読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2010.09.26
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カテゴリ: 小説
世の中の人たちを「ちゃんとした人」と「ちゃんとしていない人」に分けたら、私は「ちゃんとした人」の方に入るだろうと思います。
理屈っぽい人は、「ちゃんと」の定義は何?って聞いてくるかも知れないけど、そして、お金とか異性関係とか物の貸し借りとか、いろんな「ちゃんと」があるだろうけど、私は世の中の大多数の人がちゃんとした方に入るんだろうなと、なんとなく信じています。
けど、私から見て「ちゃんとしてない人」は、自分が「ちゃんと」してないってことを自覚してないだろうなあって気もします。そういうことを自分を振り返って考えたり、冷静に判断できる人は、それだけで「ちゃんと」してるんだろうなあって。


そして、ここからが大事なんだけど、「ちゃんと」側の人は、「ちゃんとしてない」側の人を見るとき、「困ったやつだなあ」という気持ちと同時に、一種のあこがれというか羨望というか、自分に対する物足りなさというか、そんな気持ちを持ってることが多いんだろうなあ。「ちゃんとしてない」人は、なんだか光り輝いて見える…若い頃、そんな気持ちになったことないですか?


というのが、この本を読んだ私の感想です。
「あの人のように、体裁かまわず、やりたいときにやりたいことをしたら、どんなに気持ちがいいだろう。人がどう思うかなんて、関係ない。後先どうなるかなんてどうでもいい。そこまで居直れたら、どんなに楽だろう」
でも、どんなに憧れたって、絶対にそっちの側には行けないってことは私には分かってる。
見よう見まねで「ちゃんとしてない」を気取ったって、無理無理。
だってそっち側の人は、そもそも体裁や後先という概念が、初めからないんだから。


この本に出てくるのは、30代半ばにさしかかった大学の同級生たち5人です。そして、ちゃんとしてそうな人は、つまり普通の大人をやってるのはたった一人しかいません。彼女は、大学時代から彼ら「ちゃんとしてない」組のことをうらやみ、疎外感を持っていたけれど、今また、あるきっかけから自分の殻を打ち破りたいと、行動に出ます。(やり残し症候群だって。角田光代さん、うまいこと言うなあ)
けど、うまくいきっこなくて、彼女の気持ちは「ちゃんとしてない」組の人たちから、絶望的に理解してもらえないのです。


もう一人「ちゃんと」組の人が一人出てくるけれど、彼女は大学の同級生じゃありません。ちゃんとしてない」組の男性の恋人で、10歳年下の女の子。
だけどこの子は、「ちゃんとしてない」組を見ても、憧れたりしない。
一歩離れたところから彼らを冷静に見て、辛らつに批評したりしています。
この子が登場したせいで、「ちゃんとした人」「ちゃんとしてない人」にも、世代の違いがあり、物語が立体的におもしろくなりました。


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ところで、最近よく目にする「読書メーター」ってものに登録してみました。
使い方が今ひとつ分からないんだけど、9月に入ってから読んだ本を全部入れてみたら、全部一日で読んだことになっちゃった~!
しかも、読んだ作家が、無条件に「ぱぐらさんがよく読む著者」になっちゃったし。そんなことないんだけど、おせっかいだわ・・・
何事も理解するのが遅い私が読書メーターを使いこなせるようになるのは、いつの日でしょう。





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Last updated  2010.09.26 11:08:28
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