『未熟なボクら ―もう一つのNARUTO-ナルト物語― 』
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第27話「生きていく強さになるから」
ヒナタは、おどおどとたずねる。
「あっ、きのうの、好きっていう気持ちが分かるお菓子?」
ヒナタが恥ずかしそうに笑うと、夢之助はほんのりほおを赤く染め、うなずく。ヒナタは夢之助の口に、イチゴ味のアメをポンと入れる。
「……あっまぁい……」
夢之助のほおの赤みが、少し強くなる。
「なんだってばよ。ただのアメじゃねーか」
「ナ、ナルトくんもなめる?」
「うん」
ヒナタはポーチからアメを出し……顔を真っ赤にする。
「ヒナタ?」
「じ、自分で食べられるよね」
あわててアメを渡すヒナタに、ナルトは首を傾げる。
「ふぅん。ナルトお兄ちゃんはなめるんだ。……サスケお兄ちゃんはなめなかったよ。甘いのは苦手だって」
「サスケのヤツ、カッコつけやがって……。おい夢之助! アメをなめないからって、カッコいいとか思って憧れたりすんなよな。忍としては、オレの方が強いってばよ!」
ナルトは、面白くなさそうにふくれる。ヒナタはあわててナルトに耳打ちする。
「ナルトくん……。夢ちゃんと打ち解けなくっちゃ……」
ナルトは、やっと任務中であったことを思い出す。けれど、特に関心もない子供と、どう接すればいいのか分からず、ナルトは悩む。
「……そういえば、お前ってば夢之助って名前だろ? やっぱでっけぇ夢とかあるのか?」
「ないです」
夢之助はあっさり答える。ナルトは拍子抜けした。
「あ、あの……そんなに大きな夢じゃなくっても……。小さな願い事とか……」
ヒナタはあわててフォローする。
「なにもないよ」
感情を押し込めてしまったように。夢之助の目は熱を持たない。ナルトもヒナタも、そんな夢之助を見てなにか考える。
「……アメ、もう一個なめる?」
「……」
夢之助は、ヒナタに静かに首をふる。
「おいしく、なかったかな?」
少し間をおき、再び首をふる夢之助。ヒナタは、そっと夢之助の肩に手を置いた。
「……あのね、どんなに小さなことでも、うれしいっていう気持ちは大事なんだよ。だって……」
ヒナタはナルトをちらりと見、また夢之助の目を見つめる。
「それは……生きていく強さになるから……!」
夢之助は、顔をあげヒナタを見つめる。
「ヒナタ、お前ってばいいこと言うってばよ!」
「そ……そんな、たいしたことじゃ……」
ニカッと笑うナルトに、ヒナタの顔はほてる。
「……バカじゃないの?」
ほのぼのとしていた雰囲気は、夢之助の言葉に一瞬で打ち砕かれた。
「なにがバカなことなんだってば!」
ナルトは夢之助に顔を突きつける。
「だって、どうせ爆弾でみんな死ぬんだし。万が一爆弾見つけたって……人はどうせ、いつか死ぬのに」
「……お前――」
「ナルトくん!」
ヒナタはナルトの腕をつかみ、夢之助からはなすと、小声で言う。
「夢ちゃんは……爆弾で国の人たちがみんな死んじゃって……独りぼっちで……だから……」
「……」
ナルトはぎゅっとこぶしを握ると、夢之助に静かに近づいた。
ナルト『次回は……ヒナ…タ……が……』
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