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Ryu-chan6708

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2017.09.07
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「梟雄(きょうゆう)」という言葉 が出てくるが、 「梟」は「ふくろう」のこと 、性質があらく、昼はかくれ、夜出て小鳥などを捕食する。長じてその親鳥をも食う といい、 悪鳥・不孝の鳥として憎まれる という。

したがって「 梟雄」とは、「たけだけしい」「荒く強いこと」や、「 残忍で勇猛な人物」を意味する という。

日本史の戦国時代では戦国三大梟雄 といって、 北条早雲、斎藤道三、松永久秀 とするものと、 斎藤道三、松永久秀、宇喜多直家 とするものがあるという。

そのどちらにも 斎藤道三、松永久秀が共通 しているが、 この松永久秀が松永弾正 のことだね。

松永弾正 軍や主君を殺すなど、裏切りを繰り返した「梟雄」とされていた が、 天理大の天野忠幸准教授(日本中世史)の研究 で、 松永弾正 の逸話は後世の創作や誇張 で、 実際には忠義の人だったことが明らかになってきた という。

A 江戸中期の逸話集「常山紀談」 では、 家康が信長に 対面した際 信長 久秀について 普通の人が出来ないことを三つした 」として、 将軍を殺し、主君を殺し、東大寺大仏殿 を焼いた と紹介したという。

現代でも多くの小説やマンガ、ゲームなどに個性の強い悪役として登場 し、 天野准教授 も「 調査するまで、主君を裏切り、暴れまくるイメージしか持っていなかった 」という。

:しかし、 天野准教授が古文書を調べる と、 有名なエピソードとは異なる事実が次々と明らかになった といい、 今春に「松永久秀 歪められた戦国の“梟雄”の実像」(宮帯出版社、本体3500円)にまとめた

天野准教授 によると、「 常山紀談」があげた三つの悪事 のうち、「 将軍殺し」はそもそも事実ですらなく 室町幕府の13代将軍、足利義輝は1565年に殺されるが、久秀はすでに大和で隠居し、攻め込んだのは息子の久通だった

A 「主君殺し」 については、久秀が補佐していた 主君の三好長慶 の息子、義興は22歳の若さで亡くなり、 久秀による毒殺説もあるが、実際には死を嘆き、「敵が出てきたら、真っ先に戦って死んでしまいたい」と書いた手紙が残り、その後隠居する

:また、 主君の三好長慶に裁判の最終判定のお伺いをたてたり、支配を任された大和での戦況を報告したりする文書 が残り、「 久秀の越権行為は確認出来ず、自分を取り立ててくれた長慶に背くことは一度もなかった 」と 天野准教授 はいう。

A 3つ目の「大仏の炎上」そのものは事実 だが、 長慶の死後、久秀と敵対するようになった三好家の有力者「三好三人衆」が67年に大和へ攻め込み 東大寺に陣を張ったため、夜襲をかけた際の失火で燃え広がった らしく、 故意に焼いたわけではない証拠に、翌年には再興のために尽力している という。

:では、 なぜ簡単に裏切りを繰り返す、悪名高い人物として伝わるのか

久秀 出自もはっきりしない松永の姓 のまま、 異例の出世 を遂げ、将軍からは三好長慶・義興親子とともに、かつて 足利尊氏が後醍醐天皇より賜ったという桐の紋章の使用も許可されている。

天野准教授 は、「 家柄社会に慣れきった当時の人にとっては、社会秩序を破壊しているともとれる 」という。

家臣なのに主君と同じ待遇を受けた久秀 は、 主君への敬意を重視する江戸時代 の儒学者から危険な存在とみられる ようになった。

A 現代では有名な久秀の「爆死」 も、 後世の創作 という。

戦前の小説からは爆死の記述が見つからなかった といい、 戦後に作られた俗説の可能性が高い という。

「『聖徳太子』と『厩戸王』併記に批判、なぜ?」 でふれたように、日本史の研究が進むと 聖徳太子の存在が疑問視 されたりする。

日本史は、まだ史実をめぐって研究の余地が多い ね。

来年の NHK 大河ドラマは「西郷どん」 西郷隆盛 をとりあげるようだが、これもいろいろな 新事実 がもりこまれるようだね。






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Last updated  2017.09.07 09:24:21
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