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2010.07.27

「パスタマシーンの幽霊」　川上弘美

(8)

カテゴリ：小説

やっぱりいいですよー。
川上弘美さんの短編集は。

どっちかというと短編より長編好きな私ですが、川上弘美さんはちょっと違います。
短編の集まりであっても、心の中の落ち着きどころが、なぜか長編の場所なんですよね。

どの物語も、ちょこっとずつ食べ物に関係していて、これがまた「おいしそう」とか「食べてみたい」とか、そんなアタリマエな感想を許してくれないような、川上弘美流の扱われ方です。
私が好きなのは、「ナツツバキ」「庭のくちぶえ」「ゴーヤの育て方」の３編です。
読んだ方ならわかるよね。
この３編は、同じ主人公を、違う角度から書いてあるんで、ますます主人公のことが好きになる仕組みになっています。
主人公が何者かというと、なんと、アイヌの伝説に出てくるころぼっくるですよ。
そうそう、小さい頃絵本で見た、フキの葉っぱを傘にして雨の中に立っていた小人ですよ。
ヤマグチさんという名の人（の一種）なんですが、彼の恋の物語。
相手は普通の女の人。原田誠子さん。
二人がおにぎりを持って、ピクニックするところなんか、最高です。
彼女もまたヤマグチさんを好きなんだけど、何か恋愛のことで傷を負った過去があるらしい。
そのことについては何も教えてくれないので、川上弘美さんが短編を書いてくれるのを待つしかありません。そのときに、どんな角度から書いてくれるのかなって、それもすごく楽しみです。

ほわほわ、ほわほわ。
明日の晩ごはんのおかずは、ゴーヤの炒め物にしよう。

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