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2023.05.08
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 畑正憲「ムツゴロウの青春記」(文藝春秋・文春文庫)​
2023年 、だから今年の春のことですが、作家の 大江健三郎 の訃報に続けて、 ​ムツゴロウさん​ こと、 ​畑正憲​ が亡くなったニュースをネットで見つけました。
大江 ムツゴロウ となんのつながりがあるの?」
​  といぶかしむ方もおありかもしれませんが、実は、このお二人は、まあ、 大江健三郎 が1月生まれ、 ​畑正憲​ が4月生まれなので学年は違うのですが、 1935年生まれ の同い年なのですね。
 ボクは 大江 の作品にであう前に であった人が 畑正憲 でした。 北杜夫 「どくとるマンボウ青春記」(新潮文庫・中公文庫) という大傑作がありますが、 高校1年生 シマクマ君 がはまったのは、まず、この作品で、その中に父親の 斎藤茂吉 の話も出てくるのですが、そのあたりは
「ああ、この人も、いやなオヤジで鬱屈してたんだ。」
​ という共感の理由にこそなれ、 斎藤茂吉 偉さ なんて歯牙にもかけない読み方で、 マンボウさん 旧制松本高校 での、オモシロカナシイ、チョーおバカな生活に、ただ、ただ、あこがれる青春読書だったわけですが、当然のことながら 「青春記」 という題名に惹かれていたおバカ高校生が、いわば、必然的に(笑い)出会ったのが ムツゴロウさん のこの本だったわけです。
 こんな書き出しでした。
​  初めてのラブレター
 季節は覚えていない。だが、赤いセーターが目に焼き付いているので、たぶん四月の終わりか五月の初めのことだったろう。
 私は内ポケットに一通の手紙を忍ばせていた。むろん、忍ばせてという位だから、尋常な手紙ではない。初めて書いた恋文、つまり 現在の妻、純子 にあてたラブレターだった。
中学の二年生 になったばかりとはいえ、女性に恋心を伝えるにはどうしなければならぬかは本能的に察知していた。私は角の文房具屋で上質の便箋と封筒を購い、右下がりの下手な文字であったが、一語一語丹念に書いた。
​  マンボウさん 青春記 にはないのが 恋話 ですが、 ムツゴロウさん は、中学生だったころに経験なさっていたようで、のちに配偶者となる 純子夫人 との初恋話から 青春記 は始まっていて、この本を手に取った当時の シマクマ君 は高校2年生だったわけですが、読んだ本のことをいちいち手紙にしたためて送り付けないではいられない憧れの対象がいたわけで、まあ、どんぴしゃりだったんでしょうね。
 で、お二人の 青春記 の記述が高校生の シマクマ君 にとっては羨望の対象、雲の上の話だったことは、まず、間違いないのですが、 あこがれ というの、それなりのパワー効果があるもので、それぞれの著者の読書体験の記述を鵜呑みにして、かなりむちゃくちゃな 「読書案内」 にしたことが、考えてみれば、その後の 50年の本好きの暮らし の基礎というか、土台というかになったなあと、今になれば、しみじみと懐かしいわけです。
 せっかくですから、それぞれ、お一人ずつ例を挙げれば、 北杜夫 の場合は、やはり トーマス・マン でした。それも、 「魔の山」(岩波文庫) とか 「ヴェニスに死す」 という有名どころではなくて、 望月市恵訳 「ブッデンブローグ家の人々」(岩波文庫全3冊) 実吉 捷郎訳 「トニオクレーゲル」(岩波文庫) でしたね。だって、 マンボウさん がそれを読んだっておっしゃっているわけですからね(笑)。
 で、この 「~家の人々」 は高校時代の シマクマ君 にはシリーズ化していったわけで、 ロジェ・マルタン・デュ・ガール 黄色い本 「チボー家の人々」(白水社・全5巻) を経て ドストエーフスキイの「カラマーゾフの兄弟」(岩波文庫・全4巻) へと進んでいって、終着駅は 「楡家の人々(上・下)」(新潮文庫) だったりしたわけで、、所謂、 一族もの への執着は今でも続いています(笑)。
​​​ もう一度、今、この年になって考えてみればですが、どの作品も、もちろん、 北杜夫 のそれも、それぞれの作家の 最高傑作 といっていいわけで、高校生としては、なかなかな読書体験で、拍手してあげたくなりますね。​​​
​​​​​​​​ で、 ムツゴロウさん ですが、こちらの方も、 博覧強記、乱読、多読の高校生活 ぶりで、あれこれ大量の作品紹介が出てくるのですが、読書案内として忘れられないのが 高木貞治 という数学者の 「解析概論」(岩波書店) という本でした。数学の世界では、かなりな名著らしいですが、 500ページ を超える 大判の大著 でしたが、 但馬 の田舎者だった シマクマ君 は、この本を 京都の河原町 駸々堂 (たしか三条の手前あたりにあった)だかまで買いだしに行って手に入れたのでした。​​​​​​​​
 繰り返し格闘したイメージはありますが、 わかったという記憶はありません 。自分が馬鹿だということをしみじみと実感させてくれた本でしたが、大学生1年生の時に、のちに都立大学のシステム工学だかの先生になった、高校時代からの友人が持って帰っていったことはよく覚えています。
 ちなみに、 1970年 代の初めころ、この、売れるはずのない 「解析概論」 が妙に売り上げを伸ばしたことがあったそうで、不思議に思った編集者が調べてみると、 「ムツゴロウの青春記」 の影響であることが分かったとかいうことをどこかで読んだ気がしますが、まあ、世の中には同じような おバカ がいるものだとちょっと哀れな気分になった記憶がありますね(笑)。
 考えてみれば、 50年前の読書体験 です。 「ムツゴロウの青春記」 は文藝春秋の単行本が本棚の隅にまだありました。ビニールのカヴァーがついた装丁で、案外、美しい状態ですが、中は黄ばんでいます。まあ、捨てられない本ですね。
 まあ、ついでに言えば、 「チボー家の人々」 の単行本の 全5巻 は、マンガ家の 高野文子さん 「黄色い本」(講談社・KCブックス) という漫画で描かれたあの本ですが、大学生になって教室で知り合った可憐な乙女が、下宿の部屋から持ち帰って以来消えてしまいましたが、20年ほど前に 白水ブック 全13巻本 で買い直し、今も並んでいます。ああ、それから、 「解析概論」 ですが、新版が出ていて、そっちは3000円を超えるようですが、ボクの買い込んだ版は 古本で10円 でした。
​うーん、・・・・。​
​​ それにしても、その後も ムツゴロウさん マンボウさん にはお世話になりました。今回、この本をパラパラと読み返したのですが、今でも悪くないと思いました。お若い方たちには、もう古いのでしょうかね。まあ、読むべき本を探して目の前の本を読むなんていう読み方自体がもう古いのかもしれませんね。​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​
大江健三郎 といい、 畑正憲 といい、 「時代を画した」 というべき存在でした。一つの時代が終わりつつあることを実感する 2023年の春 が過ぎていきましたが、新しい時代の明るい光が差しているきざしは感じません。
「よくわかる」 出来合いのスローガンを疑う反骨を育てるのが 「よくわからない」 読書体験だと思うのですが、皆さん、 「よくわかる」 がお好きなようですね。 ​​​​​

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最終更新日  2023.05.08 09:18:36
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