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私 :昨日に続き、 「チャイナスタンダード」 をとりあげる。
ここでは、 朝日新聞 は、 識者 として、 早大 名誉教授・天児慧氏と、ユーラシアグループ社長、イアン・ブレマー氏の両氏 に意見を聞いている。
天児慧 氏は、 「国家主席の任期制限撤廃など、習氏による『独裁』を巡る議論は、人類共通の歴史的な政治課題と捉えた方がいい。ドイツでヒトラーが台頭したように、政治システムは民主主義が問題を解決できなくなると独裁に、独裁が強まると民主主義に振れる。
冷戦の終結はリベラルデモクラシーの勝利ととらえられたが、いま民主主義は世界が直面する課題を解決していない」 という。
A 氏 : トウ小平を含む指導者たちの時代は、民主化も考えていた が、 今は、 西側の民主主義は行き詰まったと指導者が認識。
習氏が国家主席に就任した2013年 ごろから 共産党は、経済と政治を含む概念として新たな「中国モデル」を意識し始めた という。
昨年の共産党大会 などを見ると、 50年ごろには米国を超えるという目標 を立てているようで、 理念やシステムで世界的な影響力を持つという戦略が出てきているのではないかと 天児慧氏はいう 。
「賢人政治」 は、 民主主義か独裁か、という問題への一つの答え だが、 中国の文脈では儒教の伝統という面 があり、 修身によって聖人をつくり、その聖人による統治を理想とする考えが、中華帝国の中心的イデオロギーとしてあり 、 近代以降、儒教は遅れた思想とされ、共産党も否定したのだが、最近は復活しつつある という。
私 :明 確な方向性を提起するには「賢人政治」の方が優れた面 もあり、 中国を「あいつらは独裁だ」と批判するだけでは低質な議論 にしかならず、 民主主義を鍛える努力を抜きにして、独裁と比べるべきではない という。
しかし、 一方、習氏は「賢人政治」に必要な、優れた指導者を選ぶ仕組みを作っておらず 、 民主主義と中国式統治は、どちらも試されている。
中国はかつての英米のように基準をつくり、世界をデザインする意欲 があっても、 一番の障害は中国の政治文化がトップダウン型 だが、 欧米はボトムアップ型 であり、 そこから民主主義も生まれ、中国が善政を敷くといっても抵抗があるはず だという。
天児慧 氏は、「 『パックスシニカ(中国による平和)』の実現は、やはり人権や自由といった普遍的価値を中国自身が受容するかどうかにかかっているのではないか 」という。
A 氏 :もう一人の識者である ユーラシアグループ社長、イアン・ブレマー 氏は「 (リーダー不在の)『Gゼロ』世界、中国の好機 米の政治、深刻に壊れている 」として、 「Gゼロ」は中国にとって、とても大きな機会 となり、 ブレマー 氏は、 中国が政治的空白を利用することを今年の10大リスクの1位に挙げており、明らかにそうなっている という。
それは、 中国により適した秩序である「一帯一路」の構想 、 また終身制になりうる習氏の国家指導者としての地位などに表れている という。
私 : 習 氏は 昨年10月の共産党大会で、経済、技術、軍事面で世界の超大国になる用意がある、と公言 。
これは、 米国への直接的な挑戦 で、 1991年にゴルバチョフ氏がソ連の終わりを宣言して以来、世界で最も重要な演説だ と ブレマー 氏はいう。
また、 「米国が主導した世界は、中国が主導しそうな世界より個人の権利に関心を払ってきたと言える。米国がそうした関心や能力を持たなくなれば、我々は重要なものを失う。価値を築くのは長い時間がかかり、再建するのはとても難しい 」とも、 ブレマー 氏はいう。
いずれにしても 両氏の意見には「チャイナスタンダード」に対する危機感が共通して感ぜられる ね。