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私 : 大手電力会社に対する買収劇と原発事故を描いた作者の真山仁 氏が、 朝日新聞の取材に応じた。
人気小説「ハゲタカ」シリーズ5作目となる新作「シンドローム」が刊行 され、 原発事故や電力の問題 について 「(著書が)改めて真剣に考えるきっかけになれば」 などと語った。
今回 、買収の標的にしたのは、国の特別待遇で「絶対に損をしない」収益構造を持った「首都電力」。
その東北地方の原発が2011年3月、巨大地震と津波に見舞われ、メルトダウン( 炉心溶融 )を起こし、責任回避に躍起になる首都電に対し、主人公・鷲津政彦が果敢に買収を仕掛けていく、というストーリー だ。
東京電力福島第一原発事故故後、真山氏は関係者に集中して取材 し、 小説はフィクションだが、数々の証言や調査に基づいた場面描写は生々しい。
A 氏 : 「ハゲタカ」シリーズで真山氏は、バブル崩壊やリーマン・ショックなど日本経済や世界経済の転換点を描いてきて、このシリーズが「『歴史小説』なんだと気付いた」 といい、 11年の東日本大震災と原発事故を描くことは「必然だった」 と語る。
主人公は、これまでダメな企業を買いたたいては再生してきたが、今回の標的は地域の電力供給 を独占し、かかった費用をすべて電気料金 に上乗せできた電力会社 。
真山 氏は 「ライバルがいない。コストが上がれば(電気代に)のせる。やりたい放題。だからハゲタカにとっておいしい企業ですよ」 という。
作中で、国の原発政策の責任も問い、「国内に原発を50基以上も抱えるのに、なぜ事故に対応する手法・組織がなかったのか。大きなショックだった」 からだという。
私:ブログで 「ベイジン」上巻 と 「ベイジン」下巻 で、すでに、 原発事故以前 に 真山氏はフィクションで描いている。
この小説は福島第一原発事故の3年前 の 2008年7月 に単行本で発刊され、 原子炉のトラブル を扱っているが、最初、 日本の原子炉を舞台 にしようとしたが、日本の専門家に 「 日本の原子炉は絶対安全だ 」と言われ、 中国に舞台 を移したという経緯がある。
もし、そのとき、著者がこの小説の舞台を日本にしたら、 政(地方自治体も含む)・官・民・学・マスコミ の「 原子力村 」を描いただろうね。
真山仁 氏は「 全電源喪失 」をすでに「想定」してこの小説を書いていて、原子炉の冷却に消防車の水を使うが、これもなくなると、 海水 を使うことを考えるというように 、「全電源喪失 」 をすでに「 想定 」してこの小説を書いていて、 福島第一原発事故 を予言 したようなストーリー展開。
この 作家の「想像力」
は、3年後の
福島第
1
原発を予告
したものになっていた。
しかし、「 原子力村 」の「 原発安全神話 」がそれを阻んだようだ。
福島第1原発事故
は「 想定外
」で逃げているが、それは「
想定外」
でなく、
当事者
の「
想像力
」の欠乏からくる「
想定外
」。
「 原子力村
」の人びとにせめて
真山
氏くらいの
謙虚な「想像力」
があったら、今度の事故対応は大きく変わり、逆に
日本の原子力技術
を世界に宣伝できただろうに。
「 想像力 」欠如の「 傲慢 」というのは怖いね。
真山 氏は、 2ヶ月ほど前 、 テレ朝のインタビュー で 「失われた20年」は30年、40年となっており、原因は日本の産業力の停滞だ と言っていた。
真山氏の今後の日本経済の行方についての「想像力」に期待 している。