トカトントン 2.1

トカトントン 2.1

2005/10/05
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カテゴリ: 音楽
high land hard rain
02.Boy Wonders
03.Walk Out to Winter
04.Bugle Sounds Again
05.We Could Send Letters
06.Pillar to Post
07.Release
08.Lost Outside the Tunnel
09.Back on Board
10.Down the Dip
11.Haywire
12.Orchid Girl
13.Queen's Tattoos


■Aztec Camera のことを書く時、どうしてみんな「青春の」という枕詞を使うのだろうか。おそらくそれは瑞々しいギターの音とけっして巧くないけど、なぜだか若者代表みたいに聞こえるロディ・フレイムの声のせいなんだろうな、なんて思う。そうだよな、このアルバムを出した時、彼はまだ10代だったんだから。

■豪華絢爛なニュー・ロマンティックのアンチ・テーゼとして起こるべくして起きたネオ・アコースティックという波。生ギターの復権、TシャツとGパンでやってもいいロック。特にこのAztec Camera のデビューアルバムには有り余るギタリストの才能と彼の歌いたいことに溢れている。

■ラフトレードからこのアルバムが出たのは83年。聞き手の私はとうに悶々とした青春時代は過ぎ、若者たちとは距離を置いた生活を始めていたのだが、たとえば同時代的にこの種の音楽を聴いていたとしたら、そんなに瑞々しさは感じられなかったんじゃないか。その只中にいたのでは、甘酸っぱさとか苦々しさなんてものは、感じる余地がないもの。少し遠くにいるからこそ、感じられるものもあるということ。

■M1のウキウキしたギターポップにはいつ聴いても心が浮き立ってしまう。特別な名曲だと思う。M3にはロディのアイドルだったクラッシュの故ジョン・ストラマーのことが歌われている。心の運動会のテーマソングみたいなM6のはつらつ感もまた良し。以上3曲がこのアルバムの代表的なチューンだが、実はすごく渋く切なさ溢れるM7.M10が好きだ。

■とにかくロディ・フレイムのギター・テクニックがすごい。おそらくかなり色んな種類の音楽を聞きこんでいたんだろう。これだけギターが巧い人が友達にひとりいれば、その人の人生はずいぶんと幸福だと思う。今回聞き直して気がついたのは彼の作風はジョージ・ハリソンの作る曲に似ているということ。一本調子で登りつめるみたいな所が一緒です。

■日本でもフリッパーズ・ギターが、かなりこの音楽から影響を受けている。特にオザケンの方にその傾向は強い。「カメラ・カメラ・カメラ」なんて3回もラブコールを送っているじゃないか。日本語で歌われるアズテック・カメラも気恥ずかしさを通り越してなんかウキウキしちゃうところもある。二度と戻りたくもない青春なんて時代だけど、それだけ強く意識しているということは、あの若さとバカさが結構好きだったからかもしれない。





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Last updated  2005/10/05 09:01:41 PM
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Dehe@ Re[1]:カルトQ 2005 北の国から(10/18) adventさんへ ご指摘の通りです。例によ…
advent@ Re:カルトQ 2005 北の国から(10/18) 五郎が読んだ大江健三郎> 開口健ではなく…
しょうゆ@ Re:家庭教師 / 岡村靖幸(09/09) …最後まで岡村靖幸はわからなかったのでは…
背番号のないエース0829 @ Re:ヒトラー 映画〈ジョジョ・ラビット〉に上記の内容…
Dehe @ Re[1]:センチメンタル通り / はちみつぱい(04/17) Mr.Zokuさんへ 情報ありがとうございまし…
Mr.Zoku@ Re:センチメンタル通り / はちみつぱい(04/17) 今年出た[Deluxe Edition]は聴かれました…

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