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私
:この本はどこかの書評にあったので図書館から借りた。
ちょっと、ご無沙汰したが、 日本人の武術を中心とする身体文化の知的街道
だね。
「『密息』で身体が変わる
」、 「
希望のしくみ
」、「 密息」「骨盤後傾」とサッカーW杯?
、
「身体感覚を取り戻す:腰・ハラ文化の再生」
、「 呼吸入門
」、
「
椅子と日本人のからだ」、
、 愛国心と身体文化
、 「 身体から革命を起こす
」
と続いた。
A氏
: 秋葉原無差別殺人事件
で象徴されるように、何か日本人が弱くなっているね。
「 身体から革命を起こす
」では、その弱さを指摘しているね。
私:
この本ではやたらに、「 合気
」で 人が飛ぶシーン
が出てくるね。
この本の著者は有名な作家だが、 佐川幸義
の伝記を書いてくれということで、 昭和63年、85歳になる佐川氏の道場
に行くが、そこで小柄な佐川老人が、若い大男の手首に触れたとたん、 その大男が何メートルも吹っ飛ぶのを目撃する。
次から次に簡単に吹き飛ぶのを見て衝撃を受け、「 魔法を見た
」と書いている。
A氏 :著者の 津本陽 氏は、「 柳生十兵衛七番勝負 」を書いているが、たしか 佐川名人の師である 武田惣角 の伝記「 鬼の冠 」を書いているね。
私
:その前に、同じく 武田惣角の弟子
で、戦後、 合気道会
を組織した 植草盛平
の伝記小説
「 黄金の天馬
」も書いているね。
だから、話に「 合気
」で 人が飛ぶという話
は聞いていたが、 目の前に見たのはこのときが始めてらしいね。
著者は 佐川名人
を知ってから、講演会などでその見た話をする。
あるとき、知り合いの紹介で、 プロ野球の王氏
をつれて佐川道場に行く。
王氏
は、 小柄な老人が大の男を軽く飛ばすシーン
を見て、一言、「 ただふしぎだと思います。私には理解できません
」と言ったという。
A氏 :体力と異なる何かの エネルギー なんかね。
私
:そうかといって、 体力と無関係ではないらしい
。
事実、 85歳当時の佐川名人は、毎日、腕立て伏せなどを何百回
もしているという。
その肉体を鍛えながら、ある ヒラメキ
が出るらしい。
佐川名人
は、 90歳
のとき、 心筋梗塞の予後
を調べるために、病院で 運動心電図
を計るので、何か運動をしてほしいと医師に言われ、 即座に腕立て伏せを300回
やってみせ、医師を驚かせたと言うね。
96歳
でありながら、現役で 聖路加病院
で働いている 日野原
氏も、エレベーター、エスカレーターを使わず、 階段を2段飛びで駆け上がる
し、毎日、 筋力トレーニング
をしていると言うね。
A氏
: 武芸家の甲野氏
が 新しい技は無限
だと言っていたね。
その意味では、 科学的追及
と同じだね。
私
:「 合気
」の発想は スポーツ
と違うね。
勝たないと意味がない。
一瞬の油断が負けを生む。
そのために、相手の動きより早くないといけない。
A氏
: 空手
なんかでも、突くときに、 一旦、腕を後ろに引く。
それだけ、突きが遅れるから、「 合気
」の発想では、 その間を遅れとして嫌う。
これは 甲野氏
も同じことを言っていたね。
私
:しかし、今度の 水着の問題
も、 イギリスのメーカーは勝つために徹底的に考えて開発された
と言うね。
日本のメーカーの「 勝つための
」科学的な追求力が甘かったようだね。
この本の題名の「 孤塁
」は 佐川名人
が団体を作ると、雑事で個人的な追及ができないということで、「 孤塁
」を守ったという。
これは、 佐川名人
の師の 武田惣角
は明治期から昭和18年まで、武道にかかわる人々、すべてに敬遠されながら世を去った天才であるのと同じだね。
武田惣角
は無教育で字を書けなかったという。
だから、 東大を出て国際的に通用するスポーツである講道館柔道を創始して、オリンピック競技種目とした 嘉納治五郎
と 表裏をなす生涯
だったという。
A氏
: 佐川名人
も「 合気
」をビジネスにせず、「 合気」の修得だけに心を傾けた天才
だと言うわけか。
結局、著者は、 なんで「合気」で人が簡単にとぶのか
解明したのかね。
私 :それは明日考えてみよう。
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