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Paganus

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2010.07.27
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カテゴリ: 日々雑感
 ここ連日の暑さで救急搬送される人が多数に上っております。
特に体温調節機能が弱い乳幼児や高齢者の方は要注意です。

 病態の相違により以下の4つに分類されており、それぞれの
症状により対処が異なります。
・熱失神
・熱痙攣
・熱疲労
・熱射病(日射病とも呼ばれますが、必ずしも直射日光を浴び
なくても条件によって発症します。)

「熱失神」は直射日光の下での長時間行動や高温多湿の室内で
おきるものであり、発汗による脱水と末端血管の拡張によって、
体全体の血液の循環量が減少した時に発生します。
 症状としては突然意識を消失するもので、体温は正常である
ことが多く、発汗が見られ、脈拍は徐脈(不整脈の一種であり、
拍動が遅く、弱い状態)を呈します。
 発見時には直ちに救急搬送を要請し、医師による診療を受け
る必要がありますが、発見者による緊急処置として、衣服を緩
め、頭部を心臓よりも低くし、冷却療法(頚動脈部、わきの下、
股間など動脈が体表面に近い部分を冷水などに浸したタオルを
使って冷却する。)を行います。冷却する際に注意すべきこと
として冷水を一気にかけるなどをするとショックを起こすこと
があるので注意しなければなりません。

「熱痙攣」は大量の発汗後に水分だけを補給し、塩分やミネラ
ルなどが不足することでおきます。
 症状としては突然不随意性有痛性痙攣(こむら返りなど)と
硬直が見られ、体温は正常であることが多く、発汗もあります。
塩分など摂取することで治まることが多いので、食塩水を飲ま
せるなどをします。味噌汁などを与えるのが一般家庭では有効
です。重篤な痙攣や硬直などで処置が出来ない場合には緊急搬
送が必要になることがありますが、通常はそこまでになること
は少ないです。熱痙攣など電解質欠乏症状を予防するためには
発汗する際に失われる電解質(ナトリウムやカリウム、カルシ
ウムなど)を水分摂取の際に積極的に摂取することが必要です。
そのため、スポーツドリンクなどを利用するのが良いですが、
スポーツドリンクには糖類が多いので、水1リットルに食塩を
1つかみ入れたものを常飲すると良いでしょう。

「熱疲労」は多量の発汗によって水分や塩分の補給が追いつか
ず、脱水症状になることです。
 症状は様々ですが、体温(直腸温)は39℃程度まで上昇し
ますが、皮膚温(体表面温度)は低く、発汗が見られます。
熱失神と同じように発見時には直ちに救急搬送を要請し、医師
による診療を受ける必要がありますが、発見者による緊急処置
として、衣服を緩め、頭部を心臓よりも低くし、冷却療法(頚
動脈部、わきの下、股間など動脈が体表面に近い部分を冷水な
どに浸したタオルを使って冷却する。)を行います。冷却する
際に注意すべきこととして、冷水を一気にかけるなどをすると
ショックを起こすことがあるので注意しなければなりません。

「熱射病」は脳の温熱中枢(体温調節機能をつかさどる部位)
を障害されることでおき、体温調節機能を喪失することでおき
ます。
 症状としては高度の意識障害を生じ、体温も40度以上まで
上昇し、発汗は見られず、体表面は乾燥しています。
発見時には直ちに救急搬送を要請し、緊急入院を要請しなけれ
ばなりません。発見者による緊急処置として、衣服を緩め、頭
部を心臓よりも低くし、冷却療法(頚動脈部、わきの下、股間
など動脈が体表面に近い部分を冷水などに浸したタオルを使っ
て冷却する。)を行います。冷却する際に注意すべきこととし
て冷水を一気にかけるなどをするとショックを起こすことがあ
るので注意しなければなりません。

熱中症になりやすい環境や素因について
「環境」
・前日より急に温度が上がった日。
・温度が低くても湿度が高い場合。
・室内作業をしている人が急に外に出て作業した場合。
・作業日程の初日から数日間は体が慣れていないために発症し
やすい。
・統計的に罹患しやすい時間帯は午前中は10時ごろ、午後は
13時から14時ごろが多いが、深夜帯に発症することもある。
「素因」
・5歳以下の幼児。
・65歳以上の高齢者。
・肥満者
・その他の症状(下痢など)で脱水傾向にあるもの。
・発熱のあるもの。
・睡眠不足のもの。

熱中症の予防について
・運動や就労前に内臓(胃など)の負担にならない程度に出来
るだけ多くの水分を摂取する。
・発汗により失った水分と塩分をこまめに補給する。スポーツ
飲料なども可。
・塩分補給は味噌汁やスープなどの塩気を感じられるものが最
適。水分のみを補給することは電解質欠乏症などを引き起こす
ばかりでなく、場合によっては「水中毒」状態に陥るので注意
しなければならない。また、水分補給をしていても倦怠感等を
感じる場合には重篤な状態であるため、早めに対処しなければ
ならない。
・睡眠を充分にとる。
・休憩を十分にとりながら作業する。(体温を充分に下げる。)
・体感温度を下げる方法として、日射を防ぐ、通風を確保する。
扇風機を利用したり、スポット冷却をするなどがあります。
・発見が遅れるので作業は一人で行わない。

 最近は自宅で発症し、そのまま死亡するという事故が起きて
います。その多くは窓などを締め切り、冷房を掛けずにいるな
どが共通して見られます。最近の家屋は密閉度が高く、熱気が
こもる傾向にありますので、出来るだけ冷房を作動させるなど
して就寝する必要性があります。ただ、夜間に冷房を長時間に
わたって作動させるのは身体に良く無いとお考えの方は就寝後
1時間ほどで停止するようにタイマーセットし、扇風機などで
室内の空気を循環させると良いでしょう。





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Last updated  2010.07.27 14:15:57
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