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私 :もともと、 シリア内戦 は、 中東の民主化運動「アラブの春」の影響を受けて、民主化を求める人々をアサド政権が弾圧したことをきっかけに始まる。
イランは「主権尊重」を掲げ、アサド政権の支援 にまわり、 イランが派遣した民兵や部隊は政権軍の屋台骨を支える。
A 氏 :一方、 サウジはアサド大統領退陣を訴え 、 反体制派を支援したが、反体制派は劣勢に追い込まれ 、 残る大規模拠点は北西部イドリブ県のみで、支配地は国土の1割にすぎない。
イランにはイスラム教シーア派 が多く、 サウジはイランについて、「イスラム教シーア派の人々を扇動して、各国の政体転覆をもくろんでいる 」とみる。
イラン封じ込めは最優先の対外政策になっているが、成果は出せていない。
中東ではシリアとイエメンのほか、レバノンとイラク でもイランと関係の深い勢力が影響力を持つ。
アラブ諸国、そしてイスラム教多数派のスンニ派の盟主を自任するサウジ だが 、その周辺では、イランの影響力が強まる一方。
私 : 焦るサウジ に、 千載一遇のチャンスと映ったのがトランプ政権の誕生 。
トランプ 氏は 17年の大統領就任前からオバマ前政権が結んだイランとの核合意を批判。
就任後は破棄をちらつかせ、イランへの厳しい姿勢を保っている。
トランプ 氏は 17年5月、初めての外遊先にサウジを選び 、 その外遊中、サウジは米国と計1100億ドル(約12兆円)に及ぶ巨額の武器購入契約を結び 、 米国の利益にこだわるトランプ氏を喜ばせた。
サウジ政府 は否定するが、 イスラエルと接触しているとの情報は17年以降、たびたび報じられており、「対イラン」で結束するサウジとトランプ政権、イスラエル の関係 は、 今後さらに強まる可能性が高い。
A氏 : アラブ だが、 ムハンマド皇太子は32歳 だが、 国王の信頼を得てライバルになる勢力を追放 し、 禁止されてきた映画館の運営や女性の車の運転を次々に解禁すると表明し、「新世代の改革者」という名声を確立 し、 大な権力を独占 している。
だが、 台所事情は厳しく 、 「20年までに石油に依存しない経済に移行する」 とぶち上げたが、 政府歳入は今も7割近くを原油に頼る 。
歳出の2割超を占める軍事費 は 「イランの脅威」で年々増加 し、 5年連続の赤字予算を圧迫しており、国民に対する補助金も減らさざるを得ない状況。
サウジにアラブの連帯を尊重する余裕 がなくなり、 ムハンマド皇太子が国益の最大化を目指す「サウジ・ファースト」の姿勢を強めている ことは、 アラブ諸国の分断を招いている。
私 : イランに対するサウジ劣勢の巻き返しを狙うムハンマド皇太子の「賭け」 は、 混迷の中東をさらに不安定にするリスクを伴う。
内戦が続くシリア では、 イランが支えるアサド政権が優勢を固め、サウジが支援する反体制派は退潮が著しい。
サウジはトランプ米政権に接近して挽回を期す が、 なりふり構わぬ外交がアラブ諸国を分裂させている状況。
シリアとイランとの連合にロシアもからんで、これに対立するサウジと米国の争いは、複雑な構造 となっているね。
サウジの成否は、 サウジを最大の石油調達先とする日本にとってもひとごとではない。