『未熟なボクら ―もう一つのNARUTO-ナルト物語― 』
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第28話「あなたが好きです」
静かだが、たぎる思いを必死でおさえこめるようにして、ナルトは言う。
「独りぼっちになって、辛い気持ちは分かるってばよ……。けど、そーいうのはお前だけじゃねぇ。サスケや、ネジや……他にもたくさんそーいうヤツはいる……。だから、いつまでも甘えてんじゃねぇ」
「……」
夢之助は、ナルトの言葉を静かに聞いていたが、やがて答えた。
「ボクは別に、辛くなんかないよ」
ナルトとヒナタは目を見開く。
「言ったでしょ。親なんかいないほうがいいって」
「……お前、本気でそう思ってんのか? 父ちゃんや母ちゃんは、そんなにひどいヤツだったのか?」
「さぁね。見たことも話したこともないから知らないよ」
ナルトとヒナタは絶句した。木々の葉がざわめく。
「……どーいうことだってばよ」
「どーでもいいよ。ボクはただ、もうすぐ死ぬのに一生懸命なみんながなんだか可愛そうだと思っただけ。ボクそこの川でお水飲んでくる」
「……あんまり遠くへ行くんじゃねぇぞ」
夢之助はこくんとうなずくと、かけていった。
「アイツ……どんな環境で育ってきたんだろ。なあヒナ――」
振り向いたナルトは、真っ赤になって震えているヒナタに言葉を失う。ヒナタは、思い詰めた表情で、ナルトを強く見つめる。
「……ヒナタ?」
「夢ちゃんの言うこと、全部合ってるとは言わないけれど……でも全部間違ってるわけでもない……。特に…私たちは忍だから、いつも死と隣り合わせで生きてる。だから伝えておきたいことがあるの」
ヒナタは胸に手を当て、苦しそうに息を吸った。
「私……ナルトくんが好きです!」
ナルト『次回は……えっと…そのさぁ……』
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