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Ryu-chan6708

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2006.11.19
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カテゴリ: 読書感想




私: 帯に「 できる子は、子ども部屋では勉強しない 」とあるように、ある意味でショッキングな内容だね。

A氏 :そういえば、こないだ「 できる子を育てる住宅 」の例として、テレビで新しいマンションを紹介していたのを見た記憶があるね。
 この本はその ハウツー ものかね。

:全然違うね。
 一種の日本文化論だね。
 奥が深い。
 著者が最初、有名中学合格者の自宅を調査したのは、できる子はどういう部屋で勉強しているかという目的ではないんだね。
日本のよき住宅文化が、核家族が進むために、今の日本から消え去ろうとしているのではないかということからの調査で、まったく「中学受験」とは関係ない動機からだと言う
 そして核家族の代表的例として子ども部屋で子どもが一生懸命勉強しているような家を選んだという。

A氏 :そうしたら、意外なことに子ども部屋で鉢巻をして受験勉強をしている姿が見られなかったという発見になるわけだね。
 例の 奈良の放火事件 のように、子どもを勉強部屋に押し込めるのは最悪のパターンなんだね。

共通していたのは、子どもは遊牧民のようにいろいろな部屋で勉強しており、特に皆のいる居間のテーブル(ちゃぶ台)で勉強しているケースが多いという
 子ども部屋もあるし、机もあるがほとんど使われていないという。

A氏 :家の使い方が解放的なんだね。
それは日本住宅の伝統でもあるね。

:俺も団地で核家族を持ったが、子どもが小学校に入ったとき、当時、きちんとした 勉強机 が盛んに宣伝されていたね。
 俺は、勉強は「 ちゃぶ台 」でやればいいので、個人の机など要らないと言っていたら、会社の同僚に変人だと言われたよ。
 当時は皆、親があこがれて買ったものだね。
 しょうがないから俺も買ったよ。
 俺たち世代の小学校時代は食事するちゃぶ台で勉強したけれどもね。
 机を持ったのは中学か高校になってからじゃないかな。

A氏 欧米の住宅は個人主義だから個室だね。
 日本はそれにあこがれ、戦後、子ども部屋を作ったんだろうが、その意味では成功していないんだね。
 むしろ、 カギがついた子ども部屋は少年少女の非行の温床にすらなってきたようだね
欧米風に住宅の形を変えたら、逆に自分たちの深い文化に気がついたということかね
 高くついた国民的な実験だったね。
 「 さざえさん 」の家の文化が伝統なんだね。
 キリスト教も信教自由になっても韓国と違い、日本では普及が極端に少ないのと似ているね。
何か根底に変化にしっくりこない日本の伝統文化があるんだね

: この本には「 頭のよい子が育つ家 」に変える10ヶ条をあげているが、その第一条が「 子ども部屋を孤立しないようにしよう 」だよ。

A氏: テレビでやっていたモデルハウスも壁は透明なものが多かったね。
視線が開放的だね。
 それに 家族のコミュニケーションを豊かにするという配慮 が見られたね。
 その意味では「頭のよい子」というのは、「勉強のできる子」とちょっと違って、もっと深い意味があるようだね。

:筑波大付属駒場中学に入学したF君が居間のテーブルの地球儀を引き寄せ、父親に「 昔のソ連は今いくつの国に分かれたか 」と質問しているシーンの記事がある。
 父親は正確に答えられない。
 子どもは国の名前をあげ15だと正解を言う。

A氏 :小学校なのに驚いたね。
 ところが、 教育再生審議会 の初会合である委員が中学校の地理の教科書を示して「 この教科書で世界の国を教えているのはアメリカ、フランス、マレーシアの三ヵ国だけだ 」と言ったら、 安部総理はじめ委員の人はのけぞっていたと言うね
 この 学力の格差 は何かね。

:一方で公立の学力は低下しているのかもしれないね。
 例の高校の地歴の必修漏れも高校だけではないようだし、受験だけの問題でもないみたいだね。
勉強のできる子 」と「 頭のよい子 」は違うようだね。
教養力 の差かな。

 とにかく、この本は知的街道としては、 孫の教育街道 にあるとともに 日本文化の伝承街道 にもつながるね。
教育基本法 ではないが 壊れつつある日本の住宅文化の優れている伝統 を見直すべきかね。





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Last updated  2006.11.20 11:01:11
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