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生徒たちが「ひねり」と感じる部分は確かに存在する。
たとえば、新中問(標準編)中1に次のような問題がある。
「家からバスの停留所まで歩き、そこからバスで駅へ行った。その道のりは全部で30kmで、家を出てから1時間27分で駅に着いた。歩く速さを時速4km、バスの速さを時速40km、停留所でバスを15分待ったとすると、家から停留所までの道のりは何kmか。」
まず、速さの方程式に関しては既に基本はマスターしている生徒である。
線分図も書けるし、教科書レベルの典型的な問題であれば、難なく解ける子である。
しかし、上記の問題でストップした。
こうした時、基本的に私はすぐには教えない。
まず、文章題をスラッシュで切り、スラッシュで切ったところまでで出来る作業をやらせてみる。
上の例題で言えば、次のようにスラッシュを入れてみた。
「家からバスの停留所まで歩き、そこからバスで駅へ行った。/その道のりは全部で30kmで、/家を出てから1時間27分で駅に着いた。/歩く速さを時速4km、/バスの速さを時速40km、/停留所でバスを15分待ったとすると、/家から停留所までの道のりは何kmか。/」
こんな感じである。
そして、スラッシュ単位で、出来る作業をどんどんやらせていく。
「家からバスの停留所まで歩き、そこからバスで駅へ行った。/」
→この段階で、生徒は線分図を書き、「家」「バス停」「駅」と日本語を記入した。
線分図は左右半分に分かれたことになる。
「その道のりは全部で30kmで、/」
→この段階で、その生徒は、線分図の上に30kmと記入した。
私は「はい、ここまでで出来ることをやって!」と言うだけで、今の段階では一切ヒントを出していない。
「家を出てから1時間27分で駅に着いた。/」
→この段階で生徒は、線分図の下に1時間27分と記入した。
「歩く速さを時速4km、/バスの速さを時速40km、/」
→この段階で生徒は、線分図の下に時速を記入した。
(左半分には4km/時、右半分には40km/時と記入)
「 停留所でバスを15分待ったとすると、/
」
→ここで生徒のペンが止まった。
そこで私も、「じゃあ、ここは保留しようか。いったん次のスラッシュに行こう。」と言い、次へ向かう。
「家から停留所までの道のりは何kmか。/」
→この段階で生徒は、線分図の上、左半分にxkmと記入し、線分図の上、右半分に(30-x)と記入した。
ここで分かることは、生徒たちがひねりと感じるのは、上記
「 停留所でバスを15分待ったとすると、/
」
の部分である。
生徒にも、「ね!この部分が、みんながよく言う、ひっかけとか問題がひねられているという部分なんだよ。じゃあ、ここの部分をどうしようか。」と30秒から1分程考えさせる。
それでも答えが出なかったので、
「もし、15分間 待たなかったとすると
、家から駅まで全部で何時間かかったことになる?」
とヒントを出すと、
彼女はハッと気づいた表情を浮かべ、
先ほど書いた1時間27分を二重線で消し、その下に「1時間12分」と記入した。
(ちなみに、生徒の力にもよるが、この段階で1時間12分は、こちらで12/60と分数に直してしまうこともある。ここで「もう一段階」頭を使わせて、思考が停止するのを避けるためである。
分を時間に換算させることが、この問題の目的ではないので、それは別の機会、あるいはやり直しの際にマスターさせ、最後に総合問題という形で仕上げる)
関数問題や文章題で、生徒たちがどこに引っかかっているかを判断する際
私はスラッシュを入れながら、生徒に手を動かすように促す。
すると、講師側だけでなく、実は生徒自身もどこに躓いていたかがよく実感できるからである。
(たまに1行目でストップすることもある笑。その場合は、まだその問題を解く段階まで来ていないということなので、1つ前の例題や単元にさかのぼる必要がある。
よく「分かっていない所までさかのぼる」と言うが、実は分かっていない所を判断するのは意外と時間がかかる。これについては、またの機会に。)
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