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Ryu-chan6708

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2018.08.21
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多賀谷克彦 氏が、 2年前 パリのオルセー美術館を訪ねたとき マネの代表作の一つ「笛を吹く少年」の前 で、 小学生十数人が床に腰を下ろし ていて、 先生らしき人が話しかけていたが、しばらくすると、子どもたちが次々と話し始めた。

どうやら絵の感想を語り合っているようだった。

多賀谷氏は、日本との違い を感じた。

日本ではフランスと違い、美術品は、静かに鑑賞するべきもの で、 何人かがしゃべり始めようものなら、しかられるだろうし、小さい子どもも、あまり歓迎されない。

鑑賞会でも、学芸員の説明を一方的に聞くことが多い だろう。

ところが、 関西経済同友会が今秋、会員企業が所蔵する絵画を持ち寄って展覧会を開き、小学生を招待 し、しかも、 オルセーで見たような「対話型鑑賞会」を開く という。

A 日本 では 美術鑑賞・教育といえば、作品にまつわる情報、時代背景や技法などが重視される。いわば「この絵はこう見なさい」という一方的な教え。

しかし、「対話型鑑賞」は違う。

ナビゲーター とともに、 絵から何を感じるかを考え、直感力や、それを感じた根拠を説明できる表現力が求められ、他者の感想も聞く。

異なる意見をどう受け止めるか、彼らとどう対話するか、コミュニケーションの基礎 である。

この「対話型鑑賞」は1991年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)が開発

MoMAに勤務し、対話型の普及に努めた京都造形芸術大教授の福のり子 氏が同僚から聞いた話だが、 小学生の男の子にモネの「睡蓮」を見せたとき、彼は「カエルが葉の上にいっぱいいた。僕が来たから池に逃げた」 と言ったという。

福のり子 氏は、 モネはカエルを描いていない が、 小学生の男の子は描かれた数多くの波紋からそう思ったらしい と言い 「学校の授業なら、何を言ってるの、となるでしょう。でも素晴らしい想像力じゃないですか」 という。

A 「対話型鑑賞」によって養われる力 は、 子どもだけでなく、社会人にも求められるもの で、 我々が受けてきた教育は、用意された答えを見つける作業。

でも、「対話型」にはあらかじめ用意された答えはない。

これからの時代に求められるのは、社会の課題がどこにあるかを見つける力で、問題を見つけられなければ先には進めない と、 多賀谷 氏はいう。

経済団体といえば、財政や税制など自らの企業活動の利害に絡む政策課題について提言するのが主な仕事 だったが、 国連の持続可能な開発目標(SDGs)が示すように、社会が抱える課題は多様化している。

政府や公的機関だけでは解決できない課題がほとんど。

この「対話型展覧会」を企画した一人、関西経済同友会の坂上和典 氏(博報堂 特任顧問)は 「提言だけではなく、経済団体も地域社会、次世代の人たちに何ができるかを考えるとき」と語る。

自らの役割を見つめ直して見つけた問いであると 多賀谷氏は高く評価 しているね。

「対話型鑑賞会」での小学生の多様な発言の場を見たいものだ ね。






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Last updated  2018.08.21 19:12:35
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