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私 : 著者 は、 優れた業績を収める著名企業の経営者たちへのインタビュー で、 21世紀の「知識経済」に求められる働き手の資質 として、「 専門的知識の有無」がまったく挙がらないことに驚き 、 共通して重要とされたのは、「的を射た質問をする能力」「相手の目を見て対等に議論できること 」、そして「 他人と協調しながら仕事を成し遂げる能力 」であったという。
A 氏 : その背景には、企業の組織構造や仕事の仕方の変化 がある。
かつて 大企業の組織は階層構造をなし、経営スタイルはトップダウン だったが、 現在、組織はフラット化 し、 仕事はプロジェクトごとに部門の枠を超えたチーム編成 で進められ、 彼らは課題を与えられるものの、解決法は示されない 。
中間管理的な仕事は減少する 一方、 製品・サービスの生産や顧客対応の最前線に立つ労働者 は、 現場で直接、思考力を働かせて課題を解決する能力が求められるようになっている 。
私 : 著者のトニー・ワグナー氏は、米ハーバード大イノベーション研究所研究員で、同大学変革リーダーシップ・グループ研究所の創設者・共同ディレクターを歴任 しているというが、 ワグナー氏は、アメリカの 学校教育 をみると、現在学校で教えられている内容と、グローバルな知識経済で生きるのに必要な能力との間に、大きなギャップがあると指摘 。
とくに公立学校は、知識の獲得を依然として主目的 とし、 その達成度を筆記試験でチェックする従来型から脱却できていない という。
A 氏 : 21世紀型の優れた授業は、次の3つを含んでいる という。
第一 は、 つねに学び続ける能力の養成 で、暗記よりも、論理的に考え分析する能力と、その結果を的確かつ巧みに文章、あるいは口頭で表現する力が重要。
第二 は、 学習の動機づけの養成 で、議論、プロジェクト、実習、論文執筆などへの参加を通じ、疑 問や興味を掘り下げる機会をもつことが、学習への動機づけとなる。
第三 に、 達成度は筆記試験ではなく、生徒の(口頭発表やエッセーなどの)パフォーマンスで評価すること だが、筆記試験と異なって、パフォーマンス評価は難しい。
著者はしたがって今後は、 評価基準(「パフォーマンス基準」)の研究開発 に力を注がねばならないと強調する。
私 : 日本の新しい学習指導要領 も、実は本書と同じ問題意識を共有している。
それで、連想するんだが、昨日のブログでふれた 日本の若者の自殺が多い のは、このような 自己肯定型の教育をうけていないため なのかね。
「 売れてる本」欄 では、 汐街コナ〈著〉ゆうきゆう〈監修〉『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』 をとりあげているが、ここでは、 サーカスのゾウ は 足首のひもで地面の杭につながれているが、逃げ出そうと思えば力ずくで逃げ出せるはず 。
しかし、 小さいときから杭につながれているゾウは「抵抗してもムダ」という無力感が注入 され、 逃げる発想がなくなってしまう のだという。
A 氏 : 今日の「 働き方改革を問う」欄 では「 野放しのパワハラ、『殺してえ』上司から罵声 」という見出しで、 パワハラ問題 をとりあげているね。
2015年1月28日 、 ヤマト運輸の長野県内の営業所で宅配ドライバーをしていた男性 が行方不明になり、 6日後に県内で遺体で見つかった 。 46歳 だった。 1月末ごろに自ら命を絶ったとみられる。
上司のパワハラの形跡 があったという。
こないだの 秘書に「ハゲ」などという暴言を吐いたという女性国会議員の問題 と同様、 このドライバーは上司の暴言を録音 してあり、そこにドライバ-に対して「 殺してえ」という暴言があった という。
私 : 人手不足 だから、 そんな企業から飛び出せばいいのに 、 何かの「ゾウの杭」で動けなかった のかね。