2020年07月05日
XML
テーマ: 読書(8211)
カテゴリ: 本 ま行
今日の読書
この本の目的は、私たちが間違いを犯すおもな理由を明らかにしたうえで、どうすれば分析的思考を身につけ、科学的手法を用いて個人の生活を、そして世界全体をよりよくすることができるかを探ること
❤批判的思考:判断するために行う問題の客観的な分析および評価 思考の道筋をいつも最後まで論理的にたどる方法を身につければ、私たちは本能や直感などよりもはるかに信頼できる形で結論を下せるようになる。自分の信念に対して他人の信念と同じぐらい厳しい目を向ける。エビデンス、つまり明らかな事実を頼りにすることp16
❤話術において本当に重要なことはたった一つしかない。すなわち、繰り返しだ ナポレオン・ボナパルト
❤チェリーピンキングとは、エビデンスのなかから自分の考えに都合のいいものだけを選び、そのほかのものは排除又は無視すること
❤単一原因の誤謬p96
物事が複雑に絡み合った現実に対し、原因と結果がはっきりとしている単純な物語にして、単一の原因にしてしまうこと。最も有害な類いの社会的、政治的嘘を広める手段
❤誤った二分法p100
ほかにもたくさん選択肢が存在している状況でも、2つの極端な項目しか選択の対象にしない状況。実質的には中身がないにもかかわらず、デマに使われやすい。馬鹿げた理屈なのだがとても強力で、だまされやすい人を話者の望む方向へ導く磁石のような力を秘めている
❤ヒューリスティック:発見的問題解決、経験則p120考える時間を短縮して身を守る行動をとるなど。音に飛び退くなど
❤利用可能性ヒューリスティックp119新しい、あるいは容易にアクセスできる情報に重きをおく現象。
❤p121野球のボールとバットが合わせて110ドルで売られています。バットはボールよりも100ドル高価です。ボールはいくらでしょう。間違った答は10ドル➡️人々の多くは自信過剰で、自分の直感を信頼しすぎる傾向がある。数少ないデータから原因と結果の関係を推し量るとき、不当な結論に飛びついてしまわないよう慎重にならなければならない。火のないところにも煙は立つのだ。存在しない火を探す過程で、本当の大火事を引き起こしてしまうこともある
❤おとり戦略:ストローマン論法:相手の主張の代わりになる何かを攻撃することで、主張そのものを論破したかのような印象をつくり出すこと。
p148愚か者が賢人の言ったことを報告するとき、それは決して正確ではない。なぜなら、彼は無意識のうちに、自分が聞いたことを自分が理解できる何かに翻訳してしまうからだ。バートランドラッセル
ストローマン論法は正当な批判をつまらない意見に貶めるだけでなく、王様は裸だと、真実を述べているかもしれない人を悪魔にしたてあげる力を持っている。2倍のダメージを与える。ストローマンに警戒を怠らないことが大切
❤動機づけられた推論p169あるエビデンスを前に、それが信念を肯定するか否定するかと合理的に評価するのではなく、自分が信じていることに一致するエビデンスだけに目を向ける。信念に合わないエビデンスはすべて否定する。
切望していることを不確か希望に託し、想像していないことは大げさな理由をつけて押しのけるのは、人間の習慣である。トゥキュディデス
❤認知的不協和p170ある問題に対し2つ以上の相反する信念を同時にもつと、人は精神的に不安定になる。人がすでに保持している情報や行動に矛盾する情報や行動に遭遇したときに覚える不快感
❤p180ダン・カハンの研究
科学や技術、あるいはポリシーやエビデンスに関係する問題で見解の食い違いが生じるのは情報が不足しているからではない。理性的に考える能力を歪めるのは、情報不足ではなく、イデオロギーからくる動機
❤p183シュレーディンガーの猫
陰謀論さえ成立すれば、彼らの世界観は守られる。陰謀論の受け入れはコントロール欲と密接に関連している。自分はほかの連中よりも物事に精通しているの考える自己認識も関連している
❤エリザベス・ロフタスの研究p188
記憶はビデオ録画装置のようには働かない。出来事を記録してのちに再生する、というわけではない。むしろ、ウィキペディアのようなもので、あなたはそこへ行って、中身を変えることができるーしかも、ほかの人にも同じことができる
❤優越の錯覚p236
❤私たちが運勢占いや占星術に惹かれるのは、認められたいという欲求があるからだ
❤怒りのからくりp341
話の一貫性などどうでもいい。大切なのは、不協和音の種を蒔くことだった。皮肉なのは、作り話を拡散するために利用された陰謀論好きの人々は、現実問題として自分たちが役に立つ愚か者に成り下がっていることにまったく気づいていない点だ。うわさは一度根付くと、当初の思惑を越えて成長し、変化していく
❤nulius in verba 他人の言葉鵜呑みにするな ある発言を受け入れる前にその真偽を確かめるのは、私たち一人ひとりの義務である。心に響くから、怒りをあおるからといった理由で、何かを単純に信じてはならない。実際のところ、私たちは自分で考える以上に、報道に影響されている
❤悪のインフルエンサーp364
降りかかる騒音を切り開いて世界を正しく理解したいと望むなら、私たちは分析的に考え、科学的に疑いを抱く能力を身につけなければならない。そのためにも、何が科学なのかを、そして何が科学でやいのかを知っておく必要がある
❤科学と称する何かに遭遇したときに確認すべき点p385
・エビデンスの質
・権威
・ロジック
・検証可能な主張
・網羅的なエビデンス
・オッカムの剃刀
・立証責任
ペテン師や愚か者から自分を守るために、科学と疑似科学をふるい分ける方法を知ることが大切
❤カーゴ・カルトの出現p403
疑う気持ちと分析的な思考が何よりも重要。人に操作されたり誤解に導かれたりしたくないなら、疑う心が欠かせない
❤健全な疑い方p421
人間の間違いやすさと盲点を克服する唯一の手段が、分析的思考
・論拠
・レトリック
・人的要因
・情報源
・定量化
・科学
❤科学者のような考え方を身につけるために、私たちはエビデンスと理性に従い、過ちを認め、それを正すことを学ばなければならない。つまり、結論あるいは見解のすべてが一時的なものであり、新たな情報が現れたときには修正の対象になるということを受け入れる覚悟が必要になる。新しい情報に応じて考えを変えるのは恥ずべきことではない。また、証拠が見つからないときに慌てて意見を述べる圧力を感じる必要もない。結論を急がない態度は恥でも臆病でもない。不確かなままでいるのは落ち着かないことではあるが、じっと我慢しよう
❤パラドクサーという種類の人を説得することは絶対にできない
❤自分の考えを変えるぐらいなら現実を無視する。あるいは間違いを認めるよりもでたらめを広めるほうがいい、などと考えるほど自分の宗教あるいは政治的な固定観念にどっぷりと浸かっている人は、今後も存在しつづける。対話の中心をエビデンスと理性におくこと。大切なのは、信頼の置ける情報と用心したほうがいい情報を見分けること
❤瞬時に情報が手に入る今の時代の本当の課題は、信頼できるものとできないものを区別すること、反応するのではなくてよく考えること、そして与えられた情報をしっかりと疑問視すること
❤人格を決めるのは信念ではなく、考える能力

まどわされない思考 非論理的な社会を批判的思考で生き抜くために The Irrational Ape [ デヴィッド・ロバート・グライムス ]





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022年01月09日 11時28分41秒
コメント(0) | コメントを書く
[本 ま行] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

ひーちゃん・ダイエット

ひーちゃん・ダイエット

サイド自由欄

人気ブログランキングでフォロー













カレンダー


© Rakuten Group, Inc.

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: