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上妻宏光『月の下で』
私
:この「 おやじのせなか
」という 朝日新聞の欄
は長い間続いているね。
有名人の「 おやじ
」との関係を語る欄で、それぞれの 親子関係
を具体的に述べていて、いい話が多いね。
A氏
:俺も愛読しているよ。
親子の本当のコミュニケーション
が希薄になっているというが、やはり、子どもはよきにつけ、悪くにつけ、 親の背中
を見て育っているのだね。
私
: 11月9日
のこの欄では、 35歳で三味線演奏で活躍
している 上妻宏光
(あがつま・ひろみつ)氏と 彼のおやじとの関係
が語られているね。
実に、面白かったし、 感動的
だったね。
A氏
:俺も読んだ。
彼の「 おやじ
」は、 茨城にある電機メーカーにつとめる普通のサラリーマン
。
しかし、何故か、彼が 5歳くらいの頃
から、 晩酌の後、趣味で三味線で津軽民謡を練習
するんだね。
それを聞いているうちに彼が興味を持つ。
A氏
: 6歳
で「 おやじ
」と 同じ教室
に通い始める。
しかし、勤めがある「 おやじ
」と、学校が終わると三味線を弾く彼とは 練習量
が違う。
半年ほどで「おやじ」を抜く。
私
:そのせいか、「 おやじ
」は 彼が小学校3年くらいのときに、三味線をやめてしまう。
彼は、 老後の「 おやじ
」の趣味を奪った悪い息子
だと言う。
まぁ、「 おやじ
」は 彼の裏方
で彼を支えるようになる。
A氏 :彼は、 15歳 で腕を磨くために、 東京 に出る。
私:
あるとき、 茨城の店に修理に出してある三味線が急に必要
になった。
「 おやじ
」が 鈍行で8時間
かけて 上野
に届けに来たという。
また、 鈍行でとんぼ返り。
A氏 : 特急料金 をけちって、息子の東京暮らしを支援 していたのだね。
私
:彼は、 今、まだ、35歳
だが 日本の大衆伝統芸
を受け継いでいる。
伝統芸
によくあるような、父親の後を継いだわけではないね。
庶民の親子のコミュニケーション
だけだね。
彼の「 おやじ
」はまだ、健在だろうが、「 せなか
」でよき息子を育てたね。
カネ
はそんなにないのにね。
ほのぼのした親子だね。
それだけでも 偉大な
「 おやじ
」だね。
それにしても、普通のサラリーマンが、 趣味で三味線
を習うとは、「 おやじ
」も型破りだね。