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2024.05.09
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​​ 乗代雄介「掠れうる星たちの実験」(国書刊行会)
​​​ 乗代雄介 という作家にはまっています。まあ、何が面白いのかよくわからないままなのですが、
​​とりあえずみんな読んでみようか!?​​
 ​というはまり方です。
 というわけで、今回の 読書案内 「掠れうる星たちの実験」(国書刊行会) という評論集です。少し長めの評論が一つ、書評、創作をまとめた本です。具体的な内容は後ろに目次を貼りましたからそれをご覧ください。​​​

​​​ 案内するのは(まあ、案内になっていない木もしますが)表題の評論 「掠れうる星たちの実験」 です。
​ 読む作品、読む作品、語り手や登場人物の配置について、かなり意識的な方法論に基づいて書いているんじゃないかと、まあ、読み手のボクに思わせる 乗代雄介 という作家の 「小説」 に対する、自分では 「考え事」 といっていますが、まあ、小説論というのは少し大げさかもしれませんが、ようするに 「考え事」 が書かれている50ページほどの論考です。​​​​
​​ で、手に取って、まあ、最近は評論とか面倒なのですが、ついつい、読み続けたきっかけは、チョット、ボクには並べて考えるなんて、とても思いつきそうもない 二人の人物 を引っ張り出してきて 「考え事」 を始めていたからです。​​
​​​​​​  二人 とは、 「ライ麦畑でつかまえて」 サリンジャー 「遠野物語」 柳田國男 でした。まず、この取り合わせが面白いと思いませんか?​​​​​​
​​​​​ この お二人 が、 乗代雄介 「考え事」 に呼び出されていると聞いて、 「語り」と「記述」 「書きことば」と「話ことば」 、まあ、そのあたりを思い浮かべられた方は、なかなか、鋭いと思います。​​​​​
​ で、書き出しあたりに、 乗代雄介 はこんなことをいっています​
 まずは 「ライ麦畑でつかまえて」 のホールデンが、子供の頃エイグルティンガー先生に土曜日ごとに連れていかれた自然科学博物館について述懐する場面を見てみたい。ペアを組んだ女の子の汗ばんだ手、守衛の注意から、インディアンやエスキモー、鹿や南に渡っていく鳥の剥製を並べたジオラマ展示について詳述された後で 「でも、この博物館で、一番よかったのは、すべての物がいつも同じとこに置いてあったことだ」 とホールデンは語る。 「何一つ変わらないんだ。変わるのはただこっちのほうさ」 と続け、さらに変わるとは厳密にいえば 「こっちが年をとる」 ようなことではないと注釈をくわえている。(P11)
​​​​ 作家の 考え事 は、 「変わること」 「変わらないこと」 に焦点をあてて進みそうなのですが、続けて作家が引用したのは、下のような二つの文章でした。​​​
こっちがいつも同じではないという、それだけのことなんだ。オーバーを着てるときがあったり、あるいはこのまえ組になった子が猩紅熱になって、今度は別な子と組になってたり、あるいはまた、エイグルティンガー先生に故障があって代わりの先生に引率されてたり、両親がバスルームですごい夫婦喧嘩をやったのを聞かされた後だったり、道路の水たまりにガソリンの虹が浮かんでくるとこを通ってきたばかりであったり。要するにどこか違ってるんだ―うまく説明できないけどさ。いや、かりにできるとしても、説明する気になるかどうかわかんないな。(「ライ麦畑でつかまえて」サリンジャー)

 誰にでもいつ行ってもきっと好い景色などというものは、ないとさえ思っている。季節にもよろうしお天気都合や時刻のいかんもあろうし、はなはだしきはこちらの頭のぐあい胃腸の加減によっても、風景はよく見えたり悪く見えたりするものだと思っている。(「豆の葉と太陽」柳田國男)
​​​​​​  乗代雄介 サリンジャー ホールデン少年
​「説明する気になるかどうかわかんないな。」​​
​  と言わせていることの、小説の書き手にとっての問題について考えてみようとしているわけですが、それがどういう結論にたどりつくのか、あるいは、たどり着かないのか、そのあたりは、この論考をお読みいただくほかはないわけですが、この 「考え事」 の題としている 「掠れうる星たち」 を暗示する二つの引用で論をとじています。​​​​​​
「自分だけで心の中に、星は何かの機会さえあれば、白昼でも見えるものと考えていた。」(柳田國男「幻覚の実験」)

「おまえの星たちはほどんそ出そろったか?おまえは心情を書きつくすことにはげんだか?」(サリンジャー「シーモア序章」)
​​ 最近、ボクが、小説とか読んだり、映画とかを見ながら、引っかかっているのは、読んだり見たりしているボクが、それぞれの作品のどこに「ホントウノコト」を感じているのか、わけがわからないと思いながら、そのわけのわからなさに惹かれるのは何故か、そこにぼく自身が何を見たり、読んだりしているのか、まあ、そういうことで、できれば、それをちょっと言葉に出来ればいいのですが、「涙がとまりません」とか、「笑えました」とかいういい方でしか言葉にできないことを訝しく思っているのですが、 乗代雄介 という作家が、どうも、そのあたりのことにこだわって小説を書こうとしているようだと思わせる 「考え事」 でした。
 要をえない案内ですが、ボクには、かなり面白い考え事でしたよ。で、本書の目次を貼っていきます。興味がわいたら、図書館へどうぞ(笑)。​​

目次

​評論​

掠れうる星たちの実験 P5

書評 P
61

『職業としての小説家』村上春樹  
『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年』J・D・サリンジャー(金原瑞人訳)  
『アナーキストの銀行家 フェルナンド・ペソア短編集』フェルナンド・ペソア(近藤紀子訳)  
『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短編29』ジェイ・ルービン編
『ののの』太田靖久  
『大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア―序章―』J・D・サリンジャー(野崎孝、井上謙治訳)  
『サピエンス前戯』木下古栗  
『謎ときサリンジャー 「自殺」したのは誰なのか』竹内康浩、朴 舜起  
『柳田國男全集31』柳田國男  
『ナチを欺いた死体 英国の奇策・ミンスミート作戦の真実』ベン・マッキンタイアー(小林朋則訳)  
『揺れうごく鳥と樹々のつながり 裏庭と書庫からはじめる生態学』吉川徹朗  
『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』梯久美子  
『いまだ、おしまいの地』こだま  
『契れないひと』たかたけし  
『自然な構造体 自然と技術における形と構造、そしてその発生プロセス』フライス・オットー 他(岩村和夫訳)  
『記憶よ、語れ 自伝再訪』ウラジーミル・ナボコフ(若島正訳)  
『鷗外随筆集』森鷗外(千葉俊二編)  
『佐倉牧野馬土手は泣いている(続)』青木更吉  
『松本隆対談集KAZEMACHI CAFE』松本隆 他  
『現代児童文学作家対談5 那須正幹・舟崎克彦・三田村信行』神宮輝夫  
『ウォークス 歩くことの精神史』レベッカ・ソルニット(東辻賢治郎訳)  
『トンネル』ベルンハルト・ケラーマン(秦豊吉訳)  
『今日を歩く』いがらしみきお  
『手賀沼周辺の水害 ―水と人とのたたかい400年―』中尾正己  
『海とサルデーニャ 紀行・イタリアの島』D・H・ロレンス(武藤浩史訳)  
『声と日本人』米山文明  
『ライ麦畑でつかまえて』J・D・サリンジャー(野崎孝訳)  
『案内係 ほか』フェリスベルト・エルナンデス(浜田和範訳)  

創作 P 217

八月七日のポップコーン  
センリュウ・イッパツ  
水戸ひとりの記  
両さん像とツバメたち  
鎌とドライバー  
本当は怖い職業体験  
This Time Tomorrow  
六回裏、東北楽天イーグルスの攻撃は  
フィリフヨンカのべっぴんさん   ​​​​​​​​​​​​​​





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最終更新日  2024.05.09 00:18:22
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