同研究所気候・環境研究部の保坂征宏第2研究室長(58)は「気温上昇に伴い積雪期間そのものが短くなる。春の訪れが顕著に早くなっていく」と予想する。 上川管内上川町に生まれ、小学2年でスキージャンプを始めた高梨選手にとって「ジャンプ台にしっかり雪があって、冬になったら多すぎるくらいの雪で街じゅうが真っ白になるのは当たり前」だった。それが今、世界各地で年を追うごとに失われていく。 雪山の自然環境を守るため、高梨選手は昨年5月、プロジェクト「JUMP for The Earth」を立ち上げた。雪の減少について自らの体験を語ったり、ごみ拾いイベントを開いたりして、自然の大切さを訴える。 今年1月には、藤女子高(札幌市)の生徒とともに、札幌市中央区の大倉山ジャンプ競技場の一角にマイボトルを持参した人への無料ドリンクバーを設けた。 W杯の観戦者によるペットボトル使用を削減し、環境問題にも関心を持ってもらおうという高梨選手と高校生のアイデア。その意義を高梨選手はこう表現した。「小さな一歩を踏み出すことで、輪が広がっていくと思うので」