です。この「それでも私は生きている」は軍歌のようなリズムの人生の応援歌です。サビのインパクトは強力です。ひばりさんにしか歌い切れないような盛り上げる歌唱とファルセットのロングトーン。この歌詞で全く違うメロディーと曲調になってたら…とか考えてしまうときがある。このままでも嫌いじゃないんだけどね。「今日の我に明日は勝つ」のような分かりやすい応援歌の方が一般受けはすると思う。この曲はちょっとマニアックな感じです。B面「新宿波止場」作詞 横井弘さん 作曲・編曲 市川昭介さん市川昭介さんらしい軽快でノリのいい演歌です。セールスだけ考えると、こっちをA面にした方が売れたんじゃないかと思う。でもちょっと都はるみさんの曲のような感じもするのですが…。西川峰子さんあたりが後にカヴァーしてシングル発売すれば大ヒットしたかも知れない。
2023年09月27日
島倉千代子さんの1963年8月発売の10インチアルバム。ナレーションなしの10インチです。A面1曲目「二人だけの砂丘」 作詞 石本美由起さん 作曲 遠藤実さん 編曲 安藤実親さん2曲目「あわれ君ゆえに」 作詞 西澤爽さん 作曲 古賀政男さん 編曲 佐伯亮さん3曲目「わかれ渚」 作詞 石本美由起さん 作曲 遠藤実さん 編曲 安藤実親さん4曲目「一人ぼっちになっちゃった」 作詞 関沢新一さん 作曲・編曲 山路進一さん B面1曲目「むらさきの慕情」 作詞 西澤爽さん 作曲 古賀政男さん 編曲 刀根研二さん2曲目「愛のうず潮」 作詞 西澤爽さん 作曲 船村徹さん3曲目「愛情」 作詞 丘灯至夫さん 作曲 万城目正さん 編曲 山路進一さん4曲目「雨の降る日の午後でした」 作詞 久米行雄さん 作曲 服部克久さんこのアルバムのタイトル「二人だけの砂丘」は1963年7月発売「わかれ渚」のB面曲なのにアルバムのタイトルに格上げ。2曲目「あわれ君ゆえに」は1963年5月1日発売の「むらさきの慕情」のB面曲。ラテンのリズムを少し取り入れたムード歌謡チックな楽曲。古賀政男さんのギターソロはいつもの古賀メロディの感じとは違っていて珍しい演奏。3曲目「わかれ渚」はハワイアンを取り入れたアレンジ。島倉さんの歌唱もヨーデルのように地声をファルセットをコロコロ変えるような歌唱をしてる部分もあって聴き入ってしまう。4曲目「一人ぼっちになっちゃった」は1963年2月1日発売のシングル「愛情」のB面曲。初めて恋をして騙されて一人ぽっちになっちゃった・・・って歌です。3番の歌詞は歌詞カードに掲載されているのですが「三番は歌われておりません」と書かれています。何か前にもこう言うのあったように思う。B面1曲目「むらさきの慕情」は完全にタンゴナンバーです。ここまで本格的なタンゴを古賀政男さんが書いてるのも珍しい。間奏のピアノソロとバンドネオンの音が凄く良い!2曲目「愛のうず潮」はB面が北島三郎さんの「亜矢子の歌」というカップリング。この「愛のうず潮」は関西テレビのドラマ「愛のうず潮」の主題歌です。3曲目「愛情」は1963年2月1日発売のシングル。コンガがバックでずっと鳴っていてラテンっぽく作られてる曲です。島倉千代子さんのオリジナルは前にも書いたけど、本当に和の演歌調の曲は意外と少ない。ラテン系、ムード歌謡やフォークな曲がかなり多い。4曲目「雨の降る日の午後でした」もB面は違う歌手とのカップリング。コロムビアローズさんの「夜が泣かせる」がB面でした。この曲の歌詞は雑誌「平凡」で懸賞付きで応募された中から選ばれた歌詞。
2023年09月26日
1999年9月10日発売の島倉千代子さんと中山大三郎さんのデュエットシングル。コロムビアの企画で「コロムビア デュエット大行進 '99」の中の1曲です。このシングルの2曲の他に八代亜紀さん&杉本眞人さんの「港灯」や小林幸子さん&平尾昌晃さんの「二都物語」や松原のぶえさん&船村徹さんの「うわさ供養」など話題曲が多く制作されました。1曲目「ヨコハマ・ビギン」作詞・作曲 中山大三郎さん 編曲 伊豆のりおさん中山大三郎さんが作詞作曲、そしてデュエット相手です。中山大三郎さんは作詞のみの曲や作曲のみの曲で多くの名曲を書いています。この曲のように作詞作曲、両方を担当する事もあり、多くの名曲を生み出しています。中山大三郎さんが作詞作曲した超名曲に森進一さんの「ゆうすげの恋」(1976年7/5発売)があります。これは森さんの全オリジナル曲の中でも確実にベスト20に入ると思う。それから森進一さんに書いた「雨の桟橋」(1977年1/5発売)も超名曲です!「さざんか」は作詞のみ担当ですが、この曲も森進一さんの代表曲のひとつです。島倉千代子さんには「人生いろいろ」の作詞を担当。これは久しぶりの島倉さんの超大ヒット。現役ぶりを世に知らしめた曲でした。この曲は1960年代前半の楽曲のようなラテン系ムード歌謡です。アレンジや楽器のチョイスも60年代前半の世界そのもの。もっとギロが前に出てた方が60年代かも知れないけど、これ以上、前に出すとやらしすぎるか…。ボーカルレベルと同レベルほど前に出てるギロはよくありました。この曲で初めて中山大三郎さんの歌声を聴いたのですが、風貌通りの柔らかく優しい歌声です。ちょうど今日と明日、横浜アリーナでユーミンがライブしてて横浜でこの曲を思い出して書きました。2曲目「お父さんありがとう」 岡千秋さん&西尾夕紀さん作詞 松井由利夫さん 作曲 岡千秋さん 編曲 池多孝春さん岡千秋さんと言えばやはりあの魅力的なダミ声で歌った「浪花恋しぐれ」です。都はるみさんとのデュエットが強烈なインパクトだった。またこの曲を都はるみさんっぽい雰囲気で歌ってるので、「浪花恋しぐれ」再び!って感じです。父親と娘の歌なのですが、岡さんのダミ声と突き抜けるような歌唱の西尾さんの声の絡み合いが最高です。
2023年09月24日
美空ひばりさんの273枚目のシングル。30周年記念曲。1976年7月1日発売。この曲は発売までに特別な逸話のある楽曲です。A面「さくらの唄」作詞 なかにし礼さん 作曲・編曲 三木たかしさんなかにし礼さんが1970年代後半に兄の膨大な借金の保証人になって失意のどん底の中この歌詞を書いた。ある意味、遺言状のつもりで書いたと語っている。曲を三木たかしさんに頼み出来上がった。この時点では美空ひばりさんが歌うなんて事は想像もしていなかった。楽曲が出来上がり、この曲に惚れ込んだ三木たかしさん本人がレコーディングして歌った。しかし、まったく売れなかった。そんな経緯のある楽曲を耳にした久世光晴さん(TBSの有名演出家)が、この曲と同じタイトルの「さくら」というドラマを作り、この曲を主題歌にして美空ひばりさんに歌ってもらおうと考えた。人が一度レコーディングした曲をカヴァーしてシングル曲にする事はそれまでの美空ひばりさんにはなかった。それもほとんどヒットしていない曲。ひばりさんのスタッフは当然、断った。それでも久世さんはひばりさんの公演中の楽屋に赴き直接、交渉した。三木たかしさんがレコーディングしたものを楽屋で流した。なかにし礼さんのどん底な状況も説明してこの曲を聞いてもらった。一度流し終えると、ひばりさんはもう一度流してほしいと言った。そして2回目流れる歌に合わせひばりさんは口ずさみ歌っていたらしい。アコースティックギター1本で始まる完全なフォークソングアレンジ。自分はこの曲を10代の頃に初めて聴き、美空ひばりさんの凄さを思い知った。この曲を聴いてから美空ひばりさんを見る目が変わった。歌謡界の女王のイメージよりも人間臭さを感じてから美空ひばりさんの歌を聴くようになった。ひばりさんが歌っても、この曲は売れなかった。でも、ドラマ主題歌としてこの曲を耳にした人は凄い数だったと思う。フォークな曲なのでひばりさんファンも当時はいい曲だと思っても買う所まではいかなかったのかも知れない。この一つ前のシングルが30周年記念曲第一弾の「雑草の歌」です!あの壮大で感動的な人生の応援歌の次がシンプルすぎるフォーク曲だったのでがっくりした人もいたのかも知れない。そりゃ「雑草の歌」は名曲だしキャッチーな曲なので次もこんな曲を期待するのは当然だとは思う。B面の「夜の雨」も当時、売れてたタイプの演歌曲。これも良い曲だった。この「さくらの唄」を聴いた事がない人は聴いてみてほしい。「♪ 何もかも僕は なくしたの 生きていることが つらくてならぬ もしも僕が死んだら友達に ひきょうなやつと 笑われるだろう・・・笑われるだろう」こんな歌詞で始まるかなり重く暗いフォークナンバーです。歌い方もいつものひばりさんの堂々とした歌唱を封印して、かなり声も感情も抑えて聴く人の心の中に染み込んでくる声で歌っています。B面「おんな酒」作詞 なかにし礼さん 作曲 三木たかしさん 編曲 佐々永治さんイントロもオーソドックスな演歌曲のようですが、歌バックはこれもフォーク曲のような印象も感じるアコギのアルペジオ。フォークと古賀政男メロディを合わせたような悲しい曲です。この曲でのひばりさんの歌唱は伸びやかなハイトーンファルセットも使っています。いい曲です!2016年にこの「さくらの唄」は再度 マキシシングルとして発売されました。未発表のギターヴァージョンとオリジナルヴァージョンを収録。
2023年09月20日
2013年2月6日発売の「牧伸二」さんが最後に出したシングル。牧伸二さんが亡くなったのが2013年4月29日。亡くなる2ヶ月半前にリリースされたシングルでした。3曲収録されてて牧伸二さんが歌ってるのはメイン曲のみですが。1曲目「ひとめ惚れ」作詞・作曲 星桂三さん 編曲 桜庭伸幸さんイントロのド頭が牧伸二さんのウクレレで始まります。この最後のシングルを聴いてもわかるように、牧伸二さんの歌唱力は実力派歌手並の素晴らしさです。この時、牧伸二さんは78歳です。78歳とは思えない低音の響きです。この曲の中にセリフがあります。牧伸二さん 「あ〜 生まれてきて よかったぁ〜」岡田旬子さん「あ〜 いやんなっちゃったって 言わないでね」というセリフのやりとりがあるのですが、亡くなった後で聴くと、この時このセリフをどんな気持ちで言ってたのだろうとか思ってしまう。牧伸二さんは身投げして自ら亡くなったので、このレコーディングしている時点で悩みや苦しみはあったのだろうと思う。最後に日本クラウンからCDを出せたのは良かった。何が原因で自ら命を絶ったのかはわかりませんがニュースを知った時はショックでした。レコードは1960年代〜70年代には多くリリースしています。デビューシングルは1962年「やんなっちゃった節」ですが、「牧伸のジンジロげ」や「サラリーマン数え唄」などでも歌の巧さがよくわかります。そして1977年の世の中全てがディスコブームになった時に牧伸二さんも「ソウルそれはないじゃないか」をリリース。この曲、アレンジも演奏もかなりカッコいい!もちろん牧伸二さんのリズムに気持ち良く乗った歌唱も最高です。そしてそれ以上にB面の「ナベヨコソウル」の演奏、アレンジが強烈にカッコいい!ビー・ジーズとコモドアーズ、アースウインド&ファイアの要素を入れ込んだソウルナンバー最高です!この頃、日本ではディスコサウンド風な楽曲が山ほどリリースされていました。牧伸二さんのレコードはヒットしたわけではないのですが、レベルはかなり高い作品だと思う。「ソウルこれっきりですか」は大ヒットしましたが、カッコいいノリだとは当時も思わなかった。それなら浅野ゆう子さんの「セクシー・バスストップ」のアレンジ、演奏の方がカッコいいと思った。B面のソウルアレンジの「ブルーライト横浜」もミディアムソウルで好きなアレンジでした。2曲目「晶子の恋歌」 岡田旬子さん作詞・作曲 星桂三さん 編曲 桜庭伸幸さんこの曲は演歌ではなく歌謡曲色強めのバラードです。アルトで歌う岡田さんの声がまた凄くイイ!3曲目「千曲川恋歌」 岡田旬子さん作詞・作曲 星桂三さん 編曲 熊谷直子さんこの曲は演歌です。3拍子の大正演歌色も感じる七五調の楽曲です。この曲も牧伸二さんとデュエットしてほしかったと思える曲です。
2023年09月05日
2000年2月19日発売の島倉千代子さんのシングル。1999年は1月1日に「人生はショータイム」をリリースして9月に中山大三郎先生とのデュエット曲をリリース。ソロシングルとしては1年以上ぶり。1曲目「三日月慕情」作詞 星野哲郎さん 作曲 弦哲也さん 編曲 前田俊明さん正統派演歌です。星野哲郎さんにしか書けないような不幸で哀しい女の歌。耐え忍ぶ女の歌も島倉さんの美しく品のあるボーカルで惨めすぎるようにならないのが良い。この曲は当時カラオケで人気だったんじゃないかと思う。2曲目「感謝の旅路」作詞 星野哲郎さん 作曲 永井龍雲さん 編曲 前田哲郎さん「マイ・ウェイ」的な、歌手人生を続けられる感謝を歌ったスタンダード曲。作曲の永井龍雲さんは1970年代後半に登場した人気フォークシンガーです。90年代以降は多くの演歌歌手や歌謡歌手に楽曲提供をしています。星野哲郎さんが書いた歌詞も完全に島倉さんの歌手生活を歌った内容になっています。2013年11月に亡くなるまで、この歌のように感謝の旅路を続けるように、人々を励ますような人生の応援歌を多くリリースしています。
2023年08月25日
香田晋さんの30枚目のシングル。いつの間にか歌手を引退していました。現在は福井県のお寺で僧侶になっています。歌の仕事以外のバラエティなどの仕事が多くなり、ストレスが溜まり精神的に疲れて芸能界をやめる事にしたようです。1曲目「源さん音頭」作詞 上田紅葉さん 作曲 花岡修平さん 編曲 桜庭伸幸さん自分がまだパチンコをやってた頃、当時パチンコの勝ち玉をCDによく交換してた。よく言ってたパチンコ屋にはCDコーナーが充実してて演歌から洋楽Rockまでかなりあった。中途半端に勝った時などは現金に換えるよりCD10枚とかに交換する事が多かった。トマトジュース一箱とかもよく交換して持って帰ってた。パチンコ屋に行ってた頃が凄い昔のように感じる。パチンコやめたきっかけは、2009年の秋に急に思い立ってタバコを止め、止めてしばらくしてタバコの臭いが急にダメになってパチンコ屋に入るのが苦痛になったのがきっかけでパチンコも辞めた。1日に3箱も吸ってたりしたのに、止める時は1日で簡単に止められた。まったくしんどい思いもせずに意外に簡単に止めることができた。そのおかげでパチンコも辞められたので一石二鳥でした。タバコは止めてから一度も吸いたいと思った事がなく逆にアレルギーのようになってきてる。そのパチンコ屋のCDコーナーで見つけて交換したのがこのCD。ジャケ写を見て、てっきり大工の源さん関係の物だと思って交換したのも覚えてる。昔、大工の源さんが好きな台だった。もちろん香田晋さんの歌唱は昔から知ってた。歌い回しも正統派演歌で嫌みのない歌唱の印象が強かった。この曲は昔ながらのアレンジの音頭です。香田さんの真っ直ぐな歌唱が陽気な音頭に凄く合ってる。2曲目「空飛ぶおたまじゃくし」作詞 上田紅葉さん 作曲 花岡修平さん 編曲 桜庭伸幸さんなぜか「2001年宇宙の旅」のオープニングのパロディからイントロが始まる・ちゃんちゃこの「空飛ぶ鯨」をどうしても思い出すタイトルです。軽快なコミカルな楽曲です。香田晋さんのCDは数枚持っていますが「手酌酒」と「ヤン衆丸」の2曲が特に好きです。特に「ヤン衆丸」は、星野哲郎さんと船村徹さんのコンビ作品なので名曲になって当然です。
2023年08月17日
1999年1月1日発売の島倉千代子さんのシングル。このシングルは「人生はショータイム」と同時発売でした。1999年幕開けに2枚のシングルが同時に発売された。 1曲目「柿の実ひとつ」作詞 石本美由起さん 作曲 市川昭介さん 編曲 南郷達也さん1995年12月発売の「火の酒」以来の久しぶりの演歌曲。同時発売の「人生はショータイム」は演歌ではなく民族音楽色もあるような楽曲。一つ前のシングル「花なら花らしく」は爽やかなフォーク色のある歌謡曲。「柿の実ひとつ」の作家陣を見るだけで、これは名曲に決まってるって感じです。島倉千代子さんはあまりド演歌は歌わないけど、この曲のような演歌を歌う島倉さんも情緒があって好きです。「火の酒」ほどのド演歌ではないのですが、メロディーもアレンジも良いし歌詞も島倉さんの上品な歌唱でより活きています。1950年代〜1960年代前半の島倉さんの楽曲によくあったシチュです。村で街に出て行った好きな人を一人待つ少女が大人になった印象です。2曲目「あじさい坂の雨」作詞 石本美由起さん 作曲 市川昭介さん 編曲 南郷達也さんこのカップリング曲も作家陣は同じです。これも名曲で、レコード会社もどちらをリードトラックにするのか悩んだのじゃないかと想像できる。1月発売なので「柿の実」の方が選ばれたのかも。寒空の下で枝に一つだけ残った熟しきった柿の実ひとつを見上げて、一人残された自分と重ねている。12月〜1月にぴったりな光景です。発売が5月〜6月だったなら、こっちの曲がリードトラックになってたと思う。2曲とも名曲です!
2023年08月12日
1994年9月1日発売の島倉千代子さんと目黒祐樹さんのデュエットシングル。1曲目「ちょっとだけ…」作詞 あかぎてるやさん 作曲 弦哲也さん 編曲 南郷達也さん60年の歌手生活でデュエット曲が意外と少ない。もっと多いように思ってたけど、数えてみたら10曲ほどしかなかった。目黒祐樹さんとのデュエットも意外な組み合わせ。細くて気品のある歌唱の島倉さんと、甘く丸みのある太い声の目黒さんのデュエットはバランスが良くてかなりいい感じです。あまり売れなかったように思うけど、カラオケでは歌われていたのだろうか。かなり交互に歌うのでデュエット好きな人には楽しめそうです。2曲目「下田しぐれ」作詞 あかぎてるやさん 作曲 弦哲也さん 編曲 南郷達也さん下田の唐人お吉物語を歌にした歌謡曲は数え切れないほどあります。お吉役と鶴さん役としてのデュエット曲は珍しい。昔は全て実話なのかと思ってたけど、前に調べてみたら実話ではないとの事でした。よく掲載されてる写真もまったくの別人だとか・・。物語としては哀しく不条理な人生です。この曲も歌とセリフで成り立っているのですが、後半の酒に溺れてしまったお吉が亡くなってしまった鶴さんと泥酔の中、妄想で会話している島倉さんの演技は素晴らしい。セリフも多くてカラオケ向きではないデュエットソングです。
2023年08月09日
島倉千代子さんの1996年11月21日発売のシングル。この曲はNHKドラマ 池内淳子さん主演「素敵に女ざかり」の主題歌でした。発売したばかりで歌い慣れてない上に緊張する紅白歌合戦でこの歌を歌う事になった。カンペも用意していたのですが、歌詞を間違えてしまったと言う可愛いエピソードもあります。 1曲目「ときめきをさがしに」作詞 島倉千代子さん・津城ひかるさん 作曲 三木たかしさん 編曲 若草恵さんこの曲を初めて聴いた時イントロの出だしのリズムの打ち込みが音質は違うけどQUEENの「These Are The Days Of Our Lives」が真っ先に浮かんだ。これは若草恵さんは意識してるんじゃないかと思った。軽快で明るい曲調で、島倉さんの可愛い声も、よりいきいきと聞こえます。作詞も本人が関わってるのもあるのかも知れない。2曲目「一人ぼっちにならないで」作詞 津城ひかるさん 作曲 三木たかしさん 編曲 若草恵さんこの曲は最初に聴いた時は、中島みゆきさんの世界を意識してるようにも聞こえた。アレンジもアジアテイストなドラマチックなメロディも歌詞の世界も…。人生の応援歌の第一人者の島倉千代子さんが歌うと説得力のある楽曲になっています。「作詞作曲、中島みゆき」と言っても信じる人はいるだろうなと思う。1995年にアルバム「10WINGS」が発売されその中に収録された「泣かないでアマテラス」からインスパイアされた物のように思った。「泣かないでアマテラス」自体は1992年の夜会の中で発表された曲ですが。
2023年07月31日
岡田奈々さんの4枚目のシングル。1976年3月10日発売。この年の10月3日神戸国際会館でのコンサートの招待券をもらって初めてライブを観た。大きい会場での昼、夜2回公演。自分が観た4時半公演はかなり空席があったけど熱心なファンが多く付いている印象でした。A面「青春の坂道」作詞(原案) 中司愛子さん 作詞 松本隆さん 作曲 森田公一さん 編曲 瀬尾一三さんこの曲は月間「明星」の歌詞募集で生まれた曲。岡田奈々さんの楽曲の中で一番、世に知られている曲だと思う。印象ではもっと大ヒットしてたように思ってたけど、オリコン最高位は23位でした。ロングランで売れ続けてたから、みんなが知ってる曲になったのだと思う。自分が観たコンサートでは本編のラストにこの曲が歌われた。この曲は何といっても森田公一さんが書き上げたメロディーの良さに尽きる。そして岡田奈々さんの嫌味のない素直で素朴な歌唱がこの曲を何倍も魅力のある曲にしている。フォーク歌謡なアレンジはこの頃の瀬尾一三さんが多くの名曲を作っています。バックでは絶えずアコギのスリーフィンガーをやや前に出してるのがイイ!かなり久しぶりに聴いたけど、やはり名曲です。B面「恋はかくれんぼ」作詞(原案) 村上伊津子さん 作詞 松本隆さん 作曲 森田公一さん 編曲 竜崎孝路さんイントロ、間奏のフレーズが天地真理さんの「恋の予感」に出てくるフレーズに似てると思ったら、両曲とも竜崎孝路さんの編曲でした。天地真理さんマニアはちょっとしたフレーズも頭に入り込んでて、すぐに編曲者や作曲者を調べてしまう。「恋の予感」はアルバム収録の楽曲であまり知られていない曲ですが、4曲入りのコンパクト盤の1曲に選ばれたりしてる名曲です。竜崎孝路さん編曲の天地真理さんの大ヒット曲は「ふたりの日曜日」「若葉のささやき」「空いっぱいの幸せ」「恋人たちの港」「恋と海とTシャツと」「想い出のセレナーデ」と渋めのアレンジの楽曲が多いことに気づく。「若葉のささやき」「恋人たちの港」「想い出のセレナーデ」の編曲は秀逸すぎる!岡田奈々さんはデビュー曲「ひとりごと」や、自分が観たコンサートでその時の新曲だったのでアンコールでもう一度歌った「手編みのプレゼント」も好きな曲。「♪まっ! すぐに まっ! すぐに 生きてきたのに〜・・・青春は〜分かれ道〜」 かなりインパクトのある歌い出しです。「まっすぐに まっすぐに 生きてきたのに」ですが。チケット申し込み書動員が厳しいコンサートは、割引クーポン券がよく送られてきてた。もっと大幅な割引きの物もあった。3000円→800円とかもあった。当時はまだライブに行くっていう習慣は10代20代前半にはあまりなくてアイドル系のコンサートが苦戦してた印象。テレビでは凄い人気でもコンサートは1階席の半分ぐらいしか入っていないとか何度か経験した。ただ天地真理さんの場合はアイドルと言うよりフォークシンガー的に応援してたファンが多いからか客席が極端にガラガラな事はなかったように思う。天地真理さんはギター、ピアノの弾き語りできっちりと曲を聴かせてくれてたから。これは1978年春の割引券
2023年07月28日
昨日に引き続き島倉千代子さんの10インチLPの事を。A面1曲目「恋しているんだもん」作詞 西沢爽さん 作曲・編曲 市川昭介 さん2曲目「明日もきっといいことが」作詞 西沢爽さん 作曲 船村徹さん3曲目「十国峠の白い花」作詞 石本美由起さん 作曲 宮田東峰さん 編曲 宮脇春夫さん4曲目「からゆきさん」作詞 宮崎秋平さん 作曲・編曲 古関裕而さんB面1曲目「サフランの旅愁」作詞 西沢爽さん 作曲・編曲 市川昭介 さん2曲目「星の夕焼け」作詞 石本美由起さん 作曲・編曲 船村徹さん3曲目「ふるい指輪」作詞 星野哲郎さん 作曲・編曲 古賀政男さん4曲目「峠の馬子唄」作詞 青木山路さん 作曲 宮田東峰さん 編曲 宮脇春夫さん1曲目「恋しているんだもん」は1961年11月発売の大ヒット曲。80万枚以上を売り上げた島倉千代子さんの代表曲のひとつ。23歳の島倉さんが可愛く歌い上げてる曲です。50歳過ぎてもライブなどでこの曲を歌うと、一気に可愛い島倉千代子さんになっていました。2曲目「明日もきっといいことが」は1962年7月1日発売のシングルこの曲も可愛い系の楽曲です。3曲目「十国峠の白い花」は1961年10月発売のシングル曲。青春歌謡です。4曲目「からゆきさん」は悲しく重い楽曲です。B面1曲目「サフランの旅愁」はシングル「恋しているんだもん」のB面曲。2曲目「星の夕焼け」はシングル「十国峠の白い花」のB面曲。美しい情景が浮かぶ歌詞と悲しげなメロディが印象的な大好きな曲です。3曲目「ふるい指輪」は1961年9月発売のシングル「はるかなる道」のB面曲。この10インチには「はるかなる道」は収録されずにB面曲のみ選曲された。かなり前にも書いたと思うけど、この曲を聴いてると南海の孤島で繰り広げられる怪獣映画の「南海の大決闘」の風景が浮かんで来たりする^^;4曲目「峠の馬子唄」はいつ発売とかのデータがなくて詳しいことがわからない曲です。島倉千代子さんの物はまだまだいろいろあるので、ゆっくり書いていきます。
2023年07月24日
1959年2月に発売された島倉千代子さんの10インチアルバム。ただのベスト盤ではなく特別編集で新たに島倉さん本人のナレーションを曲間に加えてドラマチックなアルバムになっています。A面1曲目「からたち日記」作詞 西沢爽さん 作曲 遠藤実さん 編曲 松尾健司さん2曲目「お別れ雪ン子」作詞 水木かおるさん 作曲・編曲・ギター 古賀政男さん 3曲目「さよなら地蔵さん」作詞 後藤孝吉さん 補作詞 西沢爽さん 作曲 米田信一さん 編曲 牧野昭一さん4曲目「花嫁人形」作詞 西沢爽さん 作曲 米田信一さん 編曲 牧野昭一さんB面1曲目「島のわかれ船」作詞 文珠しのぶさん 作曲 野原耕さん 編曲 山田絃さん2曲目「待ち呆けさん」作詞 星野哲郎さん 作曲・編曲 浜口庫之助さん3曲目「なに見て泣いたェ」作詞 西沢爽さん 作曲・編曲 古賀政男さん4曲目「あんこ郵便」作詞 石本美由起さん 作曲・編曲 上原げんとさん島倉千代子さんのWikipediaのシングル盤リストには掲載されていない曲が多く、この10インチに収録されてる曲でも4曲が掲載されていません。このレコードに入ってる曲は全てシングル発売されたもの。1曲目「からたち日記」たまにこの曲を聴くとギスギスしかけてる心が浄化されるような気持ちになれる。小鳥が囀るような喉をコロコロ回すようなビブラートは島倉さんしか出来ない。昔、若手の演歌歌手が島倉さんの歌まねとかしてたけど、似てると思った人は誰一人いなかった。品がある人じゃないと、こんな美しく素直な歌唱ができない。この曲は最後セリフで終わります。「いつか秋になり からたちには金色の実がたくさん実りました。 今日もまた私は一人 この道を歩くのです。 きっとあの人が帰ってきそうな そんな気がして…」これで曲は終わるのですが、この10インチにはその続きにあたるセリフが流れ出します。「一年二年、いつもいつも からたちの小道にあの人を待ってた私 だけどあの人は とうとう帰って来なかったの 千代子って可哀想な娘 いいえ、そう思ってはいけないのね 世の中には私よりもっともっと 切ない恋に泣いている人だっているもの そうよホラ、私の好きな「雪ン子」ちゃんだって その一人だわ」このセリフは新たに西沢爽さんがこのアルバムのために書き下ろした物のようです。このアルバムの構成は西沢爽さんが担当しています。2曲目「お別れ雪ン子」曲間のセリフの最後にこの曲へ繋がるセリフがありました。この曲は古賀メロディそのものの楽曲です。古賀政男さん本人が弾くギターのバッキングを中心に島倉さんが哀しげに歌います。 3曲目「さよなら地蔵さん」「お別れ雪ン子」の後にもこの曲へ繋がるセリフが入ります。「・・・・・(略)・・昨日までの千代子を忘れたいわ お地蔵さん、何もかもみんな忘れるには……千代子はどうしたらいいの?」そしてこの曲が始まります。この曲は遠くへ嫁に行くことを小さい頃からいつも話しかけてたお地蔵さんに報告する悲しい曲です。本人の望んだ結婚じゃなく、育った村を出るのを悲しんでいる曲。4曲目「花嫁人形」も悲しい曲です。この曲が始まる前のセリフは辛すぎます。「親なしっ子なんか遊ばないよ」って子供の頃、みんなにいじめられる度に 『お母さん、なぜ死んじゃったの?』そう言っては土蔵の影で泣いたっけ… お母さん、千代子はもうそんな事いいません。 好きだったあの人の事もあきらめて 遠くへお嫁に行きます これが…これが 千代子の運命ですもの」この「花嫁人形」はかなり悲しい曲です。自分しか御参りする人のいないお母さんのお墓を残し、遠くへ嫁に行かされる事を嘆いている。B面1曲目「島のわかれ船」B面ではまた違う物語に変わります。佐渡に住む娘が東京から旅行に来た学生と恋に落ちてしまい、帰りの船を見送る辛さを歌ってる。2曲目「待ち呆けさん」この曲は「からたち日記」のB面曲。3曲目「なに見て泣いたェ」この曲は「お別れ雪ン子」のB面曲。この曲の歌詞は謎の「ヨン」って言葉が入ります。「♪ 河原よもぎの咲いてる道で ヨン」「♪隣村から花嫁御寮 ヨン」「♪誰のとこへもお嫁にゃ行かぬ ヨン」何なんだろう?「ヨン」島倉千代子さんの10インチレコードは16枚集めた。かなり中古レコード屋などで見つけるの苦労した。正確なデータがないので10インチを何枚リリースしてるのかもわからない。もう、探しても自分が持ってる物ばかりなので、10インチはコンプリートしたのかもと思ってる。
2023年07月23日
都はるみさんの11枚目のシングル。1965年10月5日発売。コロムビア・レコード55周年の年にリリースした曲です。都はるみさんのシングルは10枚ほどしか持ってないのですが、名曲は数え切れないほど出しています。コロムビア・レコード創立55周年のプレゼント企画。特賞が額入りのこのレコードの原盤? これは凄い貴重。当たった人は大切に持っているのだろうか。A面「涙の連絡船」作詞 関沢新一さん 作曲・編曲 市川昭介さん初期の名曲の中ではこの曲が一番好きです。「アンコ椿は恋の花」「アラ見てたのね」「好きになった人」「惚れちゃったんだヨ」などが初期の楽曲の中では有名。この「涙の連絡船」はメロディーが素晴らしいと思う。間奏のアレンジとかも凄く気に入っています。この曲は「うなり節」は封印しています。B面「いじわる3番線」作詞 関沢新一さん 作曲・編曲 市川昭介さん少しコミカルな楽曲。歌が入る寸前のお化けが出てくる時の音は何を表してるのかわからないけど、懐かしいサウンドです。この曲では「うなり節」はしっかり使っています。「♪いじ〜わ〜る いじ〜わぁるぅ」の部分を唸ります。
2023年07月22日
1400万アクセス超えてた。めでたさも込めて三波春夫さんのソノシート(フォノ・グラフ)の事を。三波春夫さんの1965年春発売のフォノグラフです。好きなアーティストのソノシート、フォノグラフ、コロシートなどを高校生の頃から集め出した。1970年代後半頃までは、テレビ漫画などのソノシート(朝日ソノラマが多かった)が唯一新規で発売されるものだった。1960年代の物は中古レコード屋や古本屋でソノシート系をよく探して回った。洋楽の輸入盤7インチを探すのがメインだったけど、演歌系、浪曲系の貴重なものはいつも探してた。三波春夫さんはテイチクレコードなので「フォノグラフ」と名付けられてた。(コロムビアは「コロシート」など各レコード会社でディスクの呼び名が違ってました)ソノシート系はレコード店ではなく書店で販売してました。本扱いになっていました。三波春夫さんは1960年代にはすでに大御所扱いで、かなり豪華な造りになっているものが多かった。三波春夫集1,2,4,5,6と5種類集めた。3はかなり劣化してて盤質も悪いものは見つけたけど、状態悪いのに高値だったので買わなかった。たまにオークションなどでも出てるので探そうとは思ってるけど、ネットを見る時間があまりなくて忘れてしまってる。そういえば、三波春夫さんの事ってあまり書いて来なかったような気がする。Disc 11曲目「俵星玄蕃」Disc 21曲目「水戸黄門旅日記」2曲目「水戸の黄門さま」Disc 31曲目「大利根無情」2曲目「文左たから船」Disc 41曲目「花と柔道」2曲目「魚河岸の石松」Disc 1のみ長尺曲なので1曲のみ。「俵星玄蕃」は浪曲入り歌謡曲として超有名な名曲です。「たわらぼしげんば」と読みます。実在の人物ではなく忠臣蔵の美談のひとつとして語られた物語。この曲で歌謡舞踊を舞う人も多かった印象です。多くのライブでの名演がYouTubeにアップされてるので必見!歌謡曲→浪曲→台詞→浪曲→歌謡曲の構成。素晴らしすぎて聞き入ってしまう。台詞部分の迫力も凄い!Disc 21曲目「水戸黄門旅日記」2曲目「水戸の黄門さま」Disc 2は1964年11月2日〜1965年12月27日までTBS系で放映された「水戸黄門」の主題歌と挿入歌。月形龍之介さんが水戸黄門役。月形さんはすでに映画でも水戸黄門のイメージを出来上がらせていた水戸黄門のイメージを強く持たれてた方のようです。「水戸黄門旅日記」は ブラザー劇場・水戸黄門の主題歌。挿入歌はコミカルな楽曲です。「助さん、角さん、着いてきな〜」とコミカルに歌われます。Disc 3「大利根無情」は昭和に生きてた人で知らない人はいないんじゃないかと思う超名曲!「止めてくださるな 妙心殿! 落ちぶれ果てても平手は武士じゃ 男の散り際だけは 知っております! 行かねばならぬ! そこをどいて下され!行かねばならぬのだぁあああ〜〜」このセリフは子供の時でも普通に言える人が多かった。あまりにもインパクトがあり有名なセリフ。「文左たから船」は紀伊国屋文左衛門を歌謡曲にした楽曲です。長編歌謡浪曲でもタイトルを「紀伊国屋文左衛門」として詳しく人生を歌い上げています。Disc 41曲目「花と柔道」は大映映画「外人墓地の決斗」の主題歌。柔道名勝負物語のシリーズのひとつのようです。2曲目「魚河岸の石松」はコミカルな歌謡曲。日本テレビドラマ「魚河岸の石松」の主題歌です。三波春夫さんの長編浪曲歌謡を聴き始めたのは、祖母に教えてもらった「神戸を拓く清盛」を知ってから。神戸の港を開拓する平清盛を歌った楽曲です。この三波春夫さんの長編浪曲で歴史の勉強もできた。完璧すぎる歌唱力は何歳になって聴いても鳥肌が止まらない。三波春夫さんのファンクラブの入会方法が掲載されています。入会金100円 1ヶ月100円(半年分をまとめて納めると550円)会員特典の一つに「三波春夫さんに関してはすべて会員は優先的です」これが一番大切!有料会員が何よりも優先されるのが当然!テイチクもポータブルレコードプレイヤーを売ってたのか・・・6300円なのか・・・ファンクラブの年会費が1200円(1100円)。現在のファンクラブの年会費の平均が5000円なので、今なら約30000円って感じかな。そう思うとそんなに高くはないかな。
2023年07月16日
2013年11月13日発売の由紀さおりさんの企画盤。ベスト盤と言う感じではないアルバムです。ヒット曲を集めてるわけではなくバラード曲を集めた構成になっています。(バラッドは英語、バラードはフランス語。でもバラードと呼ぶ方が日本では浸透しています)1曲目「わたしのうた」2曲目「愛だとか」3曲目「季節の足音」4曲目「生きがい」5曲目「ストレート」6曲目「真綿のように」7曲目「つかの間の雨」8曲目「恋祭」9曲目「スイートワルツの流れる川に」10曲目「春の嵐」11曲目「金糸雀」12曲目「枯葉の街」13曲目「愛を切り札にして」14曲目「心の家路」15曲目「わすれたいのに」ボーナストラック「僕らの太陽は沈まない」この中で一番好きな曲はダントツで4曲目「生きがい」です。今年5月に観に行った55周年記念コンサートでもアンコールのラストに歌われたのが「生きがい」です。不思議な空気感の楽曲で子供の頃から異様に深いリバーブと気怠い朝のような雰囲気とポツリポツリと話すセリフとか何だか分からないけど惹かれてた曲。2番目に好きな曲は13曲目「愛を切り札にして」です。この曲は楽曲自体のレベルが高いと言うか、完璧に思えてしまう楽曲。阿久悠さんの歌詞と三木たかしさんの曲と編曲、もうこれだけで名曲決定!なのですが、想像をはるかに超える名曲になっています。阿久悠さんの歌詞はいろいろと考えさせられたり、見た事もないような風景を見せてくれる。そして三木たかしさんのメロディーと編曲は本当に天才的に凄い!次に好きな曲は10曲目「春の嵐」この曲、もっとヒットしてる曲だと思ってた。この曲も小学生の頃から頭にずっと残ってるメロディと歌詞。多分、テレビで数回聴いただけなんだろうけど、子供の頃って頭の中に入ったらすぐに憶えてしまうから不思議です。由紀さおりさんのシングル盤で初めて買ってもらったのが「ヴァリーエ」ってシングル盤です。ヒットしたわけではないけど、ウィッグか何かのCMで流れててそれを気に入って買ったのだと思う。小学生になってたか、幼稚園の年長組だったか…。親にも何でそれが欲しいのか不思議がられてたと思う。あと同時期に和田アキ子さんの「貴方をひとりじめ」ってシングルも何故か欲しくて買ってもらったように思う。12曲目「枯葉の街」が選ばれてるのが凄い。3枚目のシングルであまりヒットしなかったのですが、凄い良い曲です。ミレーユ・ダルク主演の「枯葉の街」にインスパイアされて作られた曲です。フランス映画好きだったのでミレーユ・ダルクの映画もいろいろと観た。フランス人女優の中でもかなり好きな方だった。この曲は本当に寂しく物悲しく美しい曲です。5曲目「ストレート」はこの中で一番異色な曲。この曲の事はかなり前に書いたけど、やはり引き込まれる魅力のある曲です。シンガーソングライター「佐々木好さん」の作詞作曲です。デビューしたばかりの「佐々木好さん」を起用したのはかなり先見の明があったのではないかな。後にこの曲を本人もセルフカバーして歌っています。佐々木好さんの事もかなり前に書いてたような気がする。ボーナストラック「僕らの太陽は沈まない」も凄くイイ!ピンク・マルティーニとの再びの共演作品。この曲も不思議な世界の曲です。7曲目「つかの間の雨」も好きな曲。伊勢正三さんの作詞作曲、そして瀬尾一三さんの編曲。由紀さおりさんが歌うと普通のフォークソングに聞こえなくて、何か特別なジャンルの楽曲のように感じる。2曲目「愛だとか」は少し前に書いたアルバム「スマイル」のラストに収録されてる曲。この曲もシングルカットされている名曲です。
2023年07月08日
ディック・ミネさんの大ヒット曲をカップリングして発売されたシングル盤。ベストカップリングシリーズはテイチクの所属シンガーがいろんなカップリングで発売してリバイバルヒットを多くさせました。A面「人生の並木道」作詞 佐藤惣之助さん 作曲・編曲 古賀政男さんこの曲は1937年発売。1937年といえば、日本が日に日に重く暗い時代へ突入していく発端になるような事変が起きた頃です。この曲は幼い頃から祖母がよく聴いてるのを耳にしていた。歌詞の意味もよくわからないけど、物悲しく心細い気持ちになる事だけは感じていた。今、聴くとディック・ミネさんの琴線に触れるような美しく震える歌唱で胸が熱くなる。高音の美しいファルセットも凄く好きです。自分が年々、年を重ねて度にこの曲が好きになってきた。森進一さんが高音を震わせながら歌うカヴァーも凄く好きなヴァージョンです。2曲目「旅姿三人男」作詞 宮本旅人さん 作曲 鈴木哲夫さん様々なシンガーのカヴァーで耳にする事の方が多くなった。でも、やはりディックさんのオリジナルが一番。股旅物の歌謡曲の元祖とも言える名曲です。この2曲はどこかで必ず耳にしている曲だと思う。
2023年06月17日
2013年3月27日発売の由紀さおりさんのアルバム。JAZZのスタンダードなど、歌謡曲とは一味違う由紀さおりさんを楽しめるアルバムです。1曲目「You'd Be So Nice To Come Home To」2曲目「Les Champs-Elysees」(邦題「オ・シャンゼリゼ」)3曲目「Weekend (The Third Man Theme)」(邦題「第三の男のテーマ」)4曲目「Those Were The Days」(邦題「悲しき天使」)5曲目「Smile」6曲目「Moonlight Serenade」7曲目「September In The Rain」8曲目「Ani Holem Al Naomi」(邦題「ナオミの夢」)9曲目「手紙」10曲目「You Are My Sunshine」11曲目「愛だとか」1曲目「You'd Be So Nice To Come Home To」この名曲をラテンジャズにアレンジして軽快に歌う由紀さおりさんの歌唱が最高です。訳詞された歌詞で歌っています。この曲は大好きな曲なので由紀さおりさんが歌った事がうれしかったし、思った通り素晴らしかった。歌謡曲の歌手でこの曲をカッコよく歌いこなすのは、まず八代亜紀さんが浮かぶ。八代さんは北村英治さん(Clarinet)世良譲さん(Piano)ジョージ川口さん(Drums)水橋孝さん(Bass)と行った最高のジャズメンをバックにライブしたヴァージョンをライブ盤として発売しています。これは歌唱も演奏もめちゃカッコいい!そして八代さんはニューヨークの老舗ジャズクラブ「バードランド」でもライブを開催!この時にも歌った「You'd Be So Nice To Come Home To」では、何と!!ヘレン・メリルと二人で歌っています!この曲と言えば、ヘレン・メリルと言われてるオリジナルシンガー。このニューヨークのライブもライブ盤で発売されています!これも最高です!2曲目「Les Champs-Elysees」(邦題「オ・シャンゼリゼ」)この訳詞は日本人が一番良く知ってる歌詞なので、久しぶりに聴いてホッとする。日本人のほとんどが知ってるんじゃないかと思う曲。3曲目「Weekend (The Third Man Theme)」(邦題「第三の男のテーマ」)MGMのミュージカルの中でも歌ってるような、オシャレな歌詞が乗っています。芝居心も当然ある由紀さおりさんのセリフもふんだんに入ってて楽しい構成の曲。ブラスアレンジもカッコ良くて気に入っています。4曲目「Those Were The Days」(邦題「悲しき天使」)この曲は1968年に日本でも大ヒットしたソビエトで作られた曲。ポール・マッカートニーがプロデュースしてメリー・ホプキンが歌って大ヒットしました。この曲のこの訳詞で歌ったシンガーは数多いけど、やはり天地真理さんのヴァージョンが飛び抜けて素晴らしい!天地真理さんはライブでもよく歌っていました。1stのアルバムヴァージョンよりもライブの歌唱の方が数段素晴らしかった。天地さんの次に森山良子さんのヴァージョンが気に入っていました。由紀さおりさんのヴァージョンはキーを低めにしてレコーディングされてるのが、さらに大人の歌に感じられて聴き入ってしまう。由紀さんのヴァージョンも天地さんのヴァージョンに負けないほどに気に入っています。5曲目「Smile」このアレンジ、凄く気持ち良い。由紀さおりさんのキャラクターにもバッチリ合う曲。いろんな人が歌ったこの曲の事を書いたけど、このヴァージョンはベスト3に入るほど気に入ってます。6曲目「Moonlight Serenade」乗せてる日本語歌詞が由紀さおりさんに合ってるし、アレンジも品があって気持ち良い。7曲目「September In The Rain」オシャレな構成とカッコいいアレンジ。この曲も好きな曲なので由紀さおりさんの歌唱で聴けてうれしい。セリフも最高です!8曲目「Ani Holem Al Naomi」(邦題「ナオミの夢」)ティモシー・ニシモトさんとデュエット。ヘドバとダビデの大ヒット曲のガヴァー。たしかヘドバとダビデの「ナオミの夢」のシングルの事は前に書いたように思う。9曲目「手紙」オリジナルにかなり近いアレンジでのセルフカヴァー。この少し落ち着いたヴァージョンもなかなか良い。この前にコンサートで生で聴いた時も感動した。10曲目「You Are My Sunshine」最初に曲目を見た時に「なんでこの曲?」と思ってうれしく思わなかったけど、日本語歌詞で聴くと全く違って聞こえて感動した。オリジナルが嫌いなわけじゃなく、今更、オリジナル英詞で由紀さおりさんが歌ったら1曲分勿体無いように思えた。でも、この日本語歌詞で聴けて凄く良かった。11曲目「愛だとか」この曲はオリジナル曲。シングルカットされた曲。このシングルの事は前に書いたけど上質で品のある楽曲で由紀さおりさんバッチリ合ってる曲。
2023年06月11日
2000年6月21日発売のアグネス・チャンのシングル。ニューアダルト・ミュージック全盛期を過ぎある程度、定着してきた頃に発売されたシングル。 1曲目「この身がちぎれるほどに(Lovin'you Is Killin'me)」作詞 荒木とよひささん 作曲 三木たかしさん 編曲 若草恵さんニュー・アダルト・ミュージックの名曲を多く生み出してきた作家陣3人が作り上げた作品。メロディもアレンジもニュー・アダルト・ミュージックの王道です。この曲、売り方次第ではもっとヒットしたと思う。カラオケに最適だし、「Lovin'you Is Killin'me」って英語の歌詞がサラッと入ってるのもいい感じ。アグネスの歌唱も凄く良くて細かいビブラートが効果的です。2曲目「悲しみの誕生」作詞 荒木とよひささん 作曲 中村泰士さん 編曲 かせだあきひろさんより昭和歌謡曲寄りの3拍子の物悲しい曲。中村泰士さんの作ったメロディが特に気に入っています。中村泰士さんと言えば子供の頃に観てた「スター誕生」って言う番組の審査員をしてました。何人かいる審査員の中でも特に厳しい印象です。編曲のかせださんは、中村泰士さんの曲の専属アレンジのような存在。NHKみんなのうたで有名な「生命の話をしよう」でも、中村さんの曲にかせださんの編曲。アジア、ヨーロッパ、アフリカなどいろんな国の楽曲を混ぜ込んだようなアレンジが印象的な曲。歌っているのはジュディ・オングさんでした。中村泰士さん本人の歌唱ヴァージョンもあって、かなり癖の強い歌唱ですが、これがまたこの楽曲に凄く合ってて気に入って聴いてます。中村泰士さんは2020年12月にご逝去されました。アグネスと中村泰士さんって組んでたイメージはまったくなくて、中村泰士さんと言えばやはり桜田淳子さんの初期の名曲を多く作曲した事が一番に頭に浮かぶ。ちあきなおみさんの「喝采」を作った事も印象に強く残ってる。
2023年06月10日
2019年3月20日発売の由紀さおりさんのオリジナルアルバム。亀田誠治さんのプロデュースらしいカッコいいアルバムです。亀田誠治さんは椎名林檎さんが在籍したバンド「東京事変」を椎名さんと一緒に結成したメンバー。バンドではベーシストとして活動。このアルバムは由紀さおりさんの品のある上質なボーカルを十二分に堪能できる物になっています。1曲目「あなたにとって」 作詞・作曲 アンジェラ・アキさん 編曲 亀田誠治さん2曲目「覚えていてね」 作詞 いしわたり淳治さん 作曲 川口大輔さん 編曲 亀田誠治さん3曲目「ひだまり」 作詞・作曲 水野良樹さん 編曲 亀田誠治さん4曲目「隠恋慕」 作詞 松井五郎さん 作曲・編曲 亀田誠治さん5曲目「de l'aube à l'aube ~夜明けから夜明けまで~」 作詞・作曲 水積崇さん 編曲 亀田誠治さん6曲目「岸辺の恋人」 作詞 森雪之丞さん 作曲 亀井登志夫さん 編曲 亀田誠治さん7曲目「椿」 作詞 吉澤嘉代子さん 作曲 伊澤一葉さん 編曲 亀田誠治さん8曲目「愛は花、君はその種子」作詞・作曲 Amanda McBroom 編曲 亀田誠治さん1曲目の「あなたにとって」はシングルカットされた曲。この前のコンサートでも本編ラストに歌われた。優しく温かい楽曲で心が浄化される。ラスト曲の8曲目「愛は花、君はその種子」はベッド・ミドラーの「The Rose」のカヴァーです。この曲、イヤと言うほど多くの女性シンガーがカヴァーしててうんざり気味だったのですが、ベッド・ミドラーと由紀さおりさん…共通点の少ない超歌うま同士。でも、由紀さおりさんが「The Rose」を歌うと素直に感動できる。中途半端に歌をうまく歌える人がよくカヴァーするような印象が強いのですが、由紀さおりさんの歌唱はめちゃくちゃ良い!他にこの曲のカヴァーで感動したのは一路真輝さんだけ。7曲目「椿」この曲の悲しく美しいメロディーが由紀さおりさんの最高のボーカルで心を侵食してくる感覚。この曲は名曲です!歌いこなせるシンガーもあまりいないように思う。5曲目「de l'aube à l'aube ~夜明けから夜明けまで~」は倉田信雄さんの弾くアコースティックピアノ1本のみで由紀さおりさんが歌い上げる。この曲と「椿」が一番好きで何度も聴いてしまう曲。2曲目「覚えていてね」は軽快で派手すぎないサンバのリズムの大人なラテン曲。3曲目「ひだまり」は由紀さおりさんの繊細なボーカルを楽しめる曲。4曲目「隠恋慕」は懐かしい感じもする、中島みゆきさんが書きそうなメロディも印象的。6曲目「岸辺の恋人」は昭和の歌謡曲のような懐かしい感じ
2023年05月31日
江利チエミさんの1969年12月発売の60枚目のEP盤。厳密にはEP盤の前にSP盤で48枚発売しています。デビューは1952年1月「テネシー・ワルツ/カモナマイハウス」です。これはもちろんSP盤。A面「涙と幸せ」作詞・作曲 浜口庫之助さん 編曲 筒井広志さんこの曲は江利チエミさんのオリジナルの中ではかなり好きな曲です。浜口庫之助さんらしい、優しくおしゃれな楽曲です。江利チエミさんも引き気味に発声してて、その声が軽いラテンのリズムに心地よく乗っています。このサビは幼稚園の頃に聴いて頭にずっと残ってた。幼稚園の頃に耳に入れた音楽って不思議なほどにずっと頭に残ってる。何度か聴いた曲なら歌詞まで頭の中に残っている時も多い。B面「あなたの噂」作詞 土井丈児さん 作曲・編曲 葵まさひこさん1969年!!って感じの歌謡曲です。ドラムとホーンセクションの入れ方が特にカッコいい!メロディーもドラマチックで感情込めまくりで歌う江利チエミさんの歌唱が最高です。このシングル曲はCD化されてなさそうです。CDのBOXが出てるのなら収録されているのかもしれないけど。
2023年05月28日
二見颯一さんの5周年記念シングル「一里塚」が先月発売されました。開封せずに少し溜まってたAmazonの袋を開けたら、このシングル注文したまま忘れてた。クラウンのHPで聴いてたから書いたものだと思ってた。1曲目「一里塚」作詩 かず翼さん 作曲 水森英夫さん 編曲:竹内弘一さん「0時の終列車」「君恋列車」と青春歌謡系の楽曲が続いてたので、「夢情の酒」ぶりのド演歌系のナンバーです。デビュー5周年とあってオケもいつも以上に豪華です。二見颯一さん、売れてきてるのかどうなのか、よく知らなくて、売れてようと売れてなくても歌の上手さで聴いてるからいいのですが…。テレビもまったく観ないし、演歌の情報誌なども観ることもないから。これだけシングルやミニアルバムを連発出来ると言うことは売れてるのでしょうね。最近、youtuneで生ライブとかあまりしてないようで、情報もよくわからない^^;アカペラでの民謡を聴けるのが良かったのに。5年目の歌手生活の途上を歌っている清々しい曲です。2曲目「青空みたいな男です」作詩 保岡直樹さん 作曲 水森英夫さん 編曲:竹内弘一さん軽いロックンロールのリズムの青春歌謡ナンバー。この曲をメイン曲にしてても良かったとも思うけど、やはりここら辺でド演歌系の曲を出さないと演歌好きが離れるかも知れないし。自分はどんなジャンルの楽曲も聴くけど、演歌歌手だとCDを買うのは限られてる。亡くなった方以外で新譜が出ると必ず買うのは、森進一さん、畠山みどりさん、水前寺清子さん、八代亜紀さん、こまどり姉妹、と二見颯一さんぐらい。今は演歌系だとこの6組だけ。亡くなった方で企画盤などが出たらよく買うのが、島倉千代子さん、三橋美智也さん、三波春夫さん、フラワー・ショウぐらい。お金出してCDを買おうと思えるアーティストは演歌系は他のジャンルより少ないかも。昔、レコードで買ってた人はもっと多くいるけど。二見颯一さんはデビュー年から知ってるので年々、歌手として成長していく姿が観られるのがいい。
2023年05月25日
全643件 (643件中 1-50件目)