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2012年04月19日
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カテゴリ: 漫画・アニメ





今さらながら、レンタルコミックで読了 (全10巻)。

ドラマもアニメも全く観てません。


遠い昔の話だが、高校入学時に 「芸術科目」 を選択するにあたり、 「音楽」 と 「美術」 と 「書道」 の中から、迷わず 「美術」 を選択した私。

お絵かきが好きだったし、兄2人とも絵が上手く、自分もそれなりに 「美術の方がデキる子」 だと思い込んでいた。


ところが、入学数ヶ月で、自分の芸術的センスなど、良くても 「普通よりはマシ」 程度なんだと思い知った。

わざわざ、めんどくさい 「美術」 を選択する生徒は皆さん、そこそこ 「描ける」 人ばかりだったのだ。(選択では、無難な 「音楽」 が一番人気)


仲良かった女子に抜群に絵の上手い子がいたのもあり、早々と才能の違いを思い知らされたその時以来、美術的才能のある人には、ホントに弱い。


特に、私の場合、握力と根気が無いせいで彫刻関係が苦手だったので、 「伝統工芸品」 かと見紛うような細かい作品を彫っている男子生徒を見て、一瞬にして惚れそうになってしまった位だ。

(よく見たら、初めて存在を認識したって位、影の薄い同級生で、当時は人見知りだった私は声も掛けられなかったが…)。


だから、え~と…、何が言いたいかとゆーと、『 ハチクロ 』 読んで、一番、共感したところは、「若い恋の切なさ」 とか 「不器用な人たちが大人になる葛藤」とかよりも、 「本物の天才に出会ってしまう衝撃」 なのだ。

同じレベルの者同士でノホホンと大学生活を過ごしがちな文系大学生と比べたら、才能の壁に 「ぶち当たったり」、「恋したり」 が日常なのかもね…、美大生は。


ただ、普通高校レベルでも 「美術」 を選択する生徒は唯我独尊タイプが多く、クラスは全くまとまらず暗かったので、後で 「やっぱり音楽選択にすりゃ良かったかも」 と思ったものだが。

( 『ハチクロ』 のベタツキ感は嘘っぽく感じる)


んなワケで、私は、天才 「森田」 が気になるなあ。


ストーリー的には、案外、どうってことないベタな話だが、「古いギャグ漫画」 要素がおかしくて、何とか退屈せずに最後まで読めた。


正直、あそこまで広くヒットした理由は、あんまりよく分からなかったが…。


ラストも、若者には衝撃的だったかもしれないが、私の年齢から見れば、想定の範囲内。

ギャグと悲劇をないまぜにしてしまう手法は、昔の大和和紀 (『はいからさんが通る』 など) っぽいし。


ある意味、あれだけ、遅々と進展しない 「片恋」 の物語を10巻分 (物語的には、約5年分) 続けて、しかも、似たような場面設定の繰り返しにも拘わらず、多くの読者を飽きさせずに連載を続けた力量は、なかなか凄いのかも。


同じようなシーン、同じようなモノローグの繰り返しが、逆に、登場人物のちょっとした 「成長」 を語っている…と、 「結果論では」 言えなくもない。


ただ、純愛ラブストーリーに対して 「それを言ってはおしまい」 かもしれないが、登場人物全員が「ナルシストだな~」 というのが、正直な感想。

「一途に片思いする自分に酔う」 → 「それに気付いて自己嫌悪に陥る自分に、また酔う」 → 「やっぱり、恋する自分が好き」 のナルシシズム・スパイラル…。


実際問題、フった相手に優しくするのって、罪だよな。

あり得ん…。



ところで、以前紹介した 『 マンガのあなた SFのわたし 』( 2012.3.29.の日記 )の、萩尾望都との対談で、羽海野さんは、 『 ハチクロ 』 の恋愛模様を萩尾先生の『 ゴールデンライラック 』 (1978年) になぞらえて語っていたが、私は寧ろ、『 十年目の毬絵 』 (1977年)を思い出した。

仲間だった美大出身の男女が、10年後に、 「なぜ、あのまま、ずっと3人でいられなかったのかな」 …と昔を懐かしむ話で、16ページで済んでしまっている短編なのだが。

萩尾先生の短編の中では、地味だけど、私的には名作上位に入れたい作品だ。



<関連日記>
2012.3.29. 天才は一日にしてならず・・・ 萩尾望都 『 マンガのあなた・SFのわたし 』







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最終更新日  2016年10月11日 23時28分43秒
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