『未熟なボクら ―もう一つのNARUTO-ナルト物語― 』
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第26話「風に揺れる草」
「……真面目にやれサクラ。いくらフリだけとはいえ、大事な任務だ。オレたちの生死がかかってるんだからな……」
「あっ、うん……。そうだよね」
サクラはとまどう気持ちをおさえ、笑顔を作る。そうしてしばらく二人は雑草をかき分けていたが、再びサクラが口を開く。
「さっき……シカマルが言ってたでしょ? ナルトとサスケくんのこと。ケンカばっかりしてるけど、ホントはって……。七班になった最初の頃、私ね、二人がケンカしたとき、いつもサスケくんの味方だったけど……でもホントは、ちょっとだけイヤだったの……。二人が、仲良くしてくれないことが……。だけど今は、ケンカしてても……なんか二人が……ちゃんとお互いを思ってて……。そーいうのがね、なんだかうれしいの」
「……」
サスケは、なんだか不機嫌そうに、無言で草を払う。
「どこの班も、いろいろ問題あるみたい。でも……みんな仲間が大事だって思う気持ちがあるから、だいじょうぶなんだねきっと。だからうちの班も――」
「何が言いたい」
サスケは、サクラを睨む。サクラはビクッとし、それから膝をかかえうつむく。
「……不安なの……。サスケくんが……いなくなってしまうような気がして……」
「……なにを訳の分からないことを言ってるんだ」
「……だって……最近のサスケくん、なんだか……」
そこまで言い、サクラは口をつぐむ。伏し目がちに、風に揺れる草をながめ、そっと触れる。
「……サクラ」
サスケはサクラのほうを見ずに、低く呼びかける。サクラは、空気を感じ取ったのだろうか。体を固くして、サスケの言葉を待つ。
「オレに、仲間とか、そーいうことを求めるな……」
サクラの、草をなでていた手が止まる。二人の間を、風が吹き抜けていく。さわさわと、草がなびく音だけが聞こえる。
「……どうして?」
サクラの声が、かすかに震える。
「ナルトや私のこと、大切な仲間って言ってくれたの……嘘だったの?」
「……」
サスケは、風になびく草に、目を落とす。
「……おしゃべりはここまでだ。任務に支障がでる……」
サスケはそれきり、黙り込んだ。
サクラの、草をなでる手が、震えていた。
ナルトとヒナタは夢之助を連れ、サスケたちとは別の森にいた。
ナルト『次回は……オレとヒナタの任務だなっ』
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ハロウィンイラスト るろうに剣心 October 29, 2012
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