読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2008.08.27
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カテゴリ: 雑感
文藝春秋の「はじめての文学」というシリーズをご存知でしょうか。
これは、作家が自分の作品の中から、若い読者(多分十代の若者)に読ませたい本を選んで紹介するという、一種のアンソロジーです。
作家は、村上春樹・村上龍・よしもとばなな・宮本輝・宮部みゆき・浅田次郎・川上弘美・小川洋子・重松清・桐野夏生・山田詠美・林真理子という、いずれ劣らぬ超人気作家の勢ぞろいです。



装丁もシンプルで、若々しくていい感じでしょ?
この人気作家たちが、膨大な作品の中から、若い人に読んでもらいたい本を選ぶ。それだけでも興味津々。そのうえ、その作品に関する解説やなぜそれを選んだかなどの、作家本人のあとがきもあるんです。


では、ここからがクイズです。
それぞれの作家さんが「文学について」あとがきの中に分かりやすく書いていらっしゃいます。ちょっと長くなるんですけど、五つ抜き出して書き写してみますね。
それぞれ、どの作家さんのものか、わかるかな?



「小説が持つ力は限定的だ。小説は戦争を止めることもできないし、飢えた子どもを救うこともできない。だがある種の小説は、人の自殺を止める力を持っている。果てしない「精神の自由」は、世界と自分との関係性のバリエーションの無限の可能性を示すからだ。わたしはずっとそういった小説を書きたいと思っていたし、今もそう思っている。」



「読まれたその瞬間に、小説は読んだ人のものになる。書いた人がどんなに声をからして「そこはそう読むんじゃないんですよ」と叫んでも何の役にもたたない。読む人は、とにかく、どんなふうに読んでもいいのです。徹頭徹尾自分勝手に読んでいい。(中略)小説を読むということはそういうことなのです。ためになるとか、視野が広がるとか、そういうことも多少はありましょうけれど、それよりもっと大きいのは、なんというか、この「隠微な悦楽」の味なのです。」



「もし若い読者が私のわかりやすい小説を読んで、文字だけで作り出された世界の面白さに目覚めたなら、思い切り背伸びをしてさまざまの書物を読み始めてほしい。小説の入り江の先には文学の海があり、その向こうには芸術の大洋が拓けている。生涯をかけてもけっして渡りつくすことのできぬ、豊饒の海である。」



「毒のない小説なんて、読んだって仕方ないじゃないと私は思ってしまうのです。皆さんわかっていらっしゃるでしょうけれど、小説はリビングルームで見るテレビ番組とはまったく違う種類の表現です。優れた小説には、いいことばかりは書いてありません。人間の弱さや狡さ、愚かさ、利己的な面がきちんと書かれているはずです。」



「皆さんが活字で表現された物語に触れるとき、そのほんの後ろには数えきれないほどの書き手たちが延々と書き継いできた「人間というこの複雑な生き物」への敬意と愛惜、共感と愛情、怒りと傷心-ありとあらゆる感情が堆積されてできあがった、広大な世界が存在しているのです。」


次の五人の中からお選びください。
桐野夏生・浅田次郎・村上龍・宮部みゆき・川上弘美
AとDは、わかりやすいかもね。





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Last updated  2008.08.28 08:00:03
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