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私
: 井上ひさし
氏は 今年4月
に76歳で急逝された。
当時の新聞広告に、この本の広告が出ていた。
小林多喜二
を扱った戯曲だとあった。
図書館の検索にはない。
調べたら、 集英社の月刊誌
「 すばる
」の 今年1月号
に掲載されていた。
これを図書館から借りたよ。
集英社
は、井上氏が逝去されたので、 5月に単行本
にしたようだね。
A氏 :「 蟹工船 」を扱ったものかね。
私
:それが読んだら、違うんだね。
舞台劇では難しいだろうね。
多喜二の生い立ち
が出だしにからむが、 特高警察
につきまとわれ、最後は地下にもぐる生活などが中心だ。
取調べのシーン
はあるが、 拷問などのシーン
はない。
これも舞台劇にはなじまないだろうね。
最後は、 多喜二がなくなった後のシーン
で終わっている。
多喜二
担当の2人の 特高
も戯画化されているね。
彼らも個人としてみれば、 貧しい官吏
だね。
それも 井上
氏は描いている。
この戯曲の初演は、 東京で2009年10月
とある。
「 ムサシ
」が同じ 09年の初演
だから、この「 組曲虐殺
」が戯曲では最後ではないのかね。
A氏 : 井上 氏は徹底した「 天皇制反対 」論者だったそうだね。
私
:この戯曲でも、 多喜二
の「 蟹工船
」から「 カニ缶詰の献上品に『石ころでもいれておけ!かまうもんか!』
」という 漁夫の言葉
を引用しているね。
しかし、 文化功労者
を辞退せず、その後 天皇主催の茶会に出席
したり、 反体制文学者
が辞退した 藝術院会員
になったりしたので、 一貫していない姿勢
を批判された一面もあったようだね。
ご冥福をお祈りします。