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A氏
: プロメーテウス
はギリシャ神話に出てくる神で、神々の姿に似せて創造された人類に、「 火
」を伝えたとされるね。
しかし、そのため神々の王である ゼウス
の怒りを買い、拷問されるね。
オッペンハイマー
はアメリカに「 原子爆弾
」という「 火
」を与えたという喩えだね。
そして、後に 「赤狩り」の拷問
にあうという喩えにもなっているのかね。
私
:オッペンハイマーはアメリカだけでなく、まさに 人類
に「 原子爆弾
」という「 火
」を与えたね。
オッペンハイマーでなくても、人類はいつかは「 原子爆弾
」を手にしただろうが、 彼の存在で、一気に早まったことを多くの人が認めているね。
和訳は上下、2冊だが、 上巻は「火」を与えた「勝利(栄光)の巻」
で、 下巻は「赤狩り」に巻き込まれた「悲劇の巻」
だね。
実に、明快なコントラストだね。
しかし、「 悲劇の種
」はすでに上巻から始まっていることが分かったね。
下巻からの 逆読みの効果
だね。
A氏 :人類の最初の「 核爆発の 火 」の実験は、ニューメキシコの砂漠地帯で 1945年7月16日午前5時30分 に行われたのだね。
私
:実験場を オッペンハイマー
は「 トリニティ(三位一体)」
と名づけたので、人類初の核実験を「 トリニティ実験
」という。
詳しいことは「ウィキペディア」にあるが、この本では、 オッペンハイマーの勝利の瞬間を詳細
に伝えている。
A氏 :それはウィキペディアにはないね。
私
:オッペンハイマーは前日、 爆弾のある塔に一人登り、最後の点検
をする。
実験当日
、 彼はゼロ地点から1万ヤード南にあった壕にうつぶせになっていた。
カウントダウンが2分
になると彼はつぶやいた。
「 神様、これは心臓によくありません
」
最終秒読みが進むにつれて、オッペンハイマーの緊張はますます高まった。
彼はほとんど、呼吸をしていなかった。
最後の数秒間
、彼は前方をじっとにらんでいた。
アナウンサーが「ゼロ」と叫ぶと光の洪水に続いて深い爆発音
のとどろきがやってきた。
彼の顔はほころび、 大きな安堵の表情
に変わった。
隣にいた 弟のフランク
は「皆、 やった!
とだけ言ったように思う」と後に述べているという。
このとき、 オッペンハイマーは41歳
だね。
栄光の勝利者
となる。
A氏
:この実験成功が、翌日から開催された ポッダム会談
に出席していた トルーマン大統領
に間に合ったわけだ。
後はアメリカの 政治的なカード
に化けるね。
これは君が「 世界を不幸にする原爆カード・ヒロシマ・ナガサキが歴史を変えた
」でふれているね。
しかし、 オッペンハイマー
は優秀な 理論物理学者
であり、この原爆開発プロジェクトの技術面のリーダーとして多くの ノーベル賞受賞者
を使ったのに、 彼自身はノーベル賞をもらっていないね
。
ノーベル
は ダイナマイト
を作り、 オッペンハイマー
は 原爆
を作ったのにね。
私
:それは一つの謎だが、多くの論文を書いているが、まとまった個人的な業績がなかったのかもしれないね。
しかし、彼が 天才的な学者
であったことは異論がないだろうね。
A氏
:彼は ユダヤ人
だね。
何か、親の血統かなんかあるのかね。
私
:彼の 祖父
はほとんど教育を受けていない農夫兼穀物仲買人
でほぼ中世ドイツそのままの村で育ったという。
父
は 17歳で兄を頼って、ニューヨークの衣料関係の会社に就職
する。
だから、 学者一家
というわけではないね。
オッペンハイマーの若き日
の生い立ちは明日、また、語ろう。
「ポスト戦後社会」吉見俊哉著・シリーズ… 2009.09.01
「イスラムの怒り」内藤正典著・集英社新… 2009.08.24