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2018/02/13

日本郵船氷川丸(神奈川・横浜市)

テーマ：史跡めぐり(508)

カテゴリ：乗り物

かつてのフランス波止場、山下公園には日本郵船の貨客船「氷川丸」が係留されています。
氷川丸全景 (2).JPG

氷川丸全景
全長163.3m、総トン数11,622トンです。

氷川丸の内部は2008年にリニューアルされ、中に入って見学することができます。
氷川丸右舷.JPG

右舷乗船口

乗船口のあるＢデッキからエントランスホールに入り、順路にしたがって前方部へ進んでいくと、一等食堂が展示されていました。
氷川丸一等食堂 (1).JPG

一等食堂
とても船内にいることを忘れてしまいそうな豪華な雰囲気です。

最上階のＡデッキ上がると、一等の客室や特別室が展示されていました。
氷川丸一等客室.JPG

一等客室

一等特別室
秩父宮両殿下やチャーリー・チャップリンも利用したそうです。

氷川丸一等サロン.JPG

一等サロン

一等デッキには屋外デッキがあり、デッキに出てみることにしました。
氷川丸屋外デッキ.JPG

Ａデッキ左舷の屋外デッキ

氷川丸屋外デッキよりみなとみらい.JPG

屋外デッキから見たみなとみらい21
アメリカ西海岸への航海当時は、太平洋の水平線が広がっていたことでしょう。

Ａデッキを出て前方部に行くと、操舵室のあるＮデッキへと続いていました。
氷川丸上甲板ファンネル.JPG

Ｎ1デッキから見たファンネル(煙突)
正午になると大音量で汽笛が鳴るので、Ｎデッキにいる時は要注意です。

氷川丸メインマスト.JPG

後部オープンデッキから見たメインマスト

氷川丸船首.JPG

Ｎ3デッキから見た船首部分

氷川丸操舵室 (2).JPG

操舵室
船体の割には小さな操舵室だったのが意外でした。

氷川丸の船名は武蔵国一之宮の氷川神社 (さいたま市)に由来しており、操舵室には氷川神社が分祀されていました。

三等客室のあるＣデッキと最下部のＤデッキには機関室があり、エンジンが展示されていました。
氷川丸機関室.JPG

デンマークのバーマイスター・アンド・ウエイン社製ディーゼルエンジン(上部)
8気筒の4ストロークエンジンが左右に1基ずつ備えられ、1基あたり5500馬力の出力は、当時の最大級でした。

氷川丸機関室クランクシャフト.JPG

下部のＤデッキにあるクランクシャフト

氷川丸プロペラ.JPG

船尾部分
現在は取り外されていますが、かつては2軸のプロペラが付いており、最大速力は18.38 kt(約34km/h)でした。

氷川丸の竣工は1930年(昭和5年)のことで、日本郵船の貨客船として、日本とアメリカ西海岸のシアトルとの定期航路に就航しました。
当時はシアトルまでは10日間の船旅だったそうです。

太平洋戦争では旧帝国海軍に徴用されましたが、戦後は再びシアトル航路に復帰し、1960年(昭和35年)の引退まで、太平洋を254回横断しました。

そして2016年(平成28年)8月、氷川丸は国の重要文化財に指定されています。

氷川丸が係留されている桟橋は、横浜クルージングの乗り場にもなっており、氷川丸の隣からはマリーンルージュが出航していきました。
氷川丸マリーンルージュ.JPG