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私 : 20日 、 「三菱マテリアル」 は 子会社 の 「三菱電線工業」による「品質データ改ざん」問題について調査報告書を公表。
それによると 不正の原因 に、製品をつくっていた 「三菱電線工業」 全体に 「品質管理に関して独りよがりな『おごり』 」が根付いていたと分析し、 経営陣の「ガバナンス(企業統治 )が十分に機能していなかった」と指摘 したという。
A 氏: 「おごり」 とは、どうも 企業活動にふさわしくない情緒的な言葉 の登場だね。
私: 報告書 によると、 不正の原因は、「三菱電線工業」に十分な職員数や設備が確保されていなかったこと にあり、 なかでも「品質保証部門」が弱く、「製造担当部門」から「不適合品」でも合格とするよう要求されていた という。
これもおかしな報告だね。
「ものづくり」は「製造担当部門」の仕事だから、「品質保証部門」は直接関係ない
がね。
A 氏 : 「品質データを改ざん」できる許容値を記した指南書「シルバーリスト」が共有され、幹部がこれに基づき改ざんを指示 。
不正は組織的に行われたが、「顧客からのクレームはない」などの理由で正当化された という。
私 : 「再発防止策」 として、 「品質データを改ざん」できないように検査システムの自動化 や、 「品質保証部門」の人材を補強したり、独立性を強化 したりするという。
これもおかしな「再発防止策」 だね。
この 発想の基本 には、 「品質データを改ざん」の犯人は、ものづくりの「製造担当部門」で、犯人を監視するのが、「品質保証部門」だという考え がある。
そして、「品質データを改ざん」という犯罪を再発しないように「品質保証部門」という「警察を強化する」という対策の発想につながる ね。
普通、 犯罪増加を抑えるのは警察力の強化は暫定策
で、 根本対策は犯罪増加の原因となっている貧困の撲滅など、犯罪の発生場所の徹底的分析と改革
で、これが常識だよ。
「三菱マテリアル」の報告書にある対策にはその常識がない。
A 氏 : 「三菱マテリアル」には「品質管理」について、何か基本的な理解不足 があるようだね。
私:「品質管理」とは、「品質ヲ管理スル」のでなく 、 「品質デ『ものづくりのプロセス』ヲ管理スル」 んだね。
何故なら、品質は「ものづくりのプロセス」で生み出されるのだから 。
だから、 品質の「不適合品」 が出たら、 その原因は「ものづくりのプロセス」にある のだから、 「不適合品」を発生させたプロセスの原因を分析 し、 その原因を潰し、「不適合品」の再発を防止 して、 品質を向上するのが「品質管理」で、「品質保証部門」の仕事でなく、「製造担当部門」の仕事 だね。
そうやって、 品質を向上していくのが「製造担当部門」のプライド
だね。
A 氏:それをしないのは 「製造担当部門」 の 「おごり」でなく、「ものづくり精神の貧困・無知・怠慢・プライドの喪失」 だね。
この前の 「 デミングやISO9001の忘却・ 」でふれていた、 PDCAの欠如 だね、
P
l
a
n
(
計画
)
し、
D
o
(実施)し、
Check
(チェック)して、「不適合品」を発見したら、
Action
(行動・改善)の順序で、行動する
ことを、 敗戦で崩壊していた日本に教えたのがこのデミングサイクル
だ」ね。
私 : 日本はこれを忠実に守り、1980年代には品質で世界を制する までになる。
「三菱電線工業」は、 PDCA構成の国際規格 ISO9001の認証をとっていたが、 「品質データ改ざん」問題で取り消された 。
そして、その親会社「三菱マテリアル」の対策には、かって、世界を制覇した PDCAの考えの影も形もない。
「三菱電線工業」も調査報告書を書いた 「三菱マテリアル」も、 デミングのPDCA以前の敗戦直後の日本の品質管理の理解度のレベルにもどった ね。
「デミングの忘却」 の 例 がまた出た。