おしゃれ手紙

2002.11.24
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カテゴリ: チープシック
ふわふわさんの日記でを読んで、森茉莉のことを書いた「贅沢貧乏のマリア」という本を、思い出しました。

          *****************

・・・全集の中に彼女が51歳のときに書いた、一日のメニューと、73歳のときに書いた、夕食の話が載っている。

73歳の時の夕食は、材料がないところからはじまっている。

バターも卵もなく、肉類もない。

ご飯を炊いたとしてもおかずがないのだ。

そこで彼女は紐育(ニューヨーク)製の即席珈琲(コーヒー)でアイスコーヒーをつくり、パンを焼き、そして白桃の缶詰を開ける。

普段のちょっと手をかけた夕食とは違うが、彼女は、

「アメリカの独身の男の、メイドが俄(にわか)に休暇を取った日の、

カリフォルニアの桃のジャムと珈琲とパンである」



と書いている。
人がなんと言おうと、自分がそうだと思えばそうなんだ、という精神が食べる物にも通じていたのだ。
これが料理といえるかどうかわからないけれど、彼女にとって

「自分が食べたい立派な料理」なのである。・・・・

   *「贅沢貧乏のマリア」* 群 ようこ  <角川書店>

        ***************

**「贅沢貧乏のマリア」**

贅沢とは、贅沢な精神をもつことである。

父、森鴎外に溺愛されたご令嬢が安アパート住まいの贅沢貧乏暮らしへ。
永遠に夢みる作家、森茉莉の想像を絶する超耽美的な生き方を、憧れとため息とともにたどった趣深く斬新な全く新しい人物評伝。





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Last updated  2002.12.05 19:05:03
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