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Ryu-chan6708

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2007.03.14
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カテゴリ: 読書感想

:先週、アマゾンからメールが来て、 チャンドラーの「ロング・グッドバイ」の村上訳 が発売となり、予約の情報だったので、予約した。
 先週末に宅配便で到着した。
 2000円なので送料無料だね。 
 意外に厚く、訳者のあとがきが45頁くらいあり、 全部で580頁の大作 だね。
 ちょっと、簡単に読み終わることは不可能だね。

A氏 :今朝の朝日新聞でもとりあげていたね。
 すでに、文芸評論家の 池上冬樹氏 が、約半世紀前の清水訳の「 長いお別れ 」との 比較読み をしてその印象をのべているね。
清水訳は声に出して読みたい明快なハードボイル、村上訳はじっくり味わう都市文学だという。
そして、村上春樹氏はハードボイルドという言葉を意図的に避け、「 準古典小説 」と言っているので、これを機に、ハードボイルド復活を期待する 作家大沢在晶氏 は渋い顔をしているという。

:もともと、村上氏はハードボイルドの作家ではなかったからね。
 それに題名も英語にこだわって「 ロング・グッドバイ」 意図的に日本訳を避けている。

A氏 :新聞では英語のqueenは清水訳では「 女王 」だが、村上訳では「 おかま 」と訳しているとあるが、かなり時代の変化もあるんだろうね。
 ところで、前の 長いお別れ」の日記 で清水訳で理解できないいくつかあげていたが、村上訳で納得できたかね。

:3箇所あるね。
 まず、3章の始めのところ。

After the society page dog vomit even the wrestler looked good. But the facts were probably right. On the society they better be.

清水訳「 社交欄の"犬"がゲロを吐いた後では、レスラーさえ好ましく見えた

村上訳「 犬の嘔吐物のような社交記事を読んだ後では、プロレスラーたちでさえ善良そうに見えた。
 しかし、たぶん書かれていることはすべて事実なのだろう。
 新聞の社交欄で嘘っぱちを書いたら、ただではすまない

 犬のゲロは村上訳が分かりやすいが、 何故、ここでプロレスラーが出るのか意味不明。
 もっと日本的に言うと
やくざどもでも善良に見えた 」とか「 ごろつきが善人に見えた 」というような意味かね。
 清水訳はBut以降はとばしている。
 訳をとばすのはこの人の癖だね。
 村上氏はとばしていないが、かなり意訳だね。

A氏 :2箇所目は?

:11章のはじめのところ。

I switched on the buzzer to the other door and filled a pipe and lit it and then just sat there waiting for somebody to scream for help.

清水訳「 もう一方のドアのブザーのスイッチを入れて、パイプをつめ、火をつけて、椅子に座り込み、誰かが助けてくれと叫ぶのを待った。

村上訳「 ブザーを押してもう一つのドアを開錠し、パイプにタバコを詰めて火をつけた。そして腰を下ろし、誰かが悲鳴を上げて助けを呼ぶのを静かに待った

 ブザーのスイッチをオンにしただけなのか、開錠したのか、両者の訳が異なるね。 英語的には清水訳のほうが正しいと思うがね。

A氏 :第三点は?

:13章の最後のほうだよ。

The case is closed, finalized, and laid away in mothballs.

清水訳「 事件はもう終わったんだ。虫除けといっしょにしまわれちまったんだ

村上訳「 この事件はすでに片がついて、はんこが押されて、防虫剤とともに押入れに仕舞い込まれた

 まぁ、53章あるからね。 これからボツボツ読んでいくよ。






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Last updated  2007.03.14 23:02:07
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