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「格差」の戦後史
私
: 第5期
の 1980年代
だ。
1986年7月
、 中曽根首相
の自民党は 選挙で大勝
する。
当時の米国大統領
は レーガン
。
イギリス首相は サッチャー
。
いすれも 市場原理主義
だ。
A氏 : 市場原理主義による世界の3大リーダー だね。
私:70年代
終わりから、 経済格差に関する数字は拡大傾向
を示しだす。
しかし、 格差という認識
はまだ、一般的ではなかった。
次に、 第6期の1990年代
に入る。
1997年
頃までは、 バブル崩壊
にかかわらず、 平均所得は向上
した。
しかし、 98年にかけて雇用が急速に失われる。
A氏
: 1998年
というと、 自殺者が2万人から3万人の大台に急増した年
だね。
それ以来、3万人台を横ばいする。
私
:この頃から、「 経済格差
」が次第に話題になりだす。
「 ジニ係数
」という用語が マスコミにも登場
しだす。
しかし、日本の「 ジニ係数
」の悪化は、 少子高齢化によるものだという反論
もあり、この頃は、 格差意識は専門家に共有されなかった
。
そのうちに、 90年代後半
から、 賃金が安い25歳から44歳の男子の非正規雇用者が急増
する。
それが、 03年に派遣法が製造業に対しても解禁になるとさらに激増
する。
A氏 : 小泉首相 は、政権時には「格差」をなかなか認めなかったが、 安部政権時代 には、認めざるを得なくなったね。
私 : 2000年代になって形成されてきた 非正規労働者 は、その極端な低賃金、家族形成と次世代を再生産することの困難さという点から考えて、労働者階級の最下層というよりは、「 伝統的な『労働者階級』以下の存在 」と考えられるようになった。
A氏 :昔は、「 貧乏人の子沢山 」と言われたが、結婚もできないし、子どもも育てられないということか。
私
:この「 新しい下層階級」の出現
は 多くの先進国で共通に指摘
されているという。
各国でいろいろな呼び方をしているが、英米では英語で「 アンダークラス
」と呼ばれているという。
「クラス」は「 階級
」のことだ。
著者は、 2007年のデータ
から、 日本の「アンダークラス」は約800万人
で、例外的な存在でなく、 一つの固定した階級構造
をなしてきているという。
「 貧困率
」も 1995年に9.4だったのが、 2007年に13.7と劇的に増加
している。
そして、さらに問題なのは、 階級が固定 してきたことだね。
この本で著者が「 階級
」と言う用語をあえて使っている意味がここで明らかになったね。
これは 神経を使う用語
だが、まさに、 日本の格差問題は階級構造変化の問題
になってきているということだね。
A氏
:俺たちが若い頃は、 民主主義のモデル
だと言われた イギリス、フランスは貴族や労働者層が固定化している階級社会
だという矛盾を早くから知っていたね。
日本はそういう 固定的な階級的な社会構造
ではないと思っていたが、徐々に大きく変わってきてしまっているんだね。
私
:特に、高度成長以後だね。
著者も言う通り、 格差問題
は再分配の問題だから 政治がおおきくからむ
。
著者は、この本はあえてその問題を避けて、 客観性を重視
している。
自民党の負の遺産のこの問題を、民主党は、今後どう取り組むかだね。
「 格差」の戦後史
を知ると、高度成長時代というのは、ある意味で、 異常な時代
だったと言えそうだね。
俺たちの経験は日本の歴史では異常だったのかね。
そして、もう日本は、 同じような経済成長
は期待できないだろうね。
A氏 :格差問題を解決するために 高度成長時代をまた再び という考えは 幻想 に終わる恐れがあるね。
私 : 政治・経済でも発想の転換期 だね。