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私 : 題名の「 安定した天才」 とは、 トランプ氏が自分自身についてツイートした言葉からきているもの で、 NY市立大教授の クルーグマン 氏にとっては、 皮肉の材料 になっている。
教授 は、 この 偉大な国・米国は凡庸な男 に導かれたことも少なくなく、 中には好ましくない人柄の者もいた が、 「二つの理由」で、彼らは大きな害を及ぼさなかった という。
「 第一の理由」 として、 二流の大統領の周りには、たいていは一流の公僕がいた こと。
例えば、 ロナルド・レーガン 元大統領 は職を離れて 5年後にアルツハイマー 病 と診断 されたが、 2期目にすでに認知衰退の兆候が見られたかについて議論が続いている が、 ジェームズ・ベーカー氏が財務省 を、ジョージ・シュルツ氏が国務省 を指揮していたから 、 大きな決断を下しているのが適任者なのかどうかを心配する必要はなかった。
A 氏 : 「 第二の理由」と して、 権力の「チェックと均衡」の制度が、法の支配を無視したり地位を乱用したりしそうになる大統領を抑えてきた ことがある。
大統領を批判する者を投獄 したり、 在職中に私腹を 肥やし たりしたいと切望した大統領 もおそらくいただろうが、 あえて実行に移す者は一人もいなかった。
私 : 「第一の理由」 について具体的にふれると、 「とても安定した天才」と自称するトランプ大統領 は、 ホワイトハウスに普通でない部下を引き連れてきた と 教授は指摘 する。
すでに 外国政府との結びつきに関してFBIに虚偽の供述をした罪を認めた大統領補佐官(国家安全保障担当)フリン氏は辞任。
高額なプライベートジェットの頻繁な使用が致命傷となったトム・プライス厚生長官も退場 。
A 氏:しかし、 教授 は、 ほかの問題の面々はまだ在職していて、ムニューシン氏が財務省にいると指摘 していて、 より下級の官職でも、数多くの信じられないほどひどい指名が、市民が知らぬところで行われている という。
そして不適任者が入り込んでくると同時に、適任者が逃げ出していき、 国務省 では大勢の経験豊富な人材が逃げており、もっと深刻なのは、どうやら同様の大流出が国家安全保障局でも起きていること。
私 : つまりトランプ氏のたった1年で、私たちは最悪で最も愚かな政府 へと、はるばる連れてこられてしまったと教授はいう。
すなわち、 先にあげた、大統領が二流でも 大統領の周りには、たいていは一流の公僕がいた という 「第一の理由」が崩れている というわけだ。
A 氏 : 「第二の理由」の大統領に対する 「チェックと均衡」 については、 1970年代のウォーターゲート事件 の当時、 共和党員は大統領の違法行為を気にした かもしれないが、 今日の共和党員は明らかに、「とても安定した天才」トランプ氏の特権を守り 、 彼に好きにさせることが、自分たちの仕事と考えている と 教授 はいう。
私 :最近、 マイケル・ウルフ氏のトランプ氏についての暴露本 がでたが、 教授は暴露されたことがそれほど衝撃的とは思わなかった一人だ という。
数多くの報道がこの政権について伝えてくれることを、ただ確認しているにすぎなかった からだ。
教授 が思うに、 連邦議会の指導的な共和党 議員たち が、 司法妨害に加わる決心を固くしつつある兆しである と 指摘 している。
A 氏 : 下院情報委員会のデビン・ヌネス 氏は 大統領選へのロシアの介入について司法省 が調 査しようとするのを何度も邪魔してきた が、 これまではヌネス氏のような隠蔽派の議員の行動が、独自のものかどうかは明確ではなかった 。
だが、 ポール・ライアン下院議長は、今や完全にヌネス氏の側に立ち、実際、妨害に全面的に賛成の立場。
私 : 同時に、2人の共和党上院議員が、ロシアの介入に関する 刑事告発 について、知られている限り初めて議会の付託を行った。
敵対する外国政府に協力したかもしれない者に対してではなく、トランプ氏とロシアの共謀の可能性に関する調査書類 を作成した元英国情報部員に対してだ。
A
氏
:
つまり、 世界の大半がトランプ氏の大統領職への適性を疑問視しているのに、彼を抑えられる一握りの人たちは、彼に法の支配を超越させることに全力を注いでいる
と 教授
はいう。
すなわち、 「第二の理由」の大統領に対する 「チェックと均衡」も崩れているということだ。
私 : 今のところ、米国政治規範の内部崩壊が日常生活に及ぼす影響は驚くほどに少ない。
大統領は朝の時間をテレビ鑑賞と怒りのツイートに費やし、政府の能力を大混乱させている 。
そして 共和党 は、 トランプ氏が外国のスパイかどうかを市民に知られたくないと思っている のに 株価は上がり、経済は成長し、新たな戦争に陥ってもいない。
だが、 まだトランプ大統領の初期段階 で、 この偉大な国・米国をつくりあげるのに200年以上かかった のだから、おそらく 「とても安定した天才」(トランプ氏)をもってしても、完璧に破滅させるのには2、3年を要するだろう と 教授 はいう。
大統領が二流でも、彼らは大きな害を及ぼさなかったという「二つの理由」 が、 教授の指摘のようにトランプ大統領については消滅している実態 なら、 「トランプ現象」はまだ続く ことになるね。