雅の日記~お気楽生活をめざして

雅の日記~お気楽生活をめざして

2008年05月06日
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カテゴリ: 読書録
昨晩突然酒が呑みたくなって、深夜0時過ぎから本格的にワインをあけてしまった。美味くて、思わずかなり酒が進んでしまった(結局ハーフボトルくらい)。
おうちでひとり酒
冷蔵庫をあけて適当に出したつまみとワイン。
左は小豆島の生オリーブ。日本で唯一オリーブを生産していると言われているところのもので、塩蔵していない。味もフレッシュなので、毎年秋冬に発売されるときに、かなりの量を買い込むことにしている。

その隣のお皿はレバーのパテ(軽井沢の腸詰屋で購入)とオランダのハードタイプのチーズ(山羊乳)。葉っぱは台所で育てているバジルをもいだ。レバーパテはディップにしたかったので、グリルで軽く焼いたピーマンとパプリカで代用した。

それをいただきながら、『ロックフェラー回顧録』を読みふけっていた。
御年93歳になろうかという、ロックフェラー家3代目の末っ子、D・ロックフェラーの自叙伝である。70年代にチェース・マンハッタン銀行のトップになった、かの人物である。この本はハードカバーで650ページ以上もあるため、家で毎日1章を目安に、ちょこちょこと読み進めている。他の本と並行して読んでいるので、後戻りしては読み返すこともしばしばだ。

そんな楽しみ方をしているのだが、ふと、この部分に目が止まった。1988年、ロックフェラー自身が北京でトウ小平に会ったときの一文である(トウの字が機種異存文字で出ないのでカタカナで表示)。

「トウ小平は自分の世界観について、噛み締めるように語った。二十一世紀は“アジアの世紀”となり、ラテンアメリカも徐々に勢力を伸ばし始めるという。またアフリカが世界の指導者になるときだとさえ考えていた。中国が当分は西洋のテクノロジーと資本に頼ることになるという観測の一方で、欧米列強国が衰退するという見解もそれとなく示した」
(第18章「竹のカーテンを越えて中国へ」・338頁より)

「黒い猫も白い猫も、ネズミを取る猫は良い猫だ」という「黒猫白猫」論を展開し、中国の市場開放への先鞭をつけたトウ小平。この発言はいかにも彼らしい視点だと思う。

最近言われている「デカップリング論」。サブプライム問題でアメリカがコケ、先進国の経済成長が鈍化しようとも、BRICsを始めとする新興国の新しいパワーが、それを補うというかの論調である。

もしその「デカップリング」が起こるのならば、20年近くも前にトウ小平はそれを予見していた(あるいはその仕組み作りをしようとしていた)ということになる。

このトウ小平の発言について、当時D・ロックフェラーがどういう風に感じたのかは、言及されていないのでわからないが、非常に興味深いなと思った。

『ロックフェラー回顧録』は現在全体の半分ちょっとを読み終えたところで、気になって付箋を貼った箇所は7カ所。読了時に自分がいくつ、どの部分に付箋を張るか、今からとても楽しみである。





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最終更新日  2008年05月06日 00時14分16秒
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Re:真夜中の読書(05/06)  
yummy さん
トウショウヘイは今の世界を予測していたんですね!

昔新聞で彼が海外を訪れた際のコメントを読んだとき

すごく素直に反応する人だなと思いました。記憶違い

でなければフランス留学経験がありクロワッサン大好

きなんですよね。話はそれますがパンダの貸出制度

できたのはいつからなんでしょうか。もうお金持ちに

なってきたのだからパンダを出稼ぎさせるのは終わり

にしたら良いのにと思うのですが。

(2008年05月06日 07時30分29秒)

Re:真夜中の読書(05/06)  
自悠人 さん
昔の覇権の移行は戦争でした。
しかも、争覇をしていたもの同士ではなく、それ以外の国に対して覇権が移行した例が非常に多いです。
この理由は私にはよくわかりませんが、戦争により、国家財政が疲弊した結果、新興国に覇権が移行するという側面があり、国家財政が一つの解ではないかと考えています。
以前と異なり、近代国家は、社会保障の重圧で疲弊するのではないかと考えています。
そして危機が克服できないまでに膨れ上がった場合、覇権が移行するのではと思います。
先進国、特にアメリカは社会保障の株価の依存度がかつてなく高まっています。
社会保障を受けるべきパイは大きくなる一方であるとともに、経済が順調に伸びていれば問題がないですが、一度危機となるとこの影響が年を追うにつれ大きくなります。
そして、相対的に、新興国ほど人口構成比でも社会保障でも耐性があるような気がします。
少し前のアジア金融危機のような特定地域の特定国家に対しての危機はこれからも発生する気がしますが、比較的大きな経済規模となった中国やインドで危機が起こるとアメリカが耐えられないような気がしています。
そして、高齢者比率が高い国では、社会保障を下げると社会不安が発生します。特に民主主義国家では、政策的に社会保障を下げる政策を採りづらいと予想しており、何回かの危機後、覇権の移行が起こると予想します。
ということで、歪んだ見方かもしれませんが、デカップリング、リカップリングとは別の側面があるのではないかと思っています。 (2008年05月06日 15時08分08秒)

Re:真夜中の読書(05/06)  
独酌  さん
ワインとチーズをこよなく愛したドゥ シャオビン。
経済特区の制定など経済面では柔軟な姿勢を示して急速な中国経済の発展をもたらしたが、政治の面では天安門事件を挙げるまでもなく体制(自分)への批判的態度は一切の容赦なく弾圧した独裁者。人民からも愛されていなかったのでは? 国葬もなかったし。
それにしても美味しそうなものを・・・同じワー○ホ○ックのくせに・・・ズルいなぁ~! (2008年05月06日 20時35分35秒)

Re[1]:真夜中の読書(05/06)  
slowlysheep  さん
yummyさん、こんばんは。
トウショウヘイがクロワッサン好きとは知りませんでした!

そういえば、フーさんがパンダをつがいで貸出すとかいってましたね。
パンダを貸してもらってただ喜んで、その「真意」まで推し量らない国民が多いのならば、日本はやっぱりおばかさんが増えているのかもしれません。
貸与するパンダの見返りに資源リサイクルや技術のシステムをどれだけごっそりもっていかれるか、背中が寒くなります。

松下のプラズマパネル工場、フーさんの使節団がこぞって今回観察してます。 (2008年05月08日 00時29分24秒)

Re[1]:真夜中の読書(05/06)  
slowlysheep  さん
自悠人さん、こんばんは。
社会保障費からの観点はいい切り口だと感じています。
人口動態と若年人口割合が、国家の経済成長率と密接に関わっているのは、誰もが知るところですが、要するに「若い労働力が豊富にある国」は、単純に考えても、ジジイ(金を出資する資本家)に「金利」を支払うという重しが軽いから、お金を新しいことを興すための投資に振り向けられやすいということでもある、というわけですね^^
(2008年05月08日 00時35分37秒)

Re[1]:真夜中の読書(05/06)  
slowlysheep  さん
独酌さん、こんばんは。
トウショウヘイは、文化的にはフランスを愛していたんですかね?

経済に対する柔軟性とは大きく異なり、政治では中共らしい「恐怖政治」っぷりですね。
けれども、これはフランス革命以後のギロチンを用いた弾圧の時代の政治体制と、よく似ている、なんてことを思うのです。

夜の酒の肴は、たまたまあったものなので・・・。
今はぬかと味噌の漬物類が多く冷蔵庫に入っています。あとは昨日とりたてのたけのことわらび、ふきをどうにかするくらいですね・・・ただ今日はまだ仕事してますんで、お酒はナシです(笑) (2008年05月08日 00時43分13秒)

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