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2014年07月09日
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カテゴリ: 漫画・アニメ





レンタルコミックにて、既刊15巻 読了。


紀元前4世紀頃の中国、戦国時代に実在されたとされる、斉国軍師 「孫臏」 をモデルにした歴史ファンタジー。


『三国志』 (横山光輝) ( 2012.8.17.の日記 ) は途中で挫折、『キングダム』 (アニメ) も戦闘シーンになるとイマイチ白けてしまう私だが、この作品はまあまあ飽きずに読める。

正直、(今のところ) 平和な日本で、古代の歩兵戦や騎馬戦の戦闘のノウハウを延々見せられても、 「へ~」 って以外、余り感じないんだよな。


この作品の場合は、支配者の論理で駒のように扱われる民兵や、虐げられる女子供の立場にも目を向け、単なる武将賛美に陥らない作品になっている。


その分、創作的な描写が露骨に多いが、それはそれで良い。

歴史小説や歴史漫画、時には歴史の教科書すら、あくまで後世の歴史家や作家の 「解釈」 に過ぎず、多かれ少なかれ仮定や想像が含まれていることを、皆、知らないわけではないだろうが、虚像に過ぎない歴史上の人物に必要以上に傾倒する人が多すぎる。


この作品の主人公、孫臏は、顔に入れ墨をされ、歩けぬように膝をくり抜かれた臏刑者でありながら、女性のような可愛らしい顔立ち、明るく、異常に賢く、それでいて男気があり、弱者に優しいという、あまりにも完全無欠過ぎる人物描写に、これが史実だと信じ込む読者も少なかろう。


また、こういう歴史ものに登場する女性は、闘う男の足枷になる役回りだったり、少々賢ければ欲深い悪女とか、何となくネガティブに描かれがちだが、この作者の場合、女性キャラを重用し丁寧に描く姿勢は買う。

勿論、実際に、あの時代に女性戦士がいたとは考えにくいが、ファンタジーという前提ならアリだと思うし、実際に、物語を面白くする要素となってるので文句はない。

性的なシーンも、ストーリーやキャラに厚みを持たせる要素となっているので、単なる読者サービスとは思わない。


ただ、作者の趣味か知らんが、必要以上に 「巨乳・童顔」を強調し過ぎる作画が、作品の 「品位」 を下げているように感じるのは私だけ?

戦闘の悲惨さを表現する為に、殺戮シーンや苦悩する人の形相をやたらと強調しているところは余り好きではないが、アシスタントを駆使しているにしろ、細かいところまで手を抜かない作画スタンス自体には好感が持てる。

だが、巨乳を強調した甲冑だとか、殆ど裸同然のコスチュームとかは、ちょっとやり過ぎで、品がない。

百歩譲って、もう少し裸体の描画が上手ければまだ良いが、巨乳過ぎる上半身に、細過ぎる下半身がアンバランスで、興ざめ。


まあ、青年誌だから男性読者は大喜びなのかも知らんが、この辺が、この作者のメジャー化のネックになるような気がする。




<関連日記>
2012.8.17. 勧善懲悪の戦国物語に辟易 ・・・ 横山光輝  『 三国志 』










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最終更新日  2016年10月10日 23時37分47秒
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