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あとがき 近藤ようこ いかがでしたか、 津原泰水さん の 原作 と読み比べてみたくなりませんか? 近藤さん が 「少女漫画のような」 と書いておられる最初のページを貼っておきますが、実この写真のページは最初の次の見開きで、ホントの最初ではありません。
描く前から、最初と最後は柄にもなく少女漫画のようなイメージにしたいと決めていた。この物語の儚さと甘やかさを綺麗に演出したいと思ったのだ。
「五色の舟」漫画化の話は私はお願いした。原作者の津原泰水さんから承諾をいただけるか大変不安だったが、改変も許すということで、ありがたく手探りしながら描き進めていった。
小説と漫画は本質的に違うものなので、文章をただ絵解きしても漫画にはならない。原作は音も外の世界も知らない和郎が語り手になっている。それが静かに内向し、ふと踏み外せばそのまま幻の世界に入っていきそうな気配を形作っているのだと思ったが、漫画で同じことをすると浅い物真似にしかならないとわかっていた。
他者性をもって俯瞰する人物が必要で、その役ができるのは五人の中で清子さんいない。原作でもたぶん清子さんはそういう役回りなのだろうが、漫画ではより強調したおばさんキャラになり、うまく動いてくれた気がする。
原作では爆弾で消えるはずの都市としか表現されていない場所を、どう描いたらいいだろうと迷ったが、くだんに運ばれた和郎と桜が生きているのは、やはり「産業奨励館が原爆ドームにならなかった世界」であるべきだと思った。原作のファンの方々はどう読んでくださるだろう。
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