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私 :昨日のブログで、 福島第一原発事故 を扱ったので、 この著書 が目に止まったね。
1957年 、 旧ソ連の南ウラルに位置する秘密工場の放射性廃棄物貯蔵庫で爆発 があり、 後のチェルノブイリにも比すべき原子力災害が起きた という 核惨事 をこの著書は扱っている。
著者 は、 旧ソ連生まれの生化学、政治史研究家 。
A 氏 : 事故 は 旧ソ連では極秘とされた が、 著者 は 76年 、 体制を批判する出版 で要職を解任、精神病院 に拘禁のうえ、ついには 国籍も剥奪 され、 滞在先の英国で発表した記事で初めて言及 、 大変な反響を巻き起こした が、 原子力産業に携わる西側の科学者らの反応は、一様に否定的だった という。
西側の科学者 にも「 原子力村 」はあったのかね。
私 : 反撃 するにもすでに 著者と母国のつながり は切れていたが、 驚くことに著者は、検閲を経て公開済みのソ連の科学者たちの論文に見られる不自然な省略、単位のすり替え、数値の使い回し、意図的な歪曲、生態系調査の偽装を見破り、事故の全体像を詳細に再構築 。
独自に情報を得ていたCIA への資料開示請求 などを経て、 79年、『ウラルの核惨事』を刊行。
これで、 西側で事故が周知のものとなる一方 、 ソ連はチェルノブイリを経てベルリン の壁が崩れる89年 、 ようやくこれを公式に認めた 。
A 氏 : ソ連の鉄の検閲 があったが、 ソビエト体制下の科学者にも欲があり、実は広範囲にわたる詳細な実地調査を していた。
このような 専門家の研究成果 をくまなく精査するのは 至難の業 であるが、 著者にはその余白を埋め、有意な情報を読み取るだけの知識と経験があり、その意味で本書は、きわめてスリリングな知的推論の書でもある と 評者 はいう。
過去にも 日本語版 があったが、今回は ロシア語原文からの訳出 で、 チェルノブイリ、福島原発事故直後の論考 も加えて、 新たに書き下ろし の序文が巻頭を飾 り、 この核惨事について私たちが知りうる今なお唯一の書であり続けている と評者は言う。
私 : チェルノブイリに先立って惨劇を予言したとされるタルコフスキーの映画「ストーカー」 は、 過去に起きたこのウラルの事故を参照していた とも言われる。
さらなる過酷事故 で、 本書の価値がこれ以上増さないことを祈らずにはいられない と 評者 は言う。
地震大国日本
原発の再稼働が逐次開始されている
が、 さらなる過酷事故が起きないこと
を同様に祈りたいね。
しかし、昨日のブログでふれたように 福島原発の津波を02年にすでに15.7メートルと予測した地震学者島崎
氏が、 電力会社によっては、震災前と天災に対する姿勢が変わっていないという会社もある
というから心配だね。