読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2008.05.25
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カテゴリ: 小説


一冊のミステリーで、前半と後半でこんなに読み心地が違う本って珍しいな。というのが第一番の感想です。

前半は、フランス料理のフルコース、若く才能ある料理人、人間離れした味覚を持つ老人、天才シェフ等々・・・おいしい話題の連続で、美味に関する薀蓄話がこれでもかと出てくる、実に楽しい本でした。
中盤からは殺人事件が起こり、ミステリーらしくなってきたと思った頃から、筋が平板になりつまらなくなります。犯人探しの主役が誰なのかもはっきりしないし刑事たちも魅力があるとは言い難い。ドキドキともハラハラともしません。
終盤はうすうす想像したとおりの展開となり、ぞっとする話ではあるけれど、意外性はありません。

多分、この作品が「このミステリーがすごい!」の大賞となったのは、グルメ描写の素晴らしさが評価されたんだと思いますけど、「ミステリーがすごい」と銘打つ以上、こんなのでいいの?という疑問を持ってしまいました。

拓未司さんは辻調理師学校を出た料理のプロなのだそうです。その知識と文章力を生かして、ぜひミステリー以外にも挑戦して欲しいと、強く思いました。





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Last updated  2008.05.26 20:23:56
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