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自校作成校の一部や都立中学の多くで模範解答を出していないという事実。これは非常に「 おそろしい」ことだと思う。上江洲先生のお話を伺い、私はその思いをいっそう強くした。その理由を述べたいと思う。
模範解答というものは、学校側(出題者側)が出してしまうと、基本的には誰でも(営業活動で忙しい専任講師や経験の浅い学生講師でも)受験指導が出来てしまうようになる。なぜなら、高校側や中学側の求めている解答が一目瞭然なので、過去問を入念に研究しなくても解答が分かってしまうからである。また、解答から逆算し、学校側が求めている模範解答を指導することも可能になる。
ところが、そうではない学校もある。都内で言えば、日比谷高校や新宿高校の英語、あるいは都立中学の多くは、「オフィシャルの解答」を出していない。私は数年前、都教育委員会や都立中学に対し、模範解答例を出すべきである旨を伝えたことがあったのだが、それでも頑なに拒否された。つまり、都立中学や日比谷高校の受験生を担当している指導者は、みずから模範解答を作成しなければならないのだ。
同時に、もう1つ重大な事実があることも忘れてはいけない。それは 学校側は、間違いなく模範解答例を持っているという事実
である(←ここが重要)。超一流の入試問題とは、アドミッションポリシーが存在している問題であることは先程述べた。また、日比谷高校の英語は超一流であることも述べた。すなわち、日比谷高校の英語は「こういう風な解答が書ける受験生が欲しい」という強烈なメッセージ性を持った入試問題と言えるのである。
要するに、 模範解答はオープンにされていないのだが、だがしかし、模範解答はそれでも確実に存在している
。私が「おそろしい」と表現した理由はそこである。
上江洲先生は1年分解いただけでその点に気づかれた。そして、先生の特別授業と黒板に書いた模範解答は、その点に十二分に留意した最高級の品質と言えるものだった。
(この項つづく)
上江洲先生特別講義13(最終回) 2013/11/17
上江洲先生特別講義12 2013/11/17
上江洲先生特別講義11 2013/11/17