ブダペスト行きを一ヶ月後に控え、そして来年早々に京都で開催される「THE ハプスブルク」展に備え、私にしては珍しく日々読書に励んでおります。
とはいっても、やはり難しく面倒くさい本は開いた途端に眠たくなってしまいますので、
鼻歌でも歌いながら 気軽に読める程度のものばかりです。(笑)
先日読み終わった一冊が、「名画で読み解くハプスブルク家 12の物語(中野京子著)」。
その後、ミュージカル「ルドルフ」の原作となった、フレデリック・モートン氏の作品「ルドルフ ―ザ・ラスト・キス―」と、
「ハンガリーを知るための47章(羽場久美子編著)」を並行に読み進めています。
* * *
高校時代、そのカタカナの多さと、「○○1世、○○2世」などという紛らわしい名前の数々に、世界史の教科書を開くやいなや<日本史を専攻しよう!>と決心しました。(^^;
今も似たような名前の羅列に混乱しながらも、ハプスブルク家系図を片手に、
当時のドロドロとした人間模様と個性的な主人公達に支えらて(?)、思うより簡単に欧州史デビュー(???)を果たすことができました♪
その中に登場する人物の中には、もちろん マリー・アントワネット、マリア・テレジア、そしてマリー・ルイーズにエリザベート皇后といったお馴染みの顔ぶれも出てきます。
けれど、そんな魅力的な女性達の影に隠れた ひ弱な男性陣にも(それなりに)ドラマがあったというわけです。(笑)
そして、当時の英国やフランス、ロシアとの関わりも知ることが出来て、今までバラバラに存在していた人物達が綺麗に頭の中で整理されました。
「戦争は他の者にまかせておくがいい、幸いなるかなオーストリアよ、汝は結婚すべし!」
この家訓も大変素晴らしいですけど(笑)、その下で画策された数々の結婚の愉快なこと。
オペラ「ドン・カルロ」の主人公カルロスの父フェリペ2世は、ポルトガル、イングランド、フランス、オーストリアから妻を迎え入れました。
(その全員に先立たれました。)
彼の2番目の妻は、英国エリザベス女王の異母姉メアリー1世。
フェリペより11歳も年上で、容姿もさほどのメアリーとの結婚は、彼にとってはずばりイングランド領土そのものでした。
片やメアリーは美男(?)であったフェリペを愛情込めて受け入れたといいます。
メアリーの世継ぎを産みたい執念は叶い、結婚半年後に侍医は彼女の懐妊を発表。
もしも男児誕生ならば、スペインはいっそうの大国に!!
近隣諸国はこの報に慌てふためきました。
ところが、悲しいかな、、、
それはメアリーの想像妊娠でしかなく、腹部の膨張は腫瘍と判明。
フェリペはそんな彼女に見切りをつけ、
腫瘍の悪化で先の短いメアリーに隠れ、なんと次期女王候補のエリザベスに近付いていき、、、。
メアリーの葬儀に参列することもなく、エリザベス1世が戴冠すると同時に、正式に花婿候補に名乗りをあげたのだとか!(驚)
結局、「カトリック教徒とは結婚しない」とエリザベスに振られてしまうフェリペも滑稽ですけど、、、。
3人目の妻は、信じられないことに 息子カルロスの婚約者!
4人目は、立派な後継ぎ欲しさに多産な妹の娘アナを選びます☆
不運なフェリペが4人目の妻を失ったのは53歳の時。
さすがに もう結婚はしませんでしたが、
実は5人目にとスコットランドのメアリ・スチュアートを目論んでいた説が真実ならば、それは もう天晴れとしか言いようがありません。
彼は、最後の最後までスコットランドとイングランドの領土を諦めきれなかったのでしょうか?
結果は、幽閉中のメアリにフェリペが密かにコンタクトを取ったせいで、彼女は謀反人としてエリザベスから首をはねられてしまい、無念!(笑)
けれど、その執念たるに いやはや感服致しました。(^^;
*
もう一つ。
ナポレオンとマリー・ルイーズの息子ライヒシュタット公とシシィ(エリザベート皇后)の姑ゾフィの関係も意外でした。
メキシコ皇帝・マクシミリアン(フランツ・ヨーゼフの弟、ゾフィの次男)のお祖父様は、もしやナポレオン…かも?!
こちらは、エドワール・マネの作品「マクシミリアンの処刑」と、ゴヤの傑作「マドリッド、1808年5月3日(ナポレオン軍によるマドリッド市民虐殺を描いた歴史画)」との比較が面白かったです。
一枚の絵に秘められた野望に、時代を経てこそ分かる歴史的面白さ。
あまり深く絵画を読み説くことがなかっただけに、こういう解読の仕方があるのものかと新しい発見もありました。
そして、今なら 映画「エリザベス」や「宮廷画家ゴヤは見た」など、その時代を描いた歴史物の これまた違った角度が見えてきそうです。
それらに登場する彼らは、その時代をただ懸命に生きただけなのでしょうけど、
高みの見物の私は おかげで十二分に楽しませて戴きました。^^
血族同士の結婚を繰り返し、恐ろしいほど血が濃くなったハプスブルク家独特のお顔にも段々と親しみが湧いてきましたし…。
王子様=ハンサムという方程式は、われわれ庶民の勝手な理想でしかないのかもしれませんね。
少なくとも、私好みのハンサムさんはいなかったようです。(笑)
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先日、「アヌーナ」のコンサートの為に神戸へ立ち寄った際、又も新しい帽子を購入しました♪
今回も私のお馴染みイタリア製『GREVI』です。^^
本当はロシアの画家クラムスコイの「忘れえぬ女(ひと)」が被っているような帽子を探したのですが見当たらず。。。 ('09.09.26日記)
ただ、冬のブダペストには黒色の帽子とコートで訪れたい私のこだわりで選びました。
せめて飾りだけでもと、ニューイヤーの華やかさをイメージ。
『GREVI』ならではのドレープ加減がお気に入りです♪^^
『食は、人の天なり』 2017.03.30
岸惠子の『わりなき恋』。 2014.11.02
☆わたしのマトカ☆ 2014.10.29
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