知的漫遊紀行

知的漫遊紀行

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

Ryu-chan6708

Ryu-chan6708

Calendar

Favorite Blog

まだ登録されていません

Freepage List

2018.08.22
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類

「Gゼロ」とはリーダー役不在の世界 をさす。

特に、 国際協調から背を向ける米国と、強権体制を強めつつ経済強国路線を突き進む中国との対立 が問題になっている。

米国のトランプ政権 が、 中国に通商紛争を仕掛けるのは、トランプ氏は貿易赤字は悪いものだと、ひたすら信じ込んで いて、 通商について何も知らず 側近の高官たちはそれをわかっているが、大統領に直言できないからだ と、 ブレマー 氏は 厳しく批判 している。

かつて、 米国など西側社会には中国が消費者主導の経済になれば、政治改革は避けられなくなるとの楽観論があった が、 それは誤り だった。

習近平 国家主席 は「終身元首」として権力を固め 「西側モデル」を採用するつもりはないどころか、国際通貨基金(IMF)や世界銀行など米国主導の多国間協調と異なるシステムを築こう としていて、 米国側には、今のうちに中国をたたいておくべきだとの中国への脅威論も背景 にある。

一方、 トランプ氏は習氏を強いリーダーとみなしていて、彼は 同盟国 よりも強権国のリーダーと良好な関係を持つことを望んでおり 、通 商問題と、 北朝鮮 など安全保障上の思惑を結びつけて考えるのもトランプ氏の特徴。

A 中国市場の閉鎖性 に対しては 米国に限らず批判が強まっている

ブレマー 氏は、 米国モデル」は価値基準を受け入れれば誰もが等しく参加できるが 「中国モデル」は普遍性 に欠ける から、 中国が国家 資本主義 と強権体制を維持しつつ、世界最大の経済大国 になることは、「グローバルな自由市場 の終焉」を意味する という。

中国の一帯一路構想 も、 (中ロと中央・南アジアの計8カ国が参加する)上海協力機構も多国間協調の体裁を装っているが現実は違い 自転車のハブとスポークのような構造 で、 中心にあるのは北京で、中国の経済的利益が最大化される仕組み だと、 ブレマー 氏は 指摘 する。

トランプ 氏も 保護貿易主義への姿勢 を強め、 WTOへ敵意 をあらわにしているが 、トランプ氏が関心を持つのは長期的戦略や国益ではなく、目先の政治的利益。

自分の思うままに振る舞える方が他の強権リーダーとうまく渡り合え、プーチン氏や 金正恩 氏との首脳会談もそうだ と、 ブレマー 氏はいう。

A 氏:また、 ブレマー 氏は、 「私が『Gゼロ』の問題を提起した7年前は、ここまで事態が進むとは予想していませんでした。世界的に好調な経済でかろうじて持ちこたえていますが、『Gゼロ』」がもたらす混乱は予想より長く続き、危険なものとなりそうです」 という。

しかし、 ブレマー 氏は、 トランプ氏が「Gゼロ」の主原因というわけではなく 米国に限らず、過去5年間で世界でリベラルな民主主義は弱体化した という。

世界でポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭、グローバル化を支持してきた既存の政治に対する大衆レベルでの反感の広がりなどが原因

G7(主要7カ国)やNATO など国際秩序を支えてきた枠組みも弱体化 し、 トランプ時代が終わっても、元に戻らないかもしれない という。

世界が米国と中国だけによって仕切られるシナリオ もあり得て、 とりわけ先端技術分野で米中は他国より飛び抜けて先行 し、互いに対抗しており、 新たな冷戦の到来を予感させるほど。

まさしく 「世界を二分するシステム」と呼ぶべき状況 で、 グローバルな秩序とはいえままい ブレマー 氏はいう。

とりわけ、 ブレマー が、 深刻に懸念するのはAIをめぐる米中の対立 で、 中国は独自のビッグデータを用いて米国と全く異なるシステムを築きつつあり 両国の軍拡競争の一翼をAIが占めている が、 この分野では抑止力も相互の協力も対話もない。

「冷戦」にとどまらず、現実の戦争につながりうるリスクだ ブレマー 氏はいう。

 ところで、 ブレマー氏は日本について 「素っ頓狂な話と思われるかもしれませんが、大国の中で民主主義が比較的うまく機能しているのが日本です。人口減少に伴い労働者層の状況が良くなっている。欧米で起きているような移民の大量流入がない。戦争をしていない。ソーシャルメディアの普及度が他国と比較して低い。かくしてポピュリズムへの耐性を備えている」 という。

A氏 トランプ政権に追随する日本の姿勢 については、 トランプ氏は政治家としてあまりに異色で、安倍首相との関係も一方通行 で、 日本が得たものはあまりない という。

巨大化する中国に日本はどのように向き合うか、 については、 ブレマー氏は、 中国は(20、30年のうちに)支配的なパワーになる から、 中国との関係改善こそ日本がとりうる唯一の選択肢 で、 AIIBに日本は参加すべきだし、軍事力を強化して対抗していくことは賢明な策とは言えず 歴史認識をめぐる対立も解消しておいた方がいい という。

 また、 ブレマー 氏は 「しかし、日本は中国にないものを持っています。優れたインフラ、質の高いサービス産業。高齢化社会にうまく適合している。中国は豊かになればなるほどそうしたものを欲しがります。日本がそれを利用しない手はありません」 という。

中国の巨大化に対応して、「 G ゼロ」の世界の中で、先進国トップの少子高齢化問題をかかえる日本の対応は難しい課題をかかえていることだけは確かだ ね。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2018.08.22 17:53:07
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: