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2011年11月13日
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カテゴリ: 最近読んだ本
昨日の夜は、久しぶりに読書をということで
買って読んでいなかった本を読んでみた。
島田荘司さんの秋吉英明事件を読了。

最初に、事件の解剖結果などが
つらつらと述べられる。
事件の核心に至る謎がまず提起される。

秋吉の悲惨な幼児時代。
経済成長の影にある、特殊な人間関係と生活環境。
それは秋吉にも影響を及ぼす。
女性に対する蔑視。
二番目の女性を伴侶としようとした秋吉。
だが、その女性はまた過去に傷を持っていた。

目撃者がいたにも関わらず
女性に対する偏見から、目撃者は見ていないという。

秋吉は自殺しようとするが死に切れず
判決が下るまで、自分ひとりの犯行だと言い切るつもりだったが
女性がある男性のことを良く言わなかったため
意見を翻す。

そして、秋吉に判決が下る。
証拠の十分な調査もされないまま…
謎は永遠に謎として残る。

後書きでは、冤罪とは言えないまでも
刑が執行されたのには、
こういう背景があるのだと語られる。
野菜炒めの謎…
タバコの謎…
それら全てが、当事の社会情勢を物語っていた。

御手洗さんや吉敷さんの鮮やかな解決ではなく
実際の判例を元に、トクトクと語られる本作。
島田さんは、冤罪事件を多く取り扱っていらっしゃるが
この作品でも、多くを考えさせられた。

決して秋吉に非が無かったわけではない。
だが、秋吉だけに罪があったわけでもない。
死刑という逃げ道が用意されていたこと。
これが本当の悲劇かもしれない。

最後まで考えさせられる本だった。
ともあれ、久々の読書は楽しかった。
他にも読んでいない本があるので
今度そちらも読んでみたいなぁ。





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最終更新日  2011年11月13日 14時45分34秒
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