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私 : 近年、 15~34歳における死因の第1位が自殺 の国は、 先進7カ国で日本だけ で、 この層の人口10万人あたりの自殺者数は、日本は他の6カ国の平均の約2倍 と、 非常に深刻な状況にある という。
A 氏 : 日本で自殺が急増し、初めて年間3万人を超えた1998年当時 は、 中高年男性が目立った が、 2006年に自殺対策基本法 がつくられ、ようやく 社会的な対策 が進み始め、ばらばらだった対策に連動性を持たせたり、相談機関が分野を超えて連携を図ったり、啓発活動を行ったりしたが、 中高年の男性向けの対策が優先されて、若者向けは後回しになってきたという経緯 がある。
私 : 全体の自殺者数が減る傾向 にあるのは、社会的な対策が進んだことが大きく、ここ数年の減少は景気回復も影響しているようだが、 若年層の下げ幅は小さく、景気がよくなっても、若者の自殺は深刻なまま だ。
A 氏 : 日本の若者は、自己肯定感が低く、日本社会に対する期待も失っている人が少なくない という。
日米中韓の研究機関 が協力した「 高校生の心と体の健康に関する調査報告書 」(11年)によると、 自分は価値がある、自分に満足しているという自己肯定感が、日本は極端に低い という。
長野県松本市などの調査 では、 小学生は自己肯定感が高い のに、 中学、高校と、だんだん下がる傾向 もわかるという。
国が16年に行った「自殺対策に関する意識調査 」では、 「生きていればいいことがある」に「そう思う」と答えた割合は、20代が最も低く 、 わずか37% で、 08年の62%から大きく減っている という。
08年というとリーマンショックが起きた年 で、 09年から日本も不景気 になるね。
その頃から、社会が変わってきたんだろうか。
私 : 清水 氏は、 自己肯定感が低くなる と、過度に周りの評価を気にしがちとなり、 評価を得ることが目的となり、自分の本意でないこともしてしまう。
そこまでやっても評価を得られないと、「何のために生きているのか」という感覚に陥る 。 これは、かつてより、若い世代に広がっている感覚のように思う という。
A 氏 :さらに、 社会に出る と、 就職活動での厳しい評価や長時間労働、不安定な雇用 などにさらされる。
「 死ぬくらいなら、会社をやめればいい」とも言われるが、まじめで責任感の強い人ほど、難しく、逃げ出さずに頑張り抜くことが善しとされる社会で、周りの評価や期待もあり、弱音を吐けない 。
結果、どんどん追い込まれていき、 若者たちからは「死にたい」ではなく「生きるのをやめたい」と、よく聞くという。
私 : 将来の夢や信頼関係、やりがいのある仕事や趣味などは、生きることを後押しする促進要因 だが、一方で、 将来への不安や絶望、過労や借金など、生きることを困難にさせる阻害要因 もあり、 後者が前者を上回ったときに、自殺のリスクは高まる 。
A 氏 : 阻害要因 を取り除くことはある程度できても、 促進要因を増やすのは容易ではない が、 一つの方策 として、 命やくらしの危機に陥ったときの対処法を中学生のころから教えることが有効だ と 清水 氏はいう。
私 : 常見 氏も、 長時間労働 を問題にしている。
しかし、よく誤解されるのは 高度成長時代は長時間労働で頑張った というが、 時間短縮運動で週6日制から、5日制へと してきた。
職場も QC サークルのように皆で生産性をあげる活動が盛ん だった。
A 氏 :それが「 失われた20年 」の頃から、 非正規雇用が増加し、一方で、シャープや東芝に代表されるように、企業に革新の活力がなくなってきて 、 長時間労働が問題 になり「 働き方改革」が叫ばれる状態 になっている。
若者が希望を持てる職場や社会 にならないと、この問題は解決しないようだ。
スマホのゲームに熱中している状態 ではどうしようもないね。
私 昨日の「国鉄改革」のブログ ではないが、 あれから30年、非正規労働者が増え、ブラック企業の社会問題化、格差社会の出現など、社会全体が大きく変化 し、 何かの力で国の形を変える総仕上げの段階に入った時代の大きな流れが関係している のだろうか。