小説だとダンスの複雑な動きを描写しにくくて相性が悪いせいか、ダンス自体をテーマにした有名な小説があまりない。しかし『伊豆の踊子』や『舞姫』のように登場人物としてダンサーが出てくることはある。漫画だと音は描けないもののある程度動きを描けるので、ダンス自体をテーマにした作品がある。特にバレエは女性に人気のテーマのようで、バレエ漫画が1970年代から現在までに16作品あるようである。映画だとより直接的にダンスを描けて派手なダンスシーンを見どころにできるので人気の作品が多い。『フラッシュダンス』、『ワイルド・スタイル』、『ブレイクダンス』、『フットルース』、『グリース』、『サタデーナイトフィーバー』、『リトル・ダンサー』、『shall we ダンス?』とかは面白かった。『サタデーナイトフィーバー』のジョン・トラボルタはスカした感じがちょうどよくてはまり役である。ダンス自体をテーマにしなくても、『マスク』で警察官に囲まれたときに踊ってごまかしたようにダンスシーンを入れて盛り上げることができるし、ストーリー自体はたいしたことがなくてもすごいダンスシーンがある映画は楽しめる。インド映画だとストーリーと関係なしにやたらと踊っていて賑やかである。ドキュメンタリー映画だとオペラ座のバレエ団を特集した『パリ・オペラ座のすべて』、トミー・ザ・クラウンの活動を特集した『RIZE』が面白かった。